子どもの学び・教育

「ゲームは頭に悪い」もう古い!?ゲームが子供へ与えるプラスの影響

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この記事を書いた人
いしみほ さん【育児コラムライター】

社会福祉学を専攻し、保育士・幼稚園教諭の資格を持つ育児コラムライター。社会福祉学部では「家庭環境ごとの子どもへの支援の必要性」や「北欧各国の福祉と教育」を学んだ知見を活かしコラムを執筆。2人のお子さんを育てながら、執筆の他にハンドメイド作家(タティングレース、イヤリングなど)としても活動中。

「うちの子1日3時間近くゲームをするんです…」
「土日になると5時間以上もしていて」
「宿題や勉強もそっちのけで困っています…」

ゲームは親御さんが子育てで最も頭を悩ませる要因の一つです。一度始めてしまうと子供は夢中になってなかなか止めようとしませんし、何時間も続けてやっていると脳への影響なども心配ですよね。

ですが、ゲームには子供の興味を広げるという意味では優れた点がたくさんあります。今回はあえて一般的な子育てから離れて、ゲームが与える子供へのプラスの影響をお話していきたいと思います。

「ゲームが得意」というのも一つの長所

世の中には色んな子供がいます。スポーツや勉強、音楽や絵画、色んな長所を持っている子がいます。

その中には「ゲームが得意」というのも一つの長所です。
「ゲームができたって何の約にも立たないじゃないですか…」というお母さんもいらっしゃると思いますが、

「ゲームが好きだから理系に進んでソフトを開発する人間になった」という人もいるのです。

子供が好きなゲームの中に才能が隠れていることも十分考えられます。

親が「子供の能力に好意的である」ことで自己肯定感は高まる

親が「子供の能力に好意的」であるかということは、子供にとって自己肯定感にも大きく関わります。あなたにも親に自分の能力や興味を否定されて、ショックだったことが1つ2つは思い当たるのではないでしょうか。

子供の才能は多くの場合、興味のあることや関心があることに眠っています。スポーツ選手は体を動かすことに、画家や漫画家は絵を描くことに興味があったことが多いのです。

ですが、もし親がその能力を否定してしまったらどうでしょう。「スポーツなんて必要ない」「絵なんて書いても食べていけない」と言えば、子供にもし才能があったとしても伸ばすことはできません。ゲームもそれは同じです。

子供の能力を親が認め育てていくことが、子供の自己肯定感を高める上ではとても大切なのです。

20歳のドローンパイロットは引きこもり中学生だった

髙梨智樹さんという20歳のドローンパイロットをご存知でしょうか。国内外で活躍する非常に優秀なドローンパイロットで、行政の命を受けて災害状況の把握などを行うためのドローン撮影を行っています。

そんな髙梨さんですが、小さい頃から身体が弱く、識字障害があり人と関わるのが苦手な少年だったそうです。

ですが、中学時代に動画サイトで見たドローンが撮影した映像に感銘を受け、ドローンの魅力にはまり、引きこもりがちだった生活が変わります。

ドローンを組み立てられるように文章を読み上げてくれるツールを駆使して勉強し、パーツを取り寄せ、どうやったらドローンですごい映像が撮れるかを研究していったのです。

大人の捉え方で子供の能力の伸びは変わる

子供の興味のあることを一番身近にいる親がどのように捉えるかというのは、その子の成長過程でとても大切です。

髙梨さんはインタビューの中で「ドローンとの出会いがなかったら今でもまだ引きこもっていたかも」と笑っていました。

もし、髙梨さんのご両親が「ドローンなんてただのおもちゃで役に立たない」と言っていたら、彼が若くして世界で活躍するドローンパイロットになることはなかったでしょう。

それどころか彼の言うように、まだ家で引きこもりがちで人付き合いのない生活をしていたかもしれません。

ご両親が彼の個性を尊重し大切にしたからこそ、髙梨さんは障害を克服し、自分の生活の変化を受け入れ、才能を開花させることができたのです。

ゲームのもたらす子供へのプラスの影響

実際ゲームにも色んなものがあり、得意なゲームを分析することでその子が興味を持つ分野を広げたり、知的好奇心を広げるきっかけになったりもします。

中々気が進まないことかもしれませんが、下記のようなゲームの利点にも目を向けてみるとゲームへの考え方も少し変えることができます。

(1)子供の興味の幅を広げる

子供がゲームをすることに対して悩む親御さんは、ゲームは一見するとただの遊びであり、頭を使っていないように見えていることでしょう。

しかし、ゲームは楽しみながら学ぶというには最適のツールです。教科書で習うだけでは興味が持てなかったこともゲームなら興味が持てる場合もあります。


例えば、歴史に興味のなかった子供が三国志のゲームに夢中になって、歴史の面白さに気付くこともあります。

サッカーのルールがさっぱり分からなかった子がサッカーゲームをすることで、複雑なルールを理解できるようになることもあります。

大人が説明するとつまらなくなってしまうようなことも、ゲームをすることで子供がすんなり覚えてくれることもあります。

(2)戦略を考える能力が身に付く

一般的に良くないものと捉えられがちなゲームですが、ゲームの中には「戦略を練る」能力を問われることがたくさんあります。

例えば、サッカーのゲームなら選手の個性を考えてどんなチームを作れば相手チームに勝てるかを考えます。王国を構築するゲームなら他国を制圧するために国の発展に何が必要かを考えなくてはいけません。

仮説や検証を繰り返し、最適な戦略は何かを考える機会は普段の生活の中ではなかなか巡り会えません。

そうしたことを考えるとゲームというのは「戦略を考える」という能力を学ぶ場としても一役買ってくれると考えられます。

(3)社会性が身に付く

子供がゲームに夢中になっていると「友達ときちんと遊んでいるのかしら」と心配になる親御さんもいます。

ですが、意外なことにアメリカの大学の研究結果にはゲームをしない人よりもゲームを楽しんでいる人の方が社会性は高いという研究結果が出ているものもあります。(※1)

他にも、人と対峙している状態でのゲーム(オンライン上で他人とコミュニケーションがある、友人同士で集まってゲームをする)は脳の中の前頭葉が活発に動くことが証明されているそうです。(※2)前頭葉の中の前頭前野はコミュニケーション能力と深い関わりがある部分を含んでいます。

確かに友達同士でゲームをする時は互いに協力したり、チームを組んだり、共通の敵を倒したりしてコミュニケーションが必要な場面が意外と多いものです。
友達同士でゲームを楽しむことで社会性が身に付くことも十分に考えられます。

ゲームが悪いのではなく「けじめがない」ことが悪い

そもそもゲーム自体には知的要素もあります。では、何が良くないのかと言えばそれは「けじめがない」ことです。

例えば、極端な話ですが一日に3時間ゲームをしていても宿題や勉強をきちんとして、成績もよく、外遊びの時間もあれば親御さんもそこまでゲームに対して悪い印象はないでしょう。

しかし、ゲームで悩むご家庭では、子供が際限なくゲームをやり続け、宿題などもそっちのけになっていることがあります。これが、親御さんが「ゲームは良くない」と感じる一番の原因です。

けじめをつけるためには子供と話し合ってルールを作る

こういった時に必要なのは、ゲームが良くないと子供を𠮟ることではなく「けじめをつけないこと」が良くないと伝えることです。

そして、家庭で使う際のルールを設けるようにして下さい。既にルールがあるのならば、そのルールに従わないことにペナルティを与えて親の方もけじめをつけましょう。

「そんなこと聞く耳を持たない…」と悲鳴を上げられてしまうかもしれませんが、ゲームを使うための電気代を払っているのは親であることをきちんと伝えれば交渉することは可能です。

ちなみに交渉の余地がなく、子供が逆切れなどするようであれば、こちらも本気を見せてゲーム機を壊すくらいの覚悟が必要です。「ゲーム捨てるからね」と言って高いゲーム機を捨てないことを子供は良く知っています。

親側が本気を見せなければ、今までの習慣はなかなか変わりません。けじめをつけてゲームを使って欲しいならば親も本気の姿勢を見せるようにして下さい。

ゲームが子供の能力を見つけるきっかけにもなる

いかがでしたか。今回はゲームが子供にもたらすプラスの影響についてお話していきました。

ゲームは一見すると、悪いツールに見えがちですが利点を活かせば子供の能力を見つけたり、伸ばしたりすることができます。

もちろん、オンライン上で知らない人間と出会ったりしないよう親が配慮すべきこともありますが、たまにはテレビの前に一緒に座って子供のゲームを眺めてみて下さい。意外と難しい内容にチャレンジしていることに大人が驚かされるかもしれません。

ゲームの持つ利点を上手に使い、けじめをつけて使用することで子育てに役立てていって下さいね。

参考資料)
※1「ゲーム好きの子は社会性も高い」米調査(日経XTECH)
https://xtech.nikkei.com/it/article/Research/20070704/276726/
※2 ゲームは人の役に立つ。~活かすも殺すもあなた次第~(小幡和輝)

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