子ども同士のケンカやトラブル、親はどこまで介入する?

子ども同士のケンカやトラブル、親はどこまで介入する?

小学生になると、親の目が届かない場所で過ごす時間がぐっと増えます。それに伴い、子ども同士のケンカやトラブルが発生する可能性も…。子どもの口から「〇〇さんとケンカした」と聞いたら、どうしても不安になってしまいます。
子ども同士のケンカやトラブルに、親はどこまで介入すべきなのでしょうか?さまざまなトラブルのパターンと、その解決方法について解説します。

子ども同士で解決をめざすパターン

小学生とはいえ、小さなケンカやトラブルであれば子ども同士で解決するのが理想です。ただ、子どもだけで解決方法を考えたり実際の行動に移したりすることは難しいですから、相談に乗ったりアドバイスをしたりするなどの手助けはしましょう。

物を取った・取られた

「物を取られた」というのは、子ども同士でよくあるトラブルのひとつです。「落とした鉛筆や消しゴムを拾われ、そのまま返してもらえなかった」「登下校時に手提げかばんを取り上げられた」など、その内容もさまざまです。ただ、少しの時間取り上げられたあと、すぐに返されることがほとんどです。「次からはしないでほしい」「嫌な気持ちになるからやめてほしい」と、自分の気持ちをハッキリと伝えられるようにしましょう。
逆に、「友だちの物を取り上げてしまった」と、加害者側に立つ子どもから、ママに助けを求めることはめったにありません。小学校低学年であれば、遊びの延長、ちょっとした悪ノリ感覚で、友だちの持ち物に手を出してしまうこともあるでしょう。万が一、我が子が加害者側に立っている場面を見かけることがあれば、家へ帰ってから落ち着いて話を聞くようにしてください。「相手の立場になって考える」ことが大切です。

悪口を言った・言われた

「言った・言われた」に関するトラブルも、なかなか確証がもてないために対応に困るママが多いです。「〇〇ちゃんがバカと言った」「デブと言われた」など、我が子の悪口を言われて心が痛い、許せないと思うのは当たり前です。ところが、どういった場面で、どんな意図をもって言われたのかまでは分からないもの。そんなときはまず、「悪口を言われて辛かった」という子どもの気持ちに寄り添うことに専念しましょう。子どもの話に耳を傾け、「それは嫌だったね」「そんな言い方をされたら傷付くよね」と話を聞きます。
一度聞いてもらうことで子どもの気持ちが落ち着き、「翌日は何事もなかったかのように仲良く遊んだ」ということもしょっちゅうあります。ママの方が重く受け止めすぎないように、少し注意が必要です。

目に見える怪我がない小さなケンカ

「押された」「叩かれた」「髪を引っ張られた」など、傷が残るほどではないケンカもあるでしょう。繰り返し、一方的にやられるのは問題がありますが、仲の良い友だち同士でのちょっとしたケンカであれば、子ども同士で解決をめざすことも可能です。仲が良いからこそケンカをしてしまった、意見が合わなくてつい手が出てしまったなど、子どもなりに理由の検討もつくはずです。
「自分の悪かったところはどこか」「仲直りしたい気持ちがあるのかどうか」を中心に親子で話し合い、解決の糸口を探りましょう。

親の介入が必要なパターン

物や体に被害があった場合や、今後いじめにつながりそうな場合など、子ども同士のトラブルでも親の介入が必要なパターンがあります。子どもの様子や表情を注意深く観察しながら、判断する必要があります。

物を取った・取られたままになっている、壊れてしまった

消しゴムや鉛筆のような小さな物でも、取られたままになっている場合はそのままにしてはいけません。小さな物をあいまいにしてしまうと、次第に大きく、大切な物の被害へとつながる恐れがあるからです。「鉛筆を何本も失くすようになった」「ノートが数枚破られている」などの変化がある場合は、特に慎重な見守りが必要です。
また、「引っ張られて破れた」「投げられて壊れた」というように、物の被害がある場合も、先生か相手の保護者へ連絡するようにしましょう。

金銭にまつわるトラブル

金銭にまつわるトラブルは、迷わずママの介入が必要です。直接金銭のやり取りをすることはもちろんダメですが、「お菓子を買ってあげた」「ジュースを半分飲ませてあげた」「ゲームセンターで100円貸した」など、子ども自身も自覚がないままに金銭のやり取りが行われていることもあります。数十円~数百円のやり取りが常習化すると、成長に伴って金額も増加するのが自然な流れです。
トラブルになったときにきちんと対応することも大切ですが、お小遣いを渡すようになった段階で「お金の使い方」についてきちんと話し合いましょう。「お金をあげる、もらう、貸す、借りるなどのやり取り禁止」「おやつや飲み物は、各自が自分の分を購入する」「お小遣い帳をつける」など、ルールを作っておくことが重要です。

複数人・複数回など、悪質である

「1日に何回も悪口を言われる」「叩いてくる人が数人いる」など、悪質な場合もママが介入しましょう。一番心配なのは、子どもがいじめの被害に遭うことです。一度きりのケンカなのか、一過性のトラブルなのか、本格的ないじめにつながる可能性があるのか、見極めることはなかなか難しいです。ただ、一週間以上状況が変わらなかったり、内容が酷くなっていたりする場合は、子ども同士での解決は困難でしょう。本格的に「いじめ化」する前に、対応する必要があります。
このケースでは、担任の先生に相談するのが一番です。学校で見る客観的な様子はどうか、他にも同じような被害に遭っている子はいないかなど、情報を共有してください。

目に見える怪我がある

「押されてこけて、ひざをすりむいた」「頬にひっかき傷ができた」「青あざができた」など、目に見える怪我があるときも、親がフォローしましょう。特に病院へ行くような大きな怪我になった場合は、相手のママだけでなく学校へも報告が必要です。どんな理由でも、過失がどちらにあったとしても、きちんと話し合いをしてください。

子ども自身が心に傷を負っている

もう少し見守るか、介入するかの判断に迷ったときは、子ども自身の心に目を向けてください。「学校に行くのが怖い、いやだと言う」「朝、不安そうな顔をしている」「授業中にたびたび体調を崩す」など、子どもの心身に明らかな不調が見られる場合は、子どもを守らなければなりません。
同じトラブルでも、子どもの性格やそのときの状況によって、受け止め方は異なります。「そんなことくらいで」などは言わないようにしましょう。ママは子どもの一番の味方でありたいです。

ママ同士が友だちなら、気軽な気持ちで聞いてみよう

「小さい頃から仲が良くて、それがときどきトラブルにつながってしまう」「昔から家族ぐるみの付き合いをしていて、“お互いさま”の関係が成り立っている」というようなケースであれば、相手のママに直接話を聞いてみるのもひとつの方法です。子どもの「〇〇された」という表現が嘘であることは少ないですが、その前後のいきさつを省略してしまったり、自分がやったことを棚に上げてしまったりしていることは多々あります。両方の意見を聞くことで初めて、トラブルの内容が明らかになると考えた方がいいでしょう。
ママ友同士であれば、宿題の様子や学校での様子を聞くついでに、子ども同士の関係について話すことができます。もやもやと心の中で考えるよりは、気軽な気持ちで相手のママに確認してみましょう。

担任の先生に間を取り持ってもらうこともできる

子ども同士での解決が難しく、親同士の面識もないときは、担任の先生に仲を取り持ってもらいましょう。学校にいる間に、物が壊れたり怪我をしたりした場合は、先生も把握していることがほとんどです。放課後、先生の方から連絡が入ることもあるでしょう。ただ、休み時間中や登下校中の出来事であれば、先生も把握しきれていないことがあります。気になることがあれば、こじれる前に伝えておきましょう。
わたしが小学校教員をしていたときには、「休み時間に遊んでいた子ども同士がぶつかり、ひとりがこけて頭をぶつけた」ということがありました。こけてしまった子どもの保護者は「大丈夫ですよ」とおっしゃいましたが、ぶつかってしまった子どもの保護者が「謝りたいのでお相手の電話番号を教えてください」とおっしゃいました。この場合、双方の同意が得られれば、学校側から連絡先をお伝えできます。被害を受けた側だけでなく、加害者になってしまった場合にも学校へ相談することが可能です。
また、「現時点で先生に対応してもらうことはないけれど、見守ってほしい」「解決済みではあるけれど、同じトラブルにならないように気にかけてほしい」といったお願いも伝えて大丈夫です。先生にとっても、大きな問題に発展する前に、少しでもトラブルを防止したいもの。子どもが安心した学校生活を送れるよう、必要なサポートをお願いしましょう。

子どもにきちんと寄り添う、でも過信しない

特に子どもが「された」立場である場合、まずは心のケアが大切です。子どもの話に最後まで耳を傾け、嫌だったこと、悲しかったこと、これからどうしてほしいか、など子どもの気持ちに寄り添いましょう。
ただ、子どもの記憶はあいまいなもの。「結果」に至るまでの「過程」をうまく説明できなかったり、忘れてしまっていたりすることもあります。さらに、子どもなりにいろいろ考え、自分にとって不都合な内容は話さないことも。子どもの言葉を盲目的に信じるのではなく、第三者視点で冷静に聞くように心がけてください。
特に小学校高学年の女の子を中心に、「聞いてもらって満足」というパターンも増えてきます。話をすることが自分の気持ちを整理するきっかけにもなりますから、ぜひじっくりと耳を傾けてください。

「ケンカ」を「学び」につなげよう

以上、子ども同士のケンカやトラブルに、親がどこまで介入すべきか解説しました。
よく「ケンカも勉強」と言いますが、これはきちんとケンカを解決してこそ。ケンカしっぱなしでは、なんの学びにもつながりません。そして、「ケンカゼロ」のまま大人へ近づくのも、また別の問題へつながることがあります。子どもたちは時に友だちとぶつかり、ケンカをしたりトラブルに遭ったりしながら、人付き合いのノウハウを学んでいくのです。
基本的にはアドバイスに留め、子ども同士の解決をめざしましょう。ただ、トラブルの内容や状況に応じて、ママが介入する必要があります。いずれにしても、まずは子どもの話に耳を傾ける他、毎日の様子や持ち物の状態を気にかけておきましょう。