2020年から小学校でプログラミング学習が始まり、親御さんの中には「ちゃんと授業についていけるかしら…」と不安になる方もいると思います。
いきなりプログラミング教室に通うというのもなかなかハードルが高いもので「興味がないのに通わせるのも…」と迷っている方も多いでしょう。
ですが、実はプログラミングは教室に通わなくても自宅で手軽に学ぶことができるんです。しかも、家にあるパソコンやタブレット端末、スマートフォンを使えば「無料」で楽しめるものが数多くあります。
今回は完全無料で楽しめる子供向けプログラミングゲームを3つご紹介します。
子供が無料で楽しめる!プログラミングゲーム3つ
プログラミングと聞くと私たち親世代は「何だか難しそう…」とつい尻込みしてしまいますが、実は今は子供向けのプログラミングゲームが日本、海外問わずたくさんあります。
有料でお金を取るものもありますが、世界の一流大学が作ったものでも無料で楽しめるものもあるんです。本当にありがたい時代ですね。
とはいえ、たくさんあるプログラミングゲームから使いたいゲームを探し出すのは忙しい親御さんにはなかなか難しいものです。
そこで、今回は保育士で二児の母である私が実際に操作してみて「これなら子供でもできるかも!」と思ったプログラミングゲームを3つご紹介します。
おすすめ無料プログラミングゲーム(1) viscuit (ビスケット)
開発:合同会社デジタルポケット 原田康徳
今回ビスケットはご紹介するゲームの中でも一番「シンプルなプログラミングゲーム」です。絵を描いて動かすことがメインですが、難しい説明などは一切ないので使い方を覚えれば幼児でも取り組むことができます。
「プログラミングとはシンプルなルールを組み合わせること」
ビスケット開発者の原田康徳氏はと考えていることもあり(※1)、ペンの太さを変えたり、色を変えたりすることが中心で複雑な機能がなく、プログラミングの知識が全くなくても遊ぶことができます。
viscuit (ビスケット)で遊ぶ時のポイントは?
ビスケットは絵を描くことがメインで、かつ機能もシンプルなので難しい操作は少ないのですが、動きをつける際に一定の手順が必要です。
そのため、小さいお子さんが使用する場合は「大人が先に一通り使ってみる」ことをおすすめします。使い方の動画などもサイトに掲載されているので、使う前に確認すると分かり易いとですよ。
実際にビスケットで作ったもの。熱帯魚を泳がせてみました。

おすすめ無料プログラミングゲーム(2) Springin(スプリンギン)
開発:株式会社しくみデザイン 中村俊介
スプリンギンは、小学校のプログラミング教育の発展を応援する「みらプロ」に協力企業として参加している「株式会社しくみデザイン」が作成したゲームです。
同社は文部科学省、総務省、経済産業省と連携し、プログラミング学習の指導案の作成、講師の派遣、教師へのプログラミング教育などもサポートしています。(※2)
「単純なしくみを組み合わせることでできることが広がり、その結果すごいものが作れるようになるってことを伝えたい」
スプリンギン開発者の中村俊介氏はこういった想いでゲームを開発しています。(※1)
そんなスプリンギンの良いところは「表現の幅が広い」点です。例えば、手持ちの写真を切り抜いて使用したり、音声を付けたり、ペンツールや動きもバリエーション豊かなので大人でも夢中になってしまう面白さがあります。
また、スプリンギンで特に面白いのが「自分が作った作品でゲーム内のみで使えるお金を得ることができる」点です。作った作品をゲーム内で出品し、それが誰かにダウンロードされるとお金がもらえるシステムになっています。
人のニーズを考えながらゲームを考えられるのもスプリンギンの面白さの特徴です。
Springin(スプリンギン)で遊ぶ時のポイント
直感的な操作が特徴のスプリンギンですが、作業の全体像が見えないとどこから始めたらいいか分からない子もいると思います。
そんなお子さんは大人が一緒に付き添って、一度スプリンギンの公式ウェブサイトに載っている「チュートリアル」と呼ばれる簡単なサンプルを作ってみるのがおすすめです。
このサンプルを一通り作ると「絵を描いて動きをつける」という工程が理解できるので、その後は自分の作品に自信を持って取り組むことができます。

また、スプリンギンは表現の幅が広い分、一つ一つの工程にこだわると時間がかかります。特に絵が好きな子はスプリンギンを使っていると描くことに没頭すると思うので、ある程度時間にゆとりを持って取り組むようにするようにして下さい。
おすすめ無料プログラミングゲーム(3) Scratch(スクラッチ)
開発:マサチューセッツ工科大学(MIT)チェル・レズニックの研究チーム
マサチューセッツ工科大学で開発された世界で最も有名なプログラミングゲームの1つです。そのクオリティは日本でもお墨付きで、小学生向けのNHK教育番組「Why!? プログラミング」という番組でも使用されているゲームとしても有名ですね。
「クリエイティブに考える。自分だけしかできないことを探し、表現する。それが人間にしかできない“人間らしさ”だと思う」
開発チームを率いたチェル・レズニック氏はというスピーチを日本で披露しており(※3)、ルーティン作業がなくなるAI時代の人間のあり方を説いています。
日本でも非常に多くの人がスクラッチに登録しており、その人数は30万人を超えています(※3 2018年10月現在)
Scratch(スクラッチ)で遊ぶ時のポイント
前者2つのゲームは絵を描くことにフォーカスしているイメージですが、スクラッチは「より細かい動きを自分で設定する」ことができます。
実際に筆者も3つのゲームを操作してみて分かったのですが、スクラッチは自分で組み立てる要素がとても多いです。
例えばスプリンギンは、ボタン一つで絵が回転してくれますが、スクラッチはそうはいきません。スクラッチで絵を回転させるためには「15度に回る」という動きを繰り返すことで絵が回転するようになります。
また、スクラッチは他者が作った作品をダウンロードし、改造する「リミックス」ということができるようになっています。そのため、優れた作品がどのようにプログラミングされているのか分析することが可能です。
比較的難しい言葉が出てくるので(例えば角度、x軸、y軸などの簡単な算数や数学の用語)小学生未満のお子さんには難しいですが、より本格的なプログラミングに挑戦できます。

対象年齢前後のお子さん、もしくは小学生未満でもプログラミングに対して興味が強いお子さんがさらに実践的なプログラムを学ぶのにおすすめです。
プログラミングは教室に通わなくても学ぶことができる
いかがでしたか。今回は無料で遊べるプログラミングゲームを3つご紹介しました。プログラミングは私たち親世代が学習してこなかった内容なので不安を感じることがあると思いますが、子どもにあったツールやゲームを上手に使えば自宅でも十分に学ぶことが可能です。
また、教室に通うよりも手軽な「ロボットプログラミング」もプログラミング学習におすすめです。画面上の無料ゲームも良いですが、実際に自分がプログラミングしたロボットが目の前で動かせると子どもは目をキラキラ輝かせてくれます。
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参考資料)
※1 プログラミングツール開発者が伝える、プログラミング教育のエッセンス https://www.watch.impress.co.jp/kodomo_it/news/1185842.html
※2 スプリンギン公式HP https://www.springin.org/jp/
※3 Scratch開発者が示す、AI時代における「人間らしい学び」 https://resemom.jp/article/2018/11/05/47533.html