子どもの学び・教育

絵本の選び方とおすすめ絵本。年齢別に親子での楽しみ方!

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chi93さん【育児コラムライター】

教育大卒で小学校・中学校・高校の教員免許を持っている、元小学校教員。現在は5歳の娘と3歳の息子をもつママさんライター。子供の教育・成長・発達といった情報を発信しています。「初等教育(小学校教育)」と「音楽」を専門分野としており、子育ての悩みを抱えるお母さん達へ、実践的な育児・教育方法をご紹介しています。

近年、絵本の人気が高まり、読み聞かせを大切にしようという考えが広まっています。実際、読み聞かせを行うことで、子どもにいい影響を与えることも事実のようです。

書店の絵本コーナーが広くなったり、毎月多くの新作絵本が出版されたりする中、絵本選びに困るママも多いでしょう。

そこで今回は、年齢別、絵本の選び方について、おすすめの絵本と一緒に紹介します。

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絵本の読み聞かせにはどんな効果があるの?

絵本を読み聞かせることによって、子どもは絵本の世界を想像する力が身につきます。様々なストーリーや登場人物に触れることにより、自然と人の気持ちを感じ取れる子どもになるでしょう。

人の気持ちを感じ取れる子どもは感受性も豊かになり、心優しく育つことが多いです。また、絵本の読み聞かせは親子のコミュニケーションツールとしても有効です。

普段、ついスマホをいじったり料理をしたりしながらの「ながら育児」をしてしまいがちなママこそ、絵本の読み聞かせを通して全力で子どもと向き合う時間をもつようにしてください。

そしてなにより、絵本の読み聞かせを続けることで、子どもが絵本好きになります。絵本好きの子どもは、字が読めるようになったら自分で絵本を読み始めます。

絵本がやがて児童書になり、中学生にもなれば小説を読めるようになるでしょう。本好きの子どもは、語彙や文章表現が豊富になり、学力の基礎である「国語力」が身につきます。

国語力が育っている子どもは、国語だけでなく数学や理科など、勉強が全般的に得意になる傾向にあるのです。

0歳児の絵本の選び方

0歳児の赤ちゃんは、当然ながら自分で絵本を選ぶことができませんし、ストーリーを理解することもできません。

そのため、ママが絵本選びを行いましょう。そのときには、呼びかけるような文章が使われていたり、同じリズムの言葉が繰り返し使われていたりするものがおすすめです。

絵本を通して赤ちゃんとの会話を楽しめるような絵本を選んでください。

また、赤ちゃんはまだ視力も発達していないので、色がはっきりした絵を好む傾向にあります。絵本を目にしたときの赤ちゃんの反応にも注目しましょう。

ごぶごぶ ごぼごぼ (福音館書店)

「ぷーん」「ど ど どぉーん」「しーー」など、擬音を集めた絵本です。登場人物はなく、各ページには擬音のイメージに合わせた様々な模様描かれています。ページにはところどころに切り抜きがあり、前後のページと合せて楽しむことができます。リズムよく読める擬音語が耳に心地よく、読み手も楽しくなるでしょう。

かにこちゃん (くもん出版)

海に住む、カニの「かにこちゃん」のお話です。朝のあいさつをして、お友だちと少しにらめっこして、美しい景色を見て、夜のあいさつをする。大きな盛り上がりやストーリー性はありませんが、あたたかい気持ちになります。また、海、青空、夕焼けの描写が美しく、色のメリハリが効いた一冊です。

きしだ えりこ (著), ほりうち せいいち (イラスト)

1~2歳児の絵本の選び方

1~2歳になってくると、絵本の楽しさが分かり、自分から読み聞かせをお願いしてくることがあります。簡単な起承転結がある絵本や、はっきりとした主人公が登場するような絵本も理解できるようになってきます。

また、「歯磨き」「ご飯」「睡眠」など、日常生活に寄り添った内容の絵本もこの時期がおすすめです。あまり教育的になりすぎないように、優しい文体の絵本を選ぶようにしましょう。

絵は、赤ちゃん向けのものを卒業して、写実的な絵がおすすめです。写実的な絵を選ぶことで、実際に自分が目にする物と絵本に登場する物とが結びつきやすくなるため、「これ絵本で見た!」「これって昨日食べたご飯?」といった反応を見ることができるでしょう。絵本が、子どもの語彙を増やす手助けになります。

だるまさんシリーズ (ブロンズ新社)

「だるまさんが」「だるまさんの」「だるまさんと」の3冊があり、どれも子どもからの人気が高い、有名なシリーズです。「だるまさんが…」と繰り返しの言葉が楽しく、言葉を覚えたての子どもも一緒になって絵本を読むことができます。

何度も読むうちに、子どもは自然と、自分の身体でだるまさんの行動を再現するようになるでしょう。絵本の世界にとどまらない楽しみ方ができる絵本です。

いいおへんじ できるかな (偕成社)

名前を呼ばれた動物たちが元気よくお返事する、教育的な効果も期待できる1冊です。登場する動物は、犬、猫、そして怪獣!?それぞれの動物たちは、どんなお返事をするのか、主人公である女の子の「ゆうちゃん」はいいおへんじができるのか、そしておへんじができたらどんないいことがあるのか…。他にも、はみがきやおふろ、トイレなどのシリーズがあり、子どもの生活面をサポートしてくれます。

3~4歳児の絵本の選び方

3~4歳になると、ストーリーをかなり理解できるようになり、長い絵本でも集中して聞けるようになってきます。

何度も繰り返し読むことで、子どもも絵本の内容を覚え、一緒に声を出して読むようになることもあります。一方、読む側としては、読むのに時間がかかって億劫になってくる時期でもあります。

ここで読み聞かせをやめてしまうと、子どもも絵本に対する興味を失ってしまいますから、根気強く続けたいところです。

そこで、親子で書店や図書館に出かけ、ママ自身も「読んでみたい」「ストーリーが気になる」と思えるような絵本を選ぶのがおすすめです。

逆に、「名作」と呼ばれるような長い物語は、読み手も聞き手も疲れてしまうのであまりおすすめできません。童話を絵本にまとめようとすると、どうしても無理やり短くしたような不自然さを感じてしまうからです。絵本として書き下ろされた、読みやすいものを選ぶようにしましょう。

でんしゃに のったよ (福音館書店)

乗り物が大好きな子どもにおすすめの絵本です。お母さんと一緒にたくさんの電車に乗り、東京に住む「しんちゃん」に会いに行きます。難しすぎないストーリーが子どもにも分かりやすく、写実的な電車の絵は迫力満点です。各ページには、電車に乗る主人公が様々な角度から描かれており、電車のどの車両に乗っているのかを探しながら読み進める楽しみ方もあります。

はらぺこあおむし (偕成社・ボードブック)

絵本に詳しくない人でも知っている「はらぺこあおむし」は、3歳頃から本格的に楽しめます。それぞれのページに描かれる絵が美しいことはもちろん、「あおむし」がたくさんご飯を食べて大きくなり、やがて「さなぎ」になり「ちょうちょ」になるというストーリーを理解できるようになるでしょう。また、この絵本をもとに、シンガーソングライターの新沢としひこさんによって作詞作曲された歌があり、こちらも子どもに人気です。

エリック=カール (著), もり ひさし (翻訳)

5歳児の絵本の選び方

5歳になると、長い絵本や複雑なストーリーが理解できるようになります。仲間や友達と協力したり、努力を続けて成功をつかみとったりするような物語もおすすめです。

また、「生まれてきてくれたことに対するママの喜び」や、「下の子が生まれたときの上の子の寂しい気持ち」を表現した絵本もたくさんあります。愛情表現が苦手なママは、こういった絵本を通してママの暖かい気持ちを伝えるようにしましょう。

長い物語は2日に分けて読んだり、朝と寝る前に分けて読んだりするのもいいでしょう。ママ自身も絵本を楽しむ姿勢を忘れないようにすることが大切です。

また、ある程度文字が読めるようになってきたら、赤ちゃん時代に読んでいた絵本を出してきて、自分で読んでもらうのもおすすめです。

文字を読む練習になるだけでなく、赤ちゃん時代に絵本を読み聞かせてもらっていた楽しい思い出を思い出すことができるでしょう。弟や妹がいる場合は、自然と読み聞かせの技術まで身につきます。ここで「自分で読む楽しさ」を感じてもらえれば、今後も絵本好き、本好きに育っていきます。

せんたくやさんのググ (教育画劇)

あらいぐまの「ググ」が開くせんたくやさんは、今日も大繁盛。そこへ体の大きなゾウさんの服もクリーニングすることになり、大ピンチ…!?ググが大勢の友だちに助けられながら洗濯をする姿と、動物ごとの「得意」に合わせて手分けする様子がかわいい1冊です。最後にはクスッと笑ってしまうようなオチもあり、本格的なストーリーを楽しめるようになった頃にぴったりです。

どうぞのいす (ひさかたチャイルド)

うさぎさんが作った「どうぞのいす」に、食べ物を持った動物たちが順番にやってきます。イスに置かれた食べ物を食べてしまい、その代わりに、自分が持っていた食べ物を置いていく。動物たちのお茶目さと優しさの両方を感じることができる物語です。物々交換が続いた最後にはどうなるのか…?このオチが理解できれば、子どもの「国語力」もかなり成長していると言えるでしょう。

香山 美子 (著), 柿本 幸造 (イラスト)

絵本の読み聞かせで子どもの心を育てよう

以上、年齢別、絵本の選び方とおすすめの絵本を紹介しました。
ママとしては、きちんとしたストーリー性のある絵本や、生活に役立つ教育的な内容の絵本を聞かせたいと思うかもしれません。ところが、子ども自身は絵本にそのような内容を求めていないのです。「絵がきれい」「言葉のリズムが楽しい」など、絵本の価値は様々な場所にあります。たくさんの種類の絵本を読み聞かせ、子どもの心を育てましょう。

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