子どもの学び・教育

女の子の習い事としてサッカーはどう?親としての心配と通ってみた結果

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この記事を書いた人
いしみほ さん【育児コラムライター】

社会福祉学を専攻し、保育士・幼稚園教諭の資格を持つ育児コラムライター。社会福祉学部では「家庭環境ごとの子どもへの支援の必要性」や「北欧各国の福祉と教育」を学んだ知見を活かしコラムを執筆。2人のお子さんを育てながら、執筆の他にハンドメイド作家(タティングレース、イヤリングなど)としても活動中。

子どもが幼稚園・保育園くらいになると「そろそろ習い事をさせようかな」と考える親御さんも増えてきます。
ただ、時には親が全く想定していなかった習い事をやりたいと言うこともあります。
今回は女の子の親である筆者が、4歳の娘に「サッカーがやりたい!」と言われた時の心配や葛藤、サッカークラブに入部してからどうなったかを詳しくご紹介します。

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女の子が「サッカーをやりたい!」あなたが親ならどうしますか?

幼稚園にも慣れてきた秋、園で行われているサッカークラブを見ていた娘は「サッカーやりたい!」と言い出しました。
最初は聞き流していたのですが、1週間経っても2週間経っても娘は「私はサッカーがやりたいの!」と諦めません。
かなり悩んだのですが、娘は人と接することが好きでしたので、チームプレイの競技が良いかなと思いました。
また、娘は幼稚園から帰っても公園で遊び続けるほど体力も余っていました。体が動かせないとストレスが溜まるタイプで、家の中で走り回ったりするのを注意すると、ワガママが酷くなるようなこともありました。
親子共々ストレスが溜まらないようにするには、娘が十分に体を動かせるように離れて過ごす時間が必要かなと思いました。

「女の子が一人もいない…!」サッカーする前に心配したことと習った結果

娘がサッカーをやりたいといった時、私も習わせるまで色々と悩みました。
以下は私が悩んだことと、サッカーを始めてどのように変わったかをまとめました。

親の心配 その1 「怪我や体力面での心配」

娘は同じ年頃の女の子と比べればタフな方ではあります。しかし、男の子と比べて負けないほどかと言われるとそれほどではありません。
男の子しかいないチームの中で「体力面で練習についていけるか」という不安がありました。
また、幼児とはいえ、男の子はパワーがあります。娘は体格も決して恵まれているというわけでもなく、女の子の中でもかなり小さい方です。
ぶつかることが多いサッカーで、力負けして大きな怪我をしないか親としては心配でした。

サッカーを始めてみて…「どんなスポーツにも怪我はある。体力はいずれつく」

しかし、怪我に関しては「どんなスポーツでも変わらない」ということがサッカーを始めてよく分かりました。
室内で体操クラブに通っても、バレーボールやバスケットをしても怪我はあります。「このスポーツだから怪我をしない」ということは絶対にありませんし、仕方ないと思いました。
むしろ、娘はサッカーを始めてから体を正しく動かせるようになり、こけてもしっかり手が出るようになったりして擦り傷が小さく済んだり、ちょっと倒れても簡単には泣かなくなりました。
体力面の心配については、最初の3ヶ月くらいは練習の終盤にはバテバテで、家に帰ってくるとウトウト寝てしまうという状態でした。
ですが、半年もすれば体力もついたのか練習についていけるようになったので、慣れれば問題ないと思いました。

親の心配 その2 「男の子だけの中で仲良くできるのか」

サッカークラブは男の子だけを募集しているわけではありませんでしたが、娘がやりたいといった時、女の子は一人もいませんでした。
女子サッカーが世間的に定着してきたとはいえ、現実的にはサッカーをしている女の子はまだまだ少ないです。
日本サッカー協会のデータを見ても「12歳未満の選手により構成されるチームの選手数」は男子が約27万人に対して女子は約1万人です。(※1)サッカー女子の人口は男子の3%程度しかいません。
女の子が誰もいない男の子だけの環境で娘がやっていけるのか、私としては不安でした。

サッカーを始めてみて…「子ども同士は全く問題なかった」

娘が入部した時、女の子は一人だったので最初はやはり少し浮いているなと感じました。
ですが、女の子が一人もいなかったので、周りの男の子達はとても親切に接してくれました。まだ幼児期ということもあって男女差はそこまでないようで、女の子一人でも楽しく頑張れているようでした。
強いて言うなら保護者の方から「え、女の子がいる!?」という感じで好奇心の目がありました。
私も始めは肩身が狭い気持ちもありましたが、同じ年齢の子どもを持つ親同士ですので、今ではすっかり馴染むことができました。

親の心配 その3 「女の子と遊ばない子になるのではないか」

サッカークラブで男の子と上手くやっていけたら、今度は「女の子と遊ばなくなるのでは」という心配もありました。
近所の先輩ママの情報では、小学校くらいになると女子同士の間で「あの子は男の子としか遊ばない」みたいなことを陰口で言われることもあると聞いていました。
女の子同士の人間関係は結構大変なので、サッカーをすることがトラブルの元にならないか心配でした。

サッカーを始めてみて…「男女共にフェアに遊べるように」

結果として、サッカーを始めてみても娘の友達はあまり変わりませんでした。
体を動かす以外の遊びは女の子同士の方がやりとりしやすいようで、今でも室内で過ごす時はほとんど女の子と遊んでいます。
逆に、親の目から見て「変わったな」と思ったのは、男の子を理由もなしに嫌がることが減ったことです。
以前の娘はふざける男の子が苦手だったようで「男の子ってなんかやだなー」と言っていた時期もありました。
ですが、サッカーを始めてから男の子という生き物を娘なりに理解したようです。
良い意味で男の子にも女の子にもフェアに接することができるようになりました。

親の心配 その4「娘に合いそうな習い事候補が他にあった」

サッカーを始める前、私たち夫婦は娘に合いそうな習い事として音楽教室やスイミングスクールなどを考えていました。
この2つを候補に考えていたのは娘が歌やダンス、プールなどが好きだったことと、主人はピアノを、私は水泳を経験しており、もし習い始めても親がフォローすることができる体制があったからでした。
娘はまだ4歳なので「自分の能力が周りと比べて何が優れているのか」判断するには早いと考えていました。
そのため「親から見て得意になりそうな習い事の方がいいのではないか」という気持ちがありました。

サッカーを始めてみて…「積極的に参加できているし焦らなくてもいいかな」

親の贔屓目を通してみても、娘にサッカーの才能があるとは思えませんでした。
ですが、娘は自分が「やる!」と言ったこともあり、積極的に練習に参加できています。親が選んだものを無理矢理させていたら、こんな積極的な姿は見られなかったと思います。
頑張る娘の姿を見て、他の習い事も「体力がつけば掛け持ちを考えてもいいかな」と思うようになりました。

親の心配 その5 親がサッカーに関して素人でルールも分からない

私も夫もオリンピックやワールドカップでサッカーを応援するのは好きですが、競技経験は全くありません。練習法も分からなければ、サッカー選手の名前も知らないですし、ルールも細かいことは分かりません。
娘がサッカークラブ以外の時間「サッカーの練習をしたい!」と言った時に果たして自分たちが力になれるのか自信がありませんでした。

サッカーを始めてみて…「親はサポート役、指導はコーチがするもの」

実際に習い始めてみて、親が素人でも、サッカーの技術はプロのコーチに任せておけば子どもは勝手に上達しました。
親に求められるのは、送迎やドリンク等の準備、メンタル面のフォローです。逆に、指導者が何人もいると子どもは困惑してしまうようです。
クラブに通っている子の中には「パパはこうだって言ったもん」とコーチの指導よりも親の方を優先してしまう子もいて、指導の妨げになっていることもありました。
娘の所属するクラブでも「子どもが楽しくプレーできなくなるから」という理由で、練習中に親が子どもに声をかけることは禁止されています。
ですので、親がサッカーに疎くても特に問題はなく、一緒に色んなことを覚えていけばいいのかなと思いました。

「女の子でもサッカーをしたい」娘をクラブに通わせた決め手は何か

色んなことに悩みましたが、私が娘をサッカークラブに通わせた決め手は「娘の気持ちを大切にしよう」と思ったからでした。
まだ4歳だったとはいえ、娘の方から「やりたい」という言葉が出たのはこれが初めてでした。その気持ちを親の方針で潰してしまうのは、何か違うのではと感じました。
また、友人に「自分でやってみて駄目だったことは諦めがつくけど、挑戦させてもらえなかったことはずっと残るから、やらせてあげたら?」とアドバイスを貰ったことも大きかったです。
私自身も小学校の頃、親に空手やサッカーを習いたいと言って、「女の子だから止めなさい」と反対され、とても嫌だったことをよく覚えています。
娘にはそういった気持ちになってもらいたくない、何事にも挑戦できるようにしてあげたいと親ながらに思いました。

【まとめ】女の子だってサッカーをやりたい気持ちがあれば大丈夫!

今回は女の子がサッカーを習い始めるにあたっての親の葛藤や不安についてお話しました。
私も教育に関して色々学んできた方ですが、いざ自分の子どもとなると余計なことを考えてなかなか臆病になってしまうものだなと反省しました。
今でも不安がなくなったわけではないですが、サッカークラブに通う娘は本当に楽しそうで、通わせて良かったと思っています。
素人の親から見ても最初の頃は「下手だなぁ」と思いましたが、半年が過ぎた今となっては男の子に押されても倒れなくなり、かなり成長してきました。
「好きなものこそ上手なれ」ということわざは有名ですが、習い事の上達には「好き」という気持ちは大切なのだとよく分かりました。
もし女の子で「サッカーをやりたい」というお子さんをお持ちでしたら、ぜひ参考にして頂ければ幸いです。

参考資料)
※1 公益財団法人日本サッカー協会 女子サッカーのあれこれhttps://www.jfa.jp/women/nadeshiko_vision/faq.html

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