子どもの学び・教育

親子の絵本読み聞かせには、全ての学びの基礎が詰まっている。

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この記事を書いた人
chi93さん【育児コラムライター】

教育大卒で小学校・中学校・高校の教員免許を持っている、元小学校教員。現在は5歳の娘と3歳の息子をもつママさんライター。子供の教育・成長・発達といった情報を発信しています。「初等教育(小学校教育)」と「音楽」を専門分野としており、子育ての悩みを抱えるお母さん達へ、実践的な育児・教育方法をご紹介しています。

近年、絵本がブームになっています。子どもが楽しめることはもちろん、大人も呼んでいて楽しい内容の絵本が次々出版されています。

幼い子どもが絵本を楽しむには、読み聞かせが必要不可欠です。絵本を読み聞かせると、子どもにどんな良い影響があるのでしょうか?

今回は、絵本の読み聞かせに期待できる効果4つを紹介します。

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親子のコミュニケーション

わたしは、絵本の読み聞かせの最大のメリットは「親子のコミュニケーションが取れる」ことだと思っています。

「普段忙しくてなかなか子どもと遊べない」「子どもがテレビや動画ばかりを見たがり、つい頼ってしまう」「遊び相手をしながら、テレビを観たりスマホをいじったりしてしまう」という悩みを抱えているママも多いはず。

「もっと子どもの相手をしてあげたいのに、なかなかできない」というママこそ、読み聞かせでコミュニケーションを取ることをおすすめします。

絵本を読み聞かせるときには、子どもを膝の上に座らせ、スキンシップが自然に取れるほか、文字を読まなければならないので「ながら育児」が不可能です。「今、全力で子どもと向き合えている」と感じることができるため、ママ自身も満足感や安心感を得られます。

さらに、子ども自身も絵やお話に集中するため、一時的にテレビやおもちゃから離れることができるでしょう。小さい頃から継続して読み聞かせを行うと、こういったスキンシップが日常生活の中に組み込まれます。

子どもの自立が進む5歳以降「なんとなくスキンシップが減ってきたな…」と思うようになったときも、読み聞かせの間はお互いの体温を感じることができるのは魅力です。

また、「大好きだよ」「あなたのことを大切に思っているよ」という愛情を伝えることが苦手なママは、自分の気持ちを伝えられるような絵本を選んでみてください。絵本の読み聞かせを通して、子どもへの愛情を伝えることができます。

想像力を鍛え、世界観を広げる

子どもは、絵本を通してさまざまな世界を体験します。絵本に登場するのは、「自分と似ている」主人公だけではなく、「大人しい女の子」「わんぱくな男の子」「怖がりなお兄ちゃん」「寂しがり屋なお姉ちゃん」など、自分とは全く違う立場・性格の主人公かもしれません。

そんなとき子どもは、「どうしてこんなに怖がっているの?」「わたしだったらこうするのに」と想像力をふくらませ、物語の世界に入り込むことができます。こうして想像力を鍛えると、日常生活でも「あの子はこんな気持ちなのかな」「こうしたら喜んでもらえるかな」と相手の心を思いやることができるようになり、コミュニケーション力の向上につながります。

さらに、絵本の世界は自由です。空を飛んだり、海に潜ったり、動物とお話したり、びっくりするようなトラブルに巻き込まれたり…子どもの間に、絵本でしか体験できない世界がたくさんあります。幼い頃から世界観を広げておくことで、「新しいものを受け入れる力」「初めてのことに挑戦する力」が身につきます。

読解力、語彙力を育てる

絵本の読み聞かせは「読書体験」に替わる存在となるため、普段は読書を通して得られる「読解力」や「語彙力」を育てることが可能です。子どもの絵本は文字が少なく、こういった国語力は育たないように思われるかもしれませんが、言葉を覚えたての子どもたちにとっては初めてだらけ。

「ふわふわってどんな感じ?」「ドキドキってなったことある?」などと質問して、絵本に出てくる言葉を自分なりに解釈するきっかけにしましょう。

また、5歳頃になると、物語の全体の流れを把握できるようになってきます。「最初は○○だったのに、最後には○○になった」「あのとき○○したから、その後○○になった」など、話の前後関係を考えながら絵本を楽しむ力を身につけましょう。いわゆる「オチ」を楽しめるようになるため、思わずクスッと笑ってしまうような絵本もおすすめです。

しつけや学習に役立つ

絵本の中には、しつけや学習に役立つ内容のものも数多くあります。もちろん、先述したように、物語を読んでいるだけで想像力が鍛えられたり語彙力が育ったりします。

それに加えて、しつけや学習に役立つ絵本として、「ご飯を食べるときのマナー」「トイレトレーニング」「お友だちを思いやる気持ち」「“ありがとう”や“ごめんなさい”の伝え方」「名前を呼ばれたときの“お返事”」のように、基本的な生活習慣や礼儀などを題材にしたものがあります。

絵本を楽しみつつ、「○○ちゃんもできるかな?」「こんなときどうすればいいと思う?」と学びにつなげることができるでしょう。

ただ、小さい頃の絵本の読み聞かせに、過剰な「学び」を求めることはおすすめできません。あまりに勉強の色合いが濃くなってしまうと、子どもが絵本を読みたがらなくなってしまう可能性があるからです。

基本的には、親子の温かいコミュニケーションの時間になるような絵本選びを行いましょう。その上で、ときどき子どもの心に訴えかけるような内容の絵本を選ぶようにしてください。

絵本の内容は覚えていなくても、その光景は記憶に残る

子どもが大きくなったとき、幼い頃に読んでもらった絵本の内容までは覚えていないかもしれません。でも、特によく読んだ数冊は覚えているかもしれませんし、絵本を読み聞かせしてもらった光景そのものはずっと記憶に残るでしょう。

ママ自身も温かい記憶として生涯大切にできるような、すてきな読み聞かせの時間を作ってください。まずは一冊、短いものから挑戦しましょう。

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