育児と向き合う

「旦那が嫌い、どうすればいい?」あたなが今知るべき3つの自分

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この記事を書いた人
夏野 新さん【心理カウンセラー】

虐待防止や家庭環境についての専門家。心理カウンセラーの資格を活かしながら「妊娠、出産、育児」といった女性向けのサポートをするための情報を発信しています。2児の子どもを育てながら、2019年には自身の書籍「世界が変わる! アダルトチルドレンの自己観測」を出版し、悩みを抱えるご家庭への問題解決に尽力しています。

夫婦関係やパートナーシップは、本来安らげる場所であるのが理想です。しかし結婚後、旦那さんのことを嫌いになってしまうことはめずらしいことではありません。

ただ、パートナーや子どもの父親という親密な関係にある相手を「嫌い」と思いながら生活するのはつらいものがありますよね。

この記事では、旦那さんを嫌いになってしまった人、もしくは嫌いになりそうな状況にある人に向けて、解決までの大切なステップと考え方についてお話します。

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旦那が嫌い……どうすればいいか悩んだら考える3ステップ

旦那さんとの関係修復を図るまえに、まず自問自答してみたいことを3つのステップにまとめました。段階的に自分の考えや状況を整理することで、解決策や大事なポイントがみつかるかもしれません。

ステップ①旦那に対する「嫌い」という思いをしっかり受け入れる

旦那さんを嫌いになってしまうときに、多くの場合「嫌ってはいけない」「もっとうまくやろう」と考えてしまいますよね。たとえば「もっといいところに目を向けなくちゃ」「自分の振舞いが悪いのかもしれない」「配慮が足りないのかもしれない」など、自分を振り返って反省する必要があるといわれることも多いですよね。

しかし、それよりも先に向き合って欲しいのは自分自身の悪い感情や不安感です。旦那さんが嫌いなのであれば、あれこれ考えるまえに一度、悩みの対象である旦那さんへのネガティブな感情に真っ向から対峙していくのです。

感情は、消そうとせずにそのまま受け入れ、その怖さや不安の中に突入していくことによって自然と消滅していきます。明るいところから暗いところに入ると、最初は真っ暗で怖いけれど、しばらくするとその状況に目や心が慣れて周囲を冷静に見られるようになる「暗順応」という現象がありますよね。それとよく似ています。まずは「旦那が嫌いだ」という一見悪い感情をしっかり自覚して、完全に受容しましょう。

ステップ②「こうあるべき」を捨てる

旦那さんに対する「嫌い」というネガティブな感情にしっかり向き合ってから、今度は自分の価値観に向き合います。夫婦関係やパートナーシップで悩んでしまう人の多くは「こうあるべき」という固定観念に縛られていることが多いです。たとえば……

・妻や母はいつも笑顔でいるべき
・女性は忍耐強くあるべき
・父親は仕事だけでなく家事育児にも参加すべき
・よき夫とはこうあるべき
・家族とはこうあるべき
・子どもがいるなら離婚はがまんすべき

世の中には、イクメンのような既婚男性の理想像や、よき妻・よき母のイメージがあります。住宅メーカーのCMに登場するような「温かい家庭」が正解であって、それ以外は間違いであるような漠然としたイメージが定着していることも多いです。

このようなイメージが頭の中にあると、自分たちの家庭や夫婦関係と比べたときのギャップや相違に違和感を抱いてしまうことも多いでしょう。しかし実際は、そのような漠然とした理想の家庭や夫婦関係など、どこにも存在しない作りものなのです。

夫婦関係を続けるなら「こうありたい」「こうあるべき」という理想や幻想、固定観念を捨てていくこともとても大事です。それと同時に、子どもがいるうちは離婚をがまんすべきという考えも、家族全員を苦しめることがあります。「すべてをうまくやろうとすればするほど、うまくいかない」ということに気づけるとよいのではないでしょうか。

ステップ③取捨選択をする

それぞれがもっている「理想の関係」や「理想の家族」は、一種の幻想であると気づいたら、今度は自分の現状にとって必要なものと、不要なものを分けて考えてみましょう。

たとえば……離婚は現実的に厳しいのか、離婚してもなんとかやっていける目途が立つのか。距離を置いてひとりになる時間が欲しいか、それとも相手と話し合って一緒に乗り越えたいのか。結婚前のような仲睦まじい夫婦関係に戻りたいのか、家計を一緒に切り盛りするだけの関係に留まるほうがいいのか。

夫婦関係では「自分がどうしたい」「ここを改善してほしい」という要求をお互いに伝え合うことが必要です。男女はまったく別の生き物である上に、毎日まったく違ったことを見て、考えながら生活しています。そのため「このくらいはわかるだろう」という期待を捨てて、自分の考えを詳細に説明することも必要です。

ただし、そこで旦那さんと話が通じなかったり、噛み合わなかったりすることもあります。感情的になって聞く耳を持たないパワハラ傾向があったり、発達心理に問題があったりするケースも多く、そうなると問題は非常に根深いでしょう。そこを乗り越えてでも夫婦関係を続けたいかどうかの「取捨選択」も徐々に進めていく必要があります。

「旦那が嫌いなら自分が変わるしかない」って本当?どうすれば変われる?

「旦那さんを変えるには、まず自分が変わらなきゃ」というのは、自分が頑張ることや、自分を曲げることではありません。自分が普段言わずに隠していることを表に出したり、自分の内面を整理して見つめたりすることで、今まで発想のなかった解決策や捉え方に行きつくということです。

この現状をなんとかしたいと考えるのであれば、現状や自分の要求をしっかり明確にして相手にはっきりと伝えなければなりません。言いにくいことや、隠したい気持ちもあるでしょうけれど、その自分の弱い部分を隠したままでは現状は変わらないということ。妻である自分に落ち度があるという意味ではなく、自分を見つめたり振り返ったりすることであなたの内面が次のステップに進むということなのです。

旦那が嫌いになった今こそ、自分自身は成長のチャンスにある

旦那さんのことを嫌いになったその事実は、きちんと受け入れましょう。夫婦関係に問題が起こったことは一見悪いことのように思えるかもしれませんが、今まで当たり前に続けてきた家族関係や自分の生き方、考え方を改めて見つめる機会になることは確かです。投げやりになるのではなく、ピンチをチャンスと捉えて向き合ってみてくださいね。

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