アダルトチルドレン。子供と信頼が作れず、負の感情を抱いてしまう時

アダルトチルドレン。子供と信頼が作れず、負の感情を抱いてしまう時

子供に対して「目に入れても痛くない!」「笑顔を見るだけで癒される!」そんな母性溢れるポジティブなイメージを持てる人ばかりではありません。

子供を愛せない、可愛いと思えない、ささいなことで苛立って感情的になってしまう……このような悩みを、実に多くの母親が抱えています。

その根本的な理由は、親のあなた自身が「アダルトチルドレン」であることかもしれません。子供のありのままを素直に愛せない理由は、自分が思っているよりも、もっともっと深いところにあるのではないでしょうか。

子育てにネガティブになりやすい「アダルトチルドレン」

アダルトチルドレンという言葉に、馴染みのない方も多いのではないでしょうか。ここではまず、アダルトチルドレンに関する基本的な知識をお伝えしていきます。

アダルトチルドレンとは?

アダルトチルドレン(以下ACと略します)とは「子供時代を子供らしく過ごせないまま大人になり、日常生活で問題を抱えやすい人」のことを指します。
子供っぽい大人・未熟な大人という意味ではありませんので、誤解しないようにしてください。

子供には「無条件の愛情」で育つ権利があります。子供は本来、ただそこにいるだけで愛されるべき存在です。ありのままを愛そう、自分の心に素直になろう……こんな言葉をよく耳にしますが、ACは幼いころからずっと、このように素直な育ち方をしてきていません。

問題を抱えた親の元で、愛されるためにさまざまな役割を担い、必要以上に大人っぽい振舞いをしなければならなかった子供時代。そんな子供時代を過ごしていると「自分は〇〇するから愛される」「自分は〇〇でないと愛されない」という条件付きの愛情が、心の中に強く根付いてしまいます。

アダルトチルドレンとネガティブ思考

ACは、子育てだけでなくその他の部分でもネガティブな思考に陥りやすいです。

・他人に自分の意見を言えない
・自分よりも他人の意思を優先してしまう
・白か黒かはっきりさせたい
・完璧主義
・心が折れるまで頑張ってしまう
・深読みしすぎて悩んでしまう
・自分に自信がない

さまざまな面で考え方が偏っており、柔軟な対応や手抜きができないのです。これは夫婦関係や仕事、嫁姑関係など子育てに関わりの深い問題にも密接です。それによって子育てもうまくいかず、子供に対してもネガティブになりやすいといえます。

子育てのカタチは連鎖しやすい

人間は、複数の親を見て育つことができません。多くの場合、自分の家庭はひとつであり、そこで与えられる愛情こそが「正しい愛情」と思っています。

しかし、親は一人の人間であり、間違いもあれば悩みもあります。まるで今悩んでいるあなたのように。親から受けてきた間違った愛情しか知らない私たちには「親たるもの、こうするべき!」という強い思い込みがあるのです。
虐待は連鎖するなどとよく耳にすると思いますが、愛情のかけ方や親から子への接し方も、無意識のうちに連鎖していることがあるのです。

それは、あなたが悪いのではありません。あなたがダメな人間だから、ダメな親だから……という単純な理由ではないのです。
あなたが受けてきた愛情と「無条件の愛情」は全く違うものです。あなたはそれをこれから探して、実践できるようにしていけばよいのです。

子供にネガティブな感情を抱いてしまうときは?

自分がACかもしれない、この気づきであなたは大きな一歩を踏み出すことになります。子供に対して抱く、ネガティブな感情を解き放つ準備が整ったことになります。
ACの悩みはとても根が深いので、育児書や子育て論を見聞きしても正直効果は薄いです。ここでは、子供へのネガティブな感情を解くために大切なステップをご紹介していきます。

子供の悩みはいったん置いておく

子供との関り合いで悩むことが多いのなら、まずは子供の悩みはいったん置いておきましょう。そして、自分の心に目を向けて見てください。

あなたは「〇〇をするのがよい子」「他人に〇〇と思われるのがよい」というような、固定観念を持っていませんか?

・きちんと礼儀正しくすること
・誰かの機嫌を損ねずに行動すること
・いつも笑顔で明るく振舞うこと
・自分の気持ちよりも、誰かの気持ちを優先すること
・ネガティブな感情は見せず、隠すこと

このような基準は間違っています。あなた自身の「いい子」の基準が間違っているのかもしれません。自分が幼いころ「いい子」を演じてきた人は、子供も同じような「いい子」にしようとしてしまいます。いい子という言葉はとても曖昧なもので、決してその基準やレベルは誰かに決められるものではありません。
まずは、あなた自身が思う「いい子」とは、本当に子供にとって必要なものなのか、よいことなのかを考えてみてほしいです。

自分の親に対する欲求に気付く

あなたの中に、親に対しての怒りや「もっとこうしてほしかった」という要求はありませんか?ACは、とてもささいなことで生まれてしまう概念です。

・他人や兄弟と比較された
・寂しい思いをした
・いつも否定された
・過度に厳しくしつけられた
・干渉されて、自由がなかった
・気持ちを聞いてもらえなかった

このような、自分が親に対してどんなことに不満を持っていたか、そして本当ならどんなふうに接して欲しかったかを、振り返ってみてください。
自分の家庭は恵まれていた。自分は一般的な家庭環境だった。そう思っていても、実は心の深いところに「親にもっとこうして欲しかった」という思いが眠っているかもしれません。
その気持ちに気づいて認めてあげる作業をしていきましょう。

親を反面教師にしすぎるとつらい!

あなたが親に対して、何かしらのわだかまりを抱えている場合は「親のようになりたくない」「自分も親のようになってしまうかも」という、反面教師のような気持ちが強いものです。
反面教師は自分を律するためにはとても大事なのですが、この反面教師が強すぎると、逆に自分を苦しめます。

・自分の親のようになってはいけない
・子供の将来は自分にかかっている

このように、子育てに対して気負い過ぎすぎることも、自分と子供を息苦しくさせてしまう原因になります。もちろん、自分が「こういう親になりたい」という理想を持つことも時には必要ですが、それに縛られ過ぎてしまうのは逆効果となるのです。

アダルトチルドレンの子育てで心がけたいこととは?

自分がアダルトチルドレンだと自覚したとき、子育てにおいて大切にすべきことは何でしょうか?子供と自分が同時に自由になる方法を考えてみましょう。

自己肯定感を養うこと

自己肯定感とは「自分の価値」をどう感じているか、ということです。これは無条件の愛情にとても深く通じています。

・自分は〇〇するから価値がある
・〇〇できない自分に価値などない

このような考え方をしてしまう人は、自己肯定感が低く条件付きの愛情しかもらえなかった人。

自分は子育てが上手ではないけど一生懸命であるとか、自分はダメなところもあるけどいいところもあるというように、自分の長所に目を向けた価値の捉え方ができると、生きるのがとても楽になります。

完璧主義をやめること

自己肯定感の低い人は、とにかく自分の価値を上げるために必死になり、完璧主義を目指します。100点に1点でも満たないと「自分はダメな親だ」「親として失格」などと、白か黒かの極端な思考になるのです。
子供に対しても「〇〇ができないなんて!」「このくらいのことできるようになって!」と完璧を求めがちです。その完璧の基準が高いため、基準に満たないようなことがあると子供にイライラし、上手く指導できない自分をも責めてしまいます。

世の中には、完璧に生きている人などいませんし、何をもって完璧といえるのかもわかりません。どんな母親でもダメなところがあるし、いいところもあります。まずは「全力でやる」ということをやめて、自分なりに頑張っていることを100点と考えてみてほしいです。

子供にネガティブになる自分を認める

子供に対してネガティブな感情を抱くときは「自分はまだ成長過程だからだ」として、認めてあげましょう。ここで「やっぱり自分はダメだ」「悪い母親」と、自己否定をするとなかなか先に進みません。

自分の子育てがうまくいかない理由は、ACであることに原因があると自覚し、思い切り認めて褒めてあげましょう。ACなのに頑張っているじゃないか、と考え方を柔軟にしていけるとよいですね。

育児書や子育て論を鵜呑みにしない

育児書や世間で取り上げられている子育てのコツや子育て方法は、正直いって「多くの人に当てはまりやすいラインの正論」です。

・子供には最大限の愛情で接しましょう
・怒らずに、優しく諭しましょう
・子供の感情を受け入れましょう
・子供の食育や生活習慣に気を配りましょう

もちろんどれも正しいことなのですが、これだけ世の中にたくさんの親子がいるのに、すべての親子がその正論をすんなりと実行できるわけがないのです。それぞれ、生まれ持った気質も育った環境も違うのに、育児書の内容は似通っています。
大事なのは正論に合わせることではなく「自分にはどんな方法や努力が必要なのか?」という取捨選択になります。

子供へのネガティブ思考をやめるには、自分の心の傾向を知ること

子育てに悩んだとき、多くの人は子供のことばかり考えてしまいます。もしくは、夫や祖父母など周辺の人や環境に原因があると勘違いしてしまうケースも多いです。
もちろん、周囲の環境や子供自身の気質も大きな関係がありますが、悩んでいる自分自身の心がいちばん深く関係している場合があるのです。

まずは今の悩みをいったん寝かせて、自分自身がどんな愛情を受けて育ってきたか、そして本当はどんな愛情が欲しかったかをじっくり考えましょう。
自分のことは自分が一番わかっているつもりですが、実は案外見えていない部分、知らなかった自分がいるものです。

ACは、多くの固定観念・思考の歪みが生じているため、そこを紐解いていくと子供へのネガティブな感情や言動が改善してくるかもしれません。