「子供にスマホをいつから持たせるか」という問題は多くの親御さんが悩んでいるところではないでしょうか。
内閣府の調査では、平成28年度の時点で中学生の62.5%、高校生の96.5%がスマホ(携帯電話含む)を持っているとの結果が出ています。中学生の時点で半数以上の子供が、スマホを持つ時代、親御さんの不安は大きいものです。
ただ、本当に大切なのは使用し始める時期ではなく「デメリットを極力カバーして、メリットをどう生かすか」を親子で考えることが、解決のポイントなのではないでしょうか。
家庭により、いつからスマホを持たせるかには開きがある
家庭環境や生活スタイルによって、スマホをいつから持たせるかの判断は変わります。例えば、遠くまでひとりで習い事に通っている場合は、スマホをもっていた方が安心です。また、兄弟の上の子供が既にスマホをもっている場合、下の子に与える年齢が早くなるケースもあります。
これはあくまでも一例ですが、このように家庭ごとにスマホを持たせる年齢は違うものです。「他所の家庭の子供がスマホを持っているから、自分の子供も持たせた方がいいのでは?」というのは決断基準にはなりません。子供は「友達が持っているから欲しい」とせがむこともあると思いますが、友達とのやりとりはスマホ以外の場所でもできます。
ただし、中学生くらいになると、ひとり、あるいは友達同士で外出することも増えるため、ネット検索やグーグルマップなどの使い方を知っていてもよいでしょう。IT化が急速に進む時代ですから、大人になるまで触れさせないよりも、適切な使い方を早いうちから教えておく方がよいという考えの親御さんも多いです。
スマホはいつから?その時期よりも大事なこととは
中学1年生、もしくは高校1年生の入学を機にスマホをもたせる家庭が多いです。ただし、大切なのは「時期」よりも、インターネットやSNS、オンラインゲームなどの実態について親が詳しく知り、教えることです。
スマホのメリット・デメリットを詳しく伝えること
子供にとってインターネットは、未知の世界です。友達やメディアの影響で好奇心をもち、ワクワクしています。その気持ちは当たり前のこととして、受け止めましょう。
それと同時にデメリットや、危険な側面があることは具体的に教えておかなければなりません。インターネットやSNSでの交流は「公共の場」であるということをしっかり指導しましょう。ネットを利用する以上、画面の向こうには人がいて、常に誰かに見られているという意識をもつべきです。閉鎖的なSNSであっても「誰がいつどのような発言をしたか」が記録されるリスクがあることを伝えましょう。
学校でも、スマホやインターネット、SNSなどについての指導は実施しているので、子供もある程度は理解しているでしょう。親からは、デメリットや危険性などについて、自分が感じることや体験したことを具体的に話すとより伝わりやすいのではないでしょうか。
時間制限などのルールと、フィルタリングなどの調整
中学生くらいまでは、親がある程度の管理や調整をしましょう。
- 夜間は親がスマホを預かる
- フィルタリング設定をする
- 大人の目の届く場所でだけ使用させる
このような管理をしている家庭が多いです。このとき大切なのは、子供のプライバシーに配慮すること。LINEのやりとりや連絡先をチェックしたとしても、必要以上に干渉したり、感情的な批判や叱責をしたりしないよう配慮しましょう。
スマホに逃げ込まないよう、家庭状況を見直す
子供にスマホを持たせてからは、これまで以上に親子の時間を大切にできるとよいですね。子供がスマホに夢中になることに対し、過剰に心配して否定的な叱り方をしてしまう親御さんは少なくありません。これによって、余計に親子の溝が生まれるという悪循環はよくあるパターンです。
スマホを持たせたとたんに勉強の成績が落ちることや、部屋にこもるといったことも想定できます。事前に約束やルールを一緒に作っておくのは、ここでも重要になります。
そして、スマホの所持をきっかけに家庭全体の雰囲気や親子の関わり方を、改めて見直す機会にもなると考えていきたいですね。
スマホ以外の楽しみや、居場所があるか再確認する
子供に、スマホやゲーム、動画といったメディア以外での楽しみや、居場所がしっかり確保されているかどうかを確かめておきましょう。
- 友人関係はうまくいっているか
- 部活や習い事などを楽しんでいるか
- 没頭できる趣味やスポーツ、文化活動などがあるか
これらは一朝一夕に用意できるものではないため、できれば小学校のうちから環境を整え、状況の把握をしておくことも必要です。スマホをいつから持たせようかと悩んでいる場合は、なるべく早い段階で「子供の居場所」について考えておくとよいのではないでしょうか。
子供にスマホを持たせたら「適切な距離感」を家庭全体で意識すること
スマホやインターネットがこれだけ普及している現代では、もはや「スマホは青少年にとって悪いもの」という考えを改めていくことも必要です。依存しやすいものであることは確かですが、これからの時代を生きる子供たちは、インターネットやソーシャルネットワークに対しての「適切な距離感」を意識することの方が大切です。私たちの子供時代と比較すると状況が大きく変化しているのを認識し、スマホとの付き合い方を家庭全体で見直していくことがもっとも重要です。
データ出典元:平成28年度 青少年のインターネット利用環境実態調査
調査結果(速報)
https://www8.cao.go.jp/youth/youth-harm/chousa/h28/net-jittai/pdf/sokuhou.pdf