現在の社会はITメディアの発達により便利な世の中になっています。その反面、子どもの育ちにおいては昔よりも難しさがあることも事実です。
スマホ、携帯型ゲーム、テレビなど子どものコミュニケーション能力を伸ばしていく際に阻害要因となり得るものが身近にたくさんあります。
そういったものとうまく付き合いながら子どものコミュニケーション能力を伸ばしていくにはどうしたら良いのかということを話題にしたいと思います。
子どもが小さい時はITメディアとは距離を置く
今の時代は社会全般がとても便利になってきています。その象徴のようなものがスマホなどの情報通信機器でしょう。今のスマホは少し前のパソコンに匹敵する能力があります。そしてそれらは年々進化していっています。
子育てにおいてもスマホなどを上手に使うことで、昔ではできなかったような経験ができる場合があります。個に応じた学習や子どもの興味関心を大切にするような取り組みなどです。ただ小さな子どもの発育・発達においては注意が必要な面もあります。
親として少し静かにしていて欲しい時、例えば、電車の中や家庭で調理している時などには、小さな子どもについスマホの動画などを見せてしまうことがあります。
特に年齢が低い子どもにとっては、それらは少し心配になります。赤ちゃんが育つ中では、言語の獲得や人との関わり方を学ぶことなどは、双方向のやりとりの中で行われます。
スマホなどと長時間関わっている子どもは一方向のみの関わりになりがちです。そういったことが、言語の基礎的な部分、人との関わり方の基礎的な部分にマイナスの影響を与えてしまう可能性があります。
親子コミュニケーションの「量」と「質」
社会状況の変化により、子どもの育ちに関して以前よりも難しさが増しています。そういった中でより良く子どもを育てていくには親がいくつかのことを意識していくことが大切になります。
まずは「親子で関わる機会をたくさん作る」ことです。親が意識をして子どもと関わるようにしていくことです。現代社会は、親子の関わりが少なくなりがちです。親が意識して子どもと関わるようにすることで、色々な形での親子での関わりが生まれます。そういった関わりの中で子どもはコミュニケーション能力を獲得していきます。
また、その子どもに合ったコミュニケーションの方法を把握するということも大事になるでしょう。小学校においては「ハイハイと手を挙げ、発表する子ども」が良いとされることが多いです。親もそういった姿を理想としていることが多いです。
小学校の教員をしていた経験からは、実はそういった子どもだけがコミュニケーション能力に長けているという訳でないと感じています。「ハイハイと手を挙げる」タイプの子どもは「物事に対して反応が良い」ということです。
物事をじっくりと考えるようなタイプの子どもは、授業中にハイハイと手を挙げたりはしません。教師が発した疑問に対し、問題点を考え、色々な可能性を考え、反論を考えるようなことをしています。
こういった子どもは一見「活発でない」「積極的でない」「理解力がない」などと捉えられてしまう場合もあります。
物事をじっくり考えるタイプの子どもは、考えを文章に書くことなどで良さが発揮されます。コミュニケーションの方法は様々なやり方があります。
それぞれの子どもが自分の思いを伝えやすいやり方があるのではないかと思います。そういったものを親が見出してあげ、その良さを伸ばしていくことでその子どもの良さがさらに伸びていくのだと思います。
家族以外の人との関わる機会をたくさん作る
家庭での親などとの関わりだけでなく、家族以外の人との関わりを増やしていくことは子どもの育ちにおいて良いことです。日々の生活を共にしている家族は、お互いが考えていることなどが何となく分かるようになってしまいます。
親の立場からすると、子どもの表情やちょっとした仕草を見ただけで、何を欲しているのかが分かってしまうこともあります。
その点、家族以外の人との関わりにおいては、そういったことはあまりありません。自分の思いをしっかりと他の人に伝えていかないと理解してもらえないことが多いです。
日々の生活の中で、自分の思いを伝えることに苦労をしたり、工夫をしたりすることは、コミュニケーション能力に育成において大きなプラスになります。
昔からのことわざに「かわいい子には旅をさせよ」というものがあります。家族以外の人と関わる中で様々な苦労をすることは、そのことわざの意味することと近いのではないでしょうか。
今回、子どものコミュニケーション能力の育成についてまとめました。コミュニケーションに関わることだけではないのですが、それぞれの子どもによる違いを親が意識することは大事なことだと思います。
その子どもに合ったコミュニケーションの方法があると思います。ぜひお子さんはどういったコミュニケーションが得意なのかということを考えてみてください。