子どもの健康・発達

子どもの癇癪対応の基本!「見守り」から「褒める」で終わるパターンの習慣化

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この記事を書いた人
夏野 新さん【心理カウンセラー】

虐待防止や家庭環境についての専門家。心理カウンセラーの資格を活かしながら「妊娠、出産、育児」といった女性向けのサポートをするための情報を発信しています。2児の子どもを育てながら、2019年には自身の書籍「世界が変わる! アダルトチルドレンの自己観測」を出版し、悩みを抱えるご家庭への問題解決に尽力しています。

何をやっても泣き止まない…なぜ怒っているのかわからない…そんな幼児期の激しい癇癪に困り果てていませんか?

子どもの癇癪は、親御さんが手を差し出したり、言葉をかけたりすると余計に激しくなることもあり、対応が難しいものです。

子どもが癇癪を起すと「また始まった……」と怖くなったり「早く落ち着かせなければ」と焦ったりしてしまうこともあるのではないでしょうか。

しかし、子どもが癇癪を起したときは、対応ポイントの大枠を押さえておけば大丈夫です。

この記事では、幼児期の親御さんが知っておくと安心な癇癪対応の心得をお伝えします。

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子どもが癇癪を起したとき、対応のポイントは?

子どもが癇癪を起したら、以下のポイントを頭に入れ落ち着いて対応してみてください。

1.泣き止ませようとしない

子どもの癇癪は、すぐに泣き止ませようとすると逆効果になることがあります。

癇癪はわがままや駄々こねではなく、感情表現の一種です。そのため、何とか泣き止ませよう、早く鎮めようとすると火に油を注ぐ結果になることもあります。

親御さんがすぐに反応したり、原因を知ろうと質問攻めにしたりするのは避けましょう。

2.無視ではなく「見守り」の姿勢で

癇癪を起している最中は、無視ではなく「見守り」の姿勢で側にいてあげられると理想的です。

子どもの気持ちが落ち着くまで何もしてあげられないケースも多いですが、その場を離れたり無視したりするのは本来不適切です。

寝転がって暴れてしまったり物を投げたりという行動に出る子もいるため、危険がないように見守りつつ「〇〇したかったね」「泣きたいんだね」など共感の言葉を静かにかけてあげてください。

3.状況や話題を変える

見守りつつ共感を示しても、癇癪が収まらない場合、状況や話題をガラッと変えてしまうのも方法のひとつです。

早く治まってほしい、機嫌を直してほしい、という動機からの行動をやめ、親御さん自身が気持ちや行動の切り替えをするのも実は大切です。

たとえば「残念だね、でもそれはできないんだよ。」と説明したあとに、他の話題を振ったり他の遊びを始めたりすることで、子どもが気持ちを切り替えるきっかけを先導するのです。

このとき大事なのは「動じない姿勢」です。癇癪の強い子どもは、もともと「自分の思い通りにしたい」という自我が強い性質をもっていることが多いです。

そんな子どもの特徴を受け入れつつも、泣いても喚いてもダメなものはダメだと理解させたり、適切ながまんのできる忍耐力を養ったりするのは大切です。

そのためには、気持ちを切り替えることで得られるメリットを親自身が行動で見せるのも効果的です。

子どもにとっての動じない壁として、毅然とした態度で接することも重要。特に、子どもの癇癪を静めようと欲しいものを与えたり、約束ごとを変更したりするのは避けましょう。

4.常に完璧な対応でなくてもいい

常に完璧な対応ができないからといって、自分を責めないようにしてください。

癇癪は子どもそれぞれに程度や表し方に個人差があり、対応方法にも完全な正解があるわけではありません。

上記のような方法でもうまくいかないことも多々あるでしょう。

イライラして感情的になったり手を上げそうになったりしたら、その場を一時的に離れることも必要です。

優しく共感的な言葉がけができないこともあるでしょう。親御さん自身が「そんなときもある」と、自分に対しても適度に優しく接することが、子どもの癇癪と付き合っていくコツでもあります。

子どもの癇癪が落ち着いてからやっておきたいこと

子どもの癇癪が一旦落ち着いたタイミングでやっておきたい2つのポイントがあります。子どもの心の成長を促すためにも、以下のことを習慣にしてみてください。

一緒に気持ちを振り返る

癇癪が落ち着いたあとは、子どもと一緒に気持ちの振り返りをしてみましょう。

「さっきは、どうしたかったの?」「〇〇が欲しかったの?」など、子どもに冷静に気持ちを表現する機会を与えつつ、共感してあげます。

癇癪は、気持ちを言葉で表現するのが苦手な場合や、言語化の能力が未熟なために起こすものです。

子どもが少しでも気持ちを言葉にしたり感情を表現できたりできるよう、繰り返し振り返る習慣をつけてみてください。

気持ちを切り替えられたことを褒める

子どもの癇癪が落ち着いたら「自分で泣き止んでえらかったね」「気持ちを切り替えられたね」など、その事実をしっかり褒めるのを忘れないようにしましょう。

子どもは、行動の直後に良いことがある場合その行動が増え、行動の直後に悪いことがあればその行動は減ります。※1

思い通りにならない葛藤をがまんし、気持ちを切り替えることにメリットを与え「忍耐力」を養っていきましょう。

子どもの癇癪は「見守り」から「褒める」の流れを習慣にしよう

子どもの癇癪は、とにかく落ち着くまでは様子を見て待つこと、そして泣きやんだときのちょっとした習慣で徐々に治まっていきます。

ただし個人差があるので、あまりに激しい癇癪に悩んでいる場合は保健師やかかりつけの小児科医に相談することも検討しましょう。

その他、生活習慣や食事内容の見直しで癇癪が改善することもあります。子どもの成長を見守りつつ、できることからやっていきましょう。

※1 参考資料
静岡市発達障碍者支援センター「きらり」|大泣き・癇癪の対応
http://www.shssc.jp/pdf/kannsyakunotaiou.pdf

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