島田ゆかさんの作品「バムとケロ」シリーズの絵本をご存知でしょうか?一番古い作品は今から25年以上前に出版されたものですが、現在も子ども達に人気のある絵本です。
しかも「子どもの頃に読んでから今でもずっと大好き」というファンが多く、大人になってからも手元に置きたくなるとても魅力的な作品です。
今回はそんな「バムとケロ」の絵本の魅力とおすすめの作品を保育士の私からご紹介させて頂きます。
「バムとケロ」絵本の作者は?
絵だけを見ると海外作家さんのような雰囲気もしますが、日本人の島田ゆかさんが描いています。
島田さんは東京デザイン専門学校グラフィックデザイン科卒業し、食品のパッケージデザイン、書店アルバイトなどを経て、フリーに転進、現在はカナダのオンタリオに在住されています。
コマ割の特徴的な絵の描き方は、ご本人いわく漫画の影響が大きいそうで
「中学生くらいまでは漫画家になりたいと思っていました」(※1)
と語っておられます。
「バムとケロ」の絵本の特徴は?
「バムとケロ」のお話はファンタジーという感じではなく、日常を楽しく過ごすような作風が特徴です。
おやつを作って食べたり、汚れた部屋の掃除をしたり、買い物に行ったり、DIYをしてみたり…どれも私たちの日常にありそうなことばかりですが「バムとケロ」シリーズではそれが本当に楽しく愉快に表現されています。
島田さんは実際の体験や目で見たものをストーリーに活かし、絵を描き込まれているので、絵の中に日常を感じることができるのだと思います。
例えば、子供の頃にドーナツを作って油がはねて危なかった経験からバムとケロがゴーグルや手袋の重装備をしてドーナツを揚げるシーンがあったり、絵本に何気なく出てくる工具箱はイギリスを訪れた際に目にした英国海軍の施設で見たものをアレンジしたものであったりします。
高くて買えなかったというアンティークを絵の中に登場させていることもあるそうです。
実家の改築をした際に出会った職人さんをイメージしてキャラクターを描くなど、実際のモデルがあったりもしてとても面白いです。
また、作品の完成までに5年かかることもあるという島田さんの作品は丁寧に描き込まれた絵がとても素晴らしいです。
前のページから次のページへの絵の繋ぎ方がとても丁寧で、大人が読んでも毎回新しい発見があるほど絵の伏線を楽しむことができます。
「バムとケロ」絵本シリーズは何冊あるの?
「バムとケロ」シリーズの絵本は全部5冊あります。
<バムとケロの絵本シリーズ>
- バムとケロのにちようび
- バムとケロのそらのたび
- バムとケロのさむいあさ
- バムとケロのおかいもの
- バムとケロのもりのこや
一番古いものは25年以上前に出版されたものですが、絵もストーリーも古い感覚は一切なく、どの作品も描き込まれた絵がおしゃれで大人が読んでも読み応えがあります。
「バムとケロ」シリーズで買うならどれがおすすめ?
どの作品も魅力的なので非常に難しいのですが、保育士の私としては「バムとケロのさむいあさ」が一番好きです。
冬を題材にしたお話で、寒い日が楽しくなってしまうストーリーやお話のオチなどがクスリと笑えて何度読んでも面白いなと思います。
あとは、子どもによっても響くお話が多少違います。
例えばですが、我が家の4歳の娘は可愛いキャラクターが登場する「バムとケロのさむいあさ」が好きですが、息子の方は飛行機が登場する「バムとケロのそらのたび」を好んで見ています。
また、アマゾンの口コミを読んでいると最も口コミが多いのは「バムとケロのおかいもの」でした。
どれを買うか悩んだ場合、自分のお子さんに選ぶ場合はシリーズを図書館で借りてどれが好きか選んであげるのが良いと思います。
「バムとケロのさむいあさ」をご紹介
ここからは私の一押しである「バムとケロのさむいあさ」をご紹介させて頂きます。
「バムとケロのさむいあさ」のあらすじは?
とっても寒い日の朝、スープで体を温めたバムとケロはスケート靴と釣り道具を持って裏の池に出かけます。
思った通り裏の池は凍っていて、さっそく遊ぼうとしますがどこからか変な声が聞こえてきて…声のする方向を見るとそこにはなんと…!?
と、いった感じでお話が始まっていきます。全部話してしまいたいくらい楽しいお話なのですが、このくらいにしておきます。
ケロちゃんのおてんばに大笑い、バムの包容力の高さに思わず関心、最後のオチも面白い本当に素敵な作品です。
「バムとケロのさむいあさ」のみどころは?
登場するキャラクターも素敵なのですが、描き込まれた島田さんの絵をぜひ堪能して頂けたら嬉しいです。
バムとケロが寝ている可愛いベッドやインテリア、二人が着ているおしゃれな防寒具、おいしそうなおやつにカラフルなおもちゃ、お礼の置き手紙など本当に丁寧に描かれていて驚きます。
見るたびに新しい発見があるので、絵本の隅から隅までぜひ楽しんでください。
「バムとケロのさむいあさ」対象年齢と読み聞かせの所要時間は?
「バムとケロのさむいあさ」の対象年齢は「3歳~」となっています。
4歳の娘はものすごくハマるようで、お話のオチに大爆笑し、何度も何度も読んでくれと言います。
また「バムとケロ」の絵本シリーズは文章がとても短く、絵も分かり易いので我が家の1歳8ヶ月の息子も意外と見ていることが多いです。ですので「絵を楽しむことを目的とする」なら2歳くらいから買ってあげても問題ないのではないかなと思います。
読み聞かせは私が実際にやってみたところ4分でした。人にもよるとは思いますが「約4分」を目安にして頂けると良いと思います。
「バムとケロのさむいあさ」はこんな子どもにおすすめ
イタズラ好きでおてんばなケロちゃんを包容力たっぷりのバムがフォローするシーンが多いので、お世話好きの子におすすめです。
下の子の面倒を見たがる子や、お人形を使ったごっこ遊びなどが好きな子はハマるのではないかなと思います。
また、「寒いのが苦手で冬は遊びたがらない」というお子さんにも冬の楽しみ方がたっぷり詰まっているのでぜひ読んで頂きたい絵本です。
「バムとケロ」の絵本シリーズは大人もハマる面白さ
いかがでした。今回は「バムとケロ」の絵本についてご紹介させて頂きました。
「バムとケロ」の絵本は主人公の顔が特徴的なので、人によっては好き嫌いが分かれるかもしれません。
正直に言うと、私も最初はバムやケロの顔があまり好きではありませんでした(笑)
ですが、子供が生まれて改めてこの作品を手にしてみて、喜ぶ子ども達の姿や素晴らしい絵の完成度、ストーリーの面白さなどに気付くことができました。
「題名は聞いたことあったけど読んだことがなかった」「絵が好きではなくて見ていなかった」という方はどの作品もとても面白いのでぜひ一度手に取ってみて下さい。
<参考資料>
絵本作家 島田ゆか のサイト、バムケロページ
http://www.bamkero.com/
島田ゆかさん 待望のシリーズ最新刊!『バムとケロのもりのこや』(※1)
https://www.ehonnavi.net/specialcontents/interview/20110107/