「仕事が理由で子どもと過ごす時間が減った」「仕事終わりに家事をするのがつらい」「余裕がなくてついイライラしてしまう」
これらは、働くママの多くが抱えている悩みではないでしょうか。できれば毎日ゆとりのある生活がしたいし、笑顔で過ごしたいですよね。それができないなら、いっそのこと仕事をやめて…と考えることだってあるはずです。
仕事と家庭は両立できないのでしょうか?なにかを犠牲にしなければならないのでしょうか?今回は、わたしの実際の生活を紹介します。
わたしのライフスタイル
わたしは現在、フリーランスライターとして活動させていただいています。結婚前は小学校教員をしていましたが、主人とは遠距離恋愛だったため、結婚を機に退職するしかありませんでした。今は子どもの傍にいたい気持ちが強く、在宅でできる仕事を探すうちに今の仕事に出会いました。
フリーランスは会社に勤めているわけではないので、仕事時間や仕事量をすべて自分で決めることができます。現在5歳の娘は公立幼稚園に通っていますが、3歳の息子はまだずっと家にいる状態ですので、思うように仕事時間が取れないこともしばしば…。フルタイム勤務と言うよりは、パート・アルバイト勤務に近いかもしれません。
朝、娘を幼稚園に送ったら、仕事スタート。息子はおもちゃで遊んだり、テレビを観たりして過ごします。一人遊びが上手なので助かりますが、それでもときどきは一緒に遊んだり絵本を読んだりします。日によって、幼稚園行事、掃除、買い物などをする必要もありますので、毎日一定の生活リズムを守ることは難しいのが現状です。
昼食、お迎え、習い事、夕食、お風呂とバタバタしたまま一日を終え、子どもが寝た後に残りの仕事をすることもあります。仕事がなければ、読書をしたり音楽を聴いたり、自分の時間を過ごすことができます。
今日やること、やらないことをはっきりさせる
朝はまず、その日のスケジュールを立てることが大切です。特にわたしは家で仕事をしているので、一日中掃除をしようと思えばできるし、手の込んだ食事作りだって不可能ではありません。だからこそ、「今日やらなければならないこと」「今日やりたいこと」「今日できたら嬉しいこと」をリスト化して、一日のスケジューリングをしておく必要があります。
わたしにとって一番重要なのが、幼稚園行事など子どもにまつわるイベント事。これに合わせて仕事を調整し、仕事が二番目に重要なタスクとなります。次に「買い物」「掃除」などが「やりたいこと」、「衣替え」「シーツ洗濯」などが「できたら嬉しいこと」に分類されます。
現実問題、「できたら嬉しいこと」が実際にできることは少ないです。そうして積み重なった「できたらいいな…」はいつか「やりたいこと」そして「やらなければならないこと」へとランクアップされていきます。これは仕方がないことだと捉え、ストレスに感じないことが大切です。冷静にスケジュールを見直し、タスクに組み込むようにしています。
家事は「習慣付け」で、苦痛を感じる前に終わらせる
買い物や大掃除は時間に余裕があるときだけで大丈夫ですが、洗濯、料理、簡単な掃除は毎日必要です。特に子どもがいると、洗濯と掃除は必須と言えるのではないでしょうか。そういった「毎日必要な家事」は、習慣付けることでストレスなくこなすことができます。「顔を洗ったらまず洗濯機を回す」「子どもを幼稚園へ送ったあとに掃除機をかける」「お迎え後に夕飯の支度をする」というように、前の行動に関連付けて流れるように行うのがおすすめです。少し休憩したくて椅子に座った途端、なにもやる気が起きなくなってしまう経験は誰でもあるはず。その先の予定が「できたら嬉しいこと=今日無理にやらなくてもいいこと」ならそのままのんびりする日があってもいいですが、「やらなければならないこと」だった場合はどこかで区切りをつけてまた動き始めなければいけません。このとき、かなりのストレスを感じるのではないでしょうか。
気が重いことほど、「さあやるぞ!」と思わないスタートの仕方が大切です。ごく自然に、流れるように家事を行うことで、日々の苦痛を少しでも軽減できます。
子どもとじっくり向き合う時間を作る
家庭と仕事の両立において、子どもとのコミュニケーション時間が少なくなることも心配です。現にわたしが仕事をしている間、息子は一人遊びが中心です。申し訳ない気持ちもありますし、子どもたちも「いっしょにあそぼ~」と常に声をかけてくれます。このとき、仕事の片手間で遊ぶと、子どもたちはいつまでも満足しませんし、わたしも仕事が思うように進まなくて次第にイライラしてしまいます。
子どもと遊ぶと決めたら、全力で向き合いましょう。スマホやテレビも封印して、思い切り遊びます。そうすると不思議なことに、15分ほどで満足してくれます。子どもたちにとって本当に必要なのは「遊び相手」ではなく、「母親に目を向けてもらうこと」なのかなと感じます。だから、子どもと遊ぶときは全力で遊びましょう。「じゃあ15分ね」と最初に時間を伝えておくのもおすすめです。わたしにとってもちょうどいい休憩・息抜きになっています。
寝る前のリラックスタイムを大切にする
もうひとつ、わたしが大切にしているのが「寝る前の時間」です。子どもを寝かせる前、布団で絵本を読みます。子どもたちがそれぞれ選んだ計2冊をゆっくりと読んでいる時間は、わたしにとっても子どもにとっても最高のリラックスタイムになっています。
慌ただしかった一日こそ、この寝る前の時間はゆったりと過ごすことを心がけています。絵本を読んだ後は、その日の出来事を聞いたり明日の予定を話したりして、一日を終える準備をしましょう。そして最後は「大好きだよ、おやすみなさい」。ぎゅっとしてから眠りにつきます。
子どもと接する時間が短くなっても、母親からの愛情が薄くなるわけではありません。それは、わたしたち母親自身が一番よく分かっていると思います。だから、大切なのは「愛情を伝えること」ではないでしょうか。言葉にして直接伝えるのもいいですし、絵本を読んだり食事をしたりしている中で自然と伝わるものもあります。愛情をたっぷり感じながら、子どもたちにはすくすくと育ってほしいですね。
「自分の時間」をなるべくもつ
仕事と家事、そして育児。頑張りすぎない工夫をしていても、一日の終わりには疲れています。子どもが寝た後に仕事をすることもありますが、そうでなければ、夜は「自分の時間」にあてることにしています。わたしはフルタイム勤務ではないため、家事も子どもが寝るまでに全て終わらせることができます。しかも、子どもたちは20時就寝と、とっても早寝。主に読書をしながら、時に特別な「おやつ」を食べ、のんびりと過ごします。
毎日は難しくても、週に一度、月に一度なら家族や親戚の力を借りて自分の時間をもつことができるでしょうか。わたしは読書のほかに音楽の趣味もあり、アマチュア吹奏楽団の練習へ行くことがあります。そこでは、わたしは「妻」でも「母親」でもなく、昔からの「わたし自身」として受け入れられます。この時間が大変貴重で、良いリフレッシュになります。
母親は、子どもがお腹に宿った瞬間から、24時間365日母親です。でも、ときどきは子どものことを忘れて、自分自身のことだけを考えてもいいのではないかと思います。なぜだか、全ての言動に「母親」であることが求められている気がしますが、わたしたちは「母親」である前に「わたし」なのです。自分の時間を、自分のために使うことも必要だと感じています。そして、個人の時間も楽しむ母親の姿を見せることで、子どもも、趣味の見つけ方や楽しみ方、生活の中でのバランスの取り方を体得できるのではないでしょうか。
「手抜き」する自分を責めない
わたしは掃除も洗濯も料理も好きなので、「習慣付け」と組み合わせて無理なく行うことができています。それでもときには仕事が立て込んで時間が取れなくなったり、時間はあるはずなのにやる気が起こらなかったりすることもあります。そんなときは迷わず「手抜き」です。掃除機をかけない日があれば、ファストフード・レトルト・お惣菜に頼る日もあります。
ポイントは、そこに罪悪感を抱かないこと。「本当はキレイに掃除しなきゃいけないのに…」「ご飯も手抜きで申し訳ない…」とネガティブな気持ちだと、余計に疲れてしまいます。「ごめん!今日忙しくて!」と明るく軽い雰囲気で伝えれば、自分の心も楽になるはずです。それに家族は、床に少しゴミが落ちていても気付きませんし、夕飯がレトルト品だとかえって喜ぶこともあります。結局一番気にしているのはわたし自身なのです。
手抜きを悪いことだと考えず、前向きで必要な手段だととらえましょう。そして時間と心にゆとりがあるときに、念入りな掃除や手の込んだ料理をすればいいのだと思います。
家事も育児も仕事も「マラソン」
以上、わたしの実生活をもとにした、仕事と家庭の両立について紹介しました。
「全てを完ぺきにこなそう」「仕事があるからといって家事育児を手抜きしてはいけない」と考えて自分を追い込んでしまうと、どこかでふっと糸が切れてしまいます。体調を崩したり夜眠れなくなったりしてしまうことだって、あるかもしれません。家事も育児も仕事も、すべて毎日長く続いていくもの。いわば「マラソン」です。短距離走のように全力で突っ走るのではなく、じっくりとペース配分を考え、時には給水ポイントで水分補給をしながら、一歩ずつ完走をめざしましょう。
勤務時間はどのくらいか、子どもは幼稚園なのか保育所なのか、小学校入学後の生活はどうなるのか、悩んだり困ったりすることも多いと思います。そんなときわたしは、家族のことや子どものことを考えるのと同じくらい、自分の気持ちも大切にしています。我慢が美しいのではないはずです。自分自身が心からの笑顔で毎日を過ごせるよう、仕事と家庭、そして「わたし」のバランスを模索しています。