新学年や夏休み明け、そしてふとした瞬間に、子どもは「学校へ行きたくない」とつぶやきます。親としてはドキッとしてしまいますが、子どもの口から発せられたSOSを見逃さないようにしたいです。
「学校へ行きたくない」と言われたら、どう対応すればいいのでしょうか?今回は、流れに沿ったサポート法を5つ紹介します。
まずは子どもの気持ちに寄り添うことを大切に
子ども自身も、「本当は学校に行かなければならない」「学校をずる休みするのは悪いこと」だと感じています。そんな子どもを叱ったり、励ましたり、アドバイスしたりするのは親の役割ではありません。家が安心できる場所であれるように、親は安心してなんでも話せる相手であれるように、子どもの気持ちに寄り添うことを大切にしましょう。
親に「学校に行きたくない」と伝えること自体、子どもにとっては大きな頑張りです。「言ってくれてありがとう」「そんな風に思っていたんだね」と子どもの気持ちを受け止め、耳を傾けるようにしてください。ハッキリとした理由がないことも多いですし、理由があっても親には言えないと思っている場合もあります。そんなときは無理に理由を聞き出そうとするのではなく、子どもから出てくる言葉を待つことが大切です。
1日だけ、休んでみよう
大人だって、会社に行きたくない日、外出したくない日があります。子どもはまだ自分の気持ちをコントロールする力が弱いですから、時にはこのようなネガティブな感情に負けてしまうこともあるでしょう。
そんなときは、思い切って1日だけ休んでみてください。子どもはそわそわとした一日を過ごすかもしれませんし、リラックスした一日を過ごすかもしれません。「休んでも楽しくないな」と思うかもしれませんし、「家で勉強した方がはかどるな」と感じるかもしれません。子どもが「休みの平日」にどのような感情を抱くかは分かりませんが、どんな場合でも「辛いときには休んでいいんだ」という安心感を得られるでしょう。「辛いときに辛いと言っていい」「嫌なことは嫌だと言っていい」という逃げ場所を用意してあげることが大切です。
また、腹痛や吐き気などの身体症状が出ていて、子どもが不安に感じている場合は、病院へ相談に行くのも一つの方法です。
明確な理由が分かったら?
「学校でいじめられている」「勉強についていけない」「給食が苦手」など、学校に行きたくない理由は様々考えられます。1日のんびり過ごすことによって、子どもの方からポツポツと学校へ行きたくない理由を話し始めるかもしれません。そんなとき、直接子どものことを叱ったり、アドバイスしたりする必要はありませんが、子どもから見えない部分でのサポートは必要です。学校の先生に連絡し、状況を説明しましょう。子どもと先生の信頼関係にもよりますが、なかなか先生に本心は伝えられないことが多いです。学校へ行きたくない理由が分かっている場合は相談することが大切です。
また、学校まで付き添い登校したり、授業中も教室の隅で見学させてもらえたり、最近の小学校はかなり柔軟に対応してくれます。先生側から提案を受けることもありますが、保護者側から積極的に提案や相談を行ってかまいません。子どもに「本当は学校に行きたい」という気持ちがあるなら、できる限りのサポートを検討してください。
家では勉強を続けよう
学校へ行きたくない日が続いたら、家では勉強を続けるようにしましょう。勉強は子どもの将来の可能性を広げる大切な方法です。「いつか学校に行けるように」ではなく、「将来好きな職業に就けるように」、勉強を続けることが大切です。子どもにも、勉強をする本当の意味を伝え、机に向かう習慣をつけるようにしてください。
勉強がつらくて学校に行きたくないときは、家族がフォローしたり、家庭教師や塾にお願いしたりするようにしましょう。
今は、いろんな「学びの場」がある
学校へ行けない日が長く続くと、いわゆる「不登校」という扱いになります。ところが、現在は不登校に対する理解が進み、様々な支援の場が用意されています。「フリースクール」「ホームスタディ」「教育支援センター」など、各自治体には、不登校や適応障害などに苦しむ子どものための勉強の場があります。親子で調べ、検討してみてください。
不登校になると生活リズムが崩れやすくなります。定期的に外出する習慣を残し、規則正しい生活が送れるようにサポートしましょう。
心のSOSを見逃さないために
以上、「学校へ行きたくない」と言われたときのサポート法を5つ紹介しました。
親としては、毎日学校に通って勉強してくるのが普通だと考えてしまいますが、誰しもがその「普通」になれるわけではありません。ほんの小さなつまずきから学校へ行きたくなくなったり、行けなくなったりしてしまうことがあるのです。力づくで学校まで連れて行くこともできますが、それよりも前に、子どもの心のSOSを見逃さないようにしてください。子どもにとっての幸せとはなんなのか、子どもが明るく元気に毎日を過ごすにはどうすればいいのか、子どもの立場に立って考えたいものです。
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