子どもの学び・教育

絵本『おこりたくなったらやってみて』は呼吸法で子どもの感情を整理

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この記事を書いた人
いしみほ さん【育児コラムライター】

社会福祉学を専攻し、保育士・幼稚園教諭の資格を持つ育児コラムライター。社会福祉学部では「家庭環境ごとの子どもへの支援の必要性」や「北欧各国の福祉と教育」を学んだ知見を活かしコラムを執筆。2人のお子さんを育てながら、執筆の他にハンドメイド作家(タティングレース、イヤリングなど)としても活動中。

幼児期は自分でできることが増える分、感情のコントロールが未熟で上手くいかないことがあるとすぐに怒り出すことがよくあります。

しかも、親が一生懸命に説得してもなかなか納得してくれず、泣き叫んだり、寝転がったりして精神的に辛いことも多いですよね。

そんな怒りっぽい幼児期におすすめなのが『おこりたくなったらやってみて』というヨーロッパで話題になった絵本です。この絵本は子どもが自分の感情をコントロールするだけでなく、親のアンガーマネージメントにも一役買ってくれる今までになかったタイプの絵本です。

今回は『おこりたくなったらやってみて』についてその絵本について保育士の私から詳しくご紹介させて頂きます。

オーレリー・シアン・ショウ・シーヌ (著, イラスト), 垣内 磯子 (翻訳)

『おこりたくなったらやってみて』の作者はどんな人?

『おこりたくなったらやってみて』の作者であるオーレリー・シアン・ショウ・シーヌさんは、パリ第3大学で児童心理学に注目した情報とコミュニケーションに関する修士号を取得し、10年間アニメ制作に携わりました。その後、児童書の作家としてガストンシリーズでデビューし、フランスで刊行されてからすぐにヨーロッパで話題になりました。

シーヌさんは「ソフロロジー」によるセラピーのメソッドを学び、教育機関などでワークショップなども行っています。

『おこりたくなったらやってみて』で紹介されている呼吸法はこのソフロロジーの影響を強く受けています。

作者が学んだソフロロジーってそもそもなに?

とはいえ、作者が学んでいた「ソフロロジー」という言葉自体がよく分からないと思いますので、簡単にご説明させて頂きます。

ソフロロジーとは簡潔に言うと「強いストレスを緩和させるためのリラックス方法を学ぶもの」です。

学問の背景を説明すると、ソフロロジーは1960年代にスペインに住む神経精神科アルフォンソ・カイセドによって開発されました。

彼は当時、退役軍人のPTSD(心的外傷後ストレス障害)の治療法を模索していた医師でした。
戦争で命を脅かす壮絶な体験をした兵士達はその体験がトラウマとなり、退役した後も不眠やフラッシュバック、強い不安や息切れ、めまい、動悸などに悩まされることがあり、彼はこの症状を改善する方法としてソフロロジーという学問を提唱しました。

ソフロロジーはインドの修行法ヨガや、禅など東洋古来のリラックス方法を取り入れ、心と体の安定と調和を図ることを目的にしています。

絵本では子どもが自分でできるストレス緩和の方法を紹介

『おこりたくなったらやってみて』ではこのソフロロジーで使われる呼吸法を使うことで子どもが自分の感情をコントロールすることを学ぶことができます。

絵本ではユニコーンの子どもがネガティブな感情を体験する場面から始まり、その気持ちを手放すための呼吸法が絵を交えて紹介されていきます。

自分が今どのような感情を持っているかを把握し、気分を切り替える呼吸法を実践することで、感情をコントロールすることができるように構成されているのです。

“何だか難しそう…”と思う方もいるかもしれませんが、たった3つの呼吸法で感情をコントロールできるようになっています。

親の「アンガーマネージメント」としても優秀と話題に

また、こちらの絵本は子供向けに描かれた絵本ですが親の「アンガーマネージメント」としても優秀だと話題になっています。

実際の口コミを読んでみても「親も勉強になった」「大人でもできることがあると思った」「親子で読むとお互いに気分が落ち着いた」というコメントが寄せられています。

筆者もそうなのですが、子どもを𠮟り始めると親の方もついヒートアップして強い口調になりがちですよね。

そんな時は一旦落ち着いて、一緒にこの絵本を読み親の方が冷静になるきっかけを作ってくれるのです。

シリーズで展開「泣きたい気持ち」や「怖い気持ち」に寄り添う絵本も

『おこりたくなったらやってみて』は『ガストンのきぶんをととのえるえほんシリーズ』として主婦の友社より他の絵本も出版されています。

<ガストンのきぶんをととのえるえほんシリーズ>

例えば、子どもによってコントロールしにくい感情は様々だと思います。人見知りで怖がりな子、ちょっとしたことでも泣いてしまう子、兄弟への嫉妬が強い子、人前に出るのが嫌な子など色んな子がいますよね。

色々な感情に寄り添う絵本が展開されていますので、我が子の「ちょっとした気になる部分」に合わせて選んであげるのがおすすめです。

オーレリー・シアン・ショウ・シーヌ (著, イラスト), 垣内 磯子 (翻訳)

感情のコントロールは生涯を通して重要なスキル

今回はヨーロッパで話題になった『おこりたくなったらやってみて』についてご紹介させて頂きました。

最近書店では「敏感な人への○○法」「他人を気にしない方法」「自己肯定感をアップさせる方法」等感情をコントロールするための本が多く並んでいます。

社会の様子から見てみても自分の感情を自分で整えることができるようになるというのは、生涯を通して大切なスキルです。

幼児期から自分の心の状態を把握し、ネガティブな感情への対応ができるようになれば、より豊かで楽しい毎日が送れるようになります。

子どもに感情のコントロール方法を教えてあげたいと思ったらぜひ一度手に取ってみて下さい。

参考資料
フランス人が子どもに読み聞かせている「感情コントロール術を教える絵本」が日本上陸!
https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000967.000002372.html

ソフロロジーで日々のストレスから解放
https://kokoronotanken.jp/sofurorojiide-hibino-sutoresukara-kaihou/

主婦の友社の本
http://shufunotomo.hondana.jp/

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