子どもを読書好きに育てたい!絵本読み聞かせのコツとポイント

子どもを読書好きに育てたい!絵本読み聞かせのコツとポイント

「読書は子どもにいい影響を与える」という話をよく耳にします。実際に教員をしていても、学習に対する姿勢や音読の上手さから、「この子はよく本を読んでいるんだろうな」と感じることが多々ありました。
ところが同時に、「子どもの読書離れ」も深刻な問題として取り上げられます。読書は、子どもにどんな影響を与えるのでしょうか?子どもを読書好きに育てるにはどうすればいいのでしょうか?
今回は、絵本を読み聞かせるときのコツと、読書好きに育てるためのポイントを紹介します。

絵本を読み聞かせるときのコツ

幼い頃から絵本の読み聞かせをしておくと、大きくなったときの読書習慣につながりやすくなります。本に親しみ、物語の楽しみ方を知ってもらうためのコツを紹介します。

落ち着いてゆっくり読む

まず基本は、ゆっくりと読むことを大切にしてください。意識していないと、知らない間に早口になってしまっているママも多いはず。子どもでもきちんと理解できるように、文節で区切りながらゆったりと読むことを心がけましょう。
もうひとつ大切なのは、「文章を全部読むこと」。「時間がないから」「疲れるから」と、つい文章をカットしながら読んでしまっていませんか?文字数の少ない絵本だからこそ、全ての文章でひとつの無駄もないように、丁寧に言葉選びをして書かれています。絵本の世界観を大切に、落ち着いて楽しむようにしましょう。

登場人物によって声色を変える

子どもが3歳頃になり物語を読むようになると、読み聞かせにも工夫が必要になります。登場人物によって声色を変えたり、怒った声や嬉しい声を表現したりして、子どもが物語を理解する手助けをしましょう。難しいと感じるママは、まず「ナレーション」と「せりふ」の読み分けから挑戦してください。
ただ、あまりに感情を込めて読んでしまうと、物語の楽しみ方を限定してしまいます。本当に怒鳴っているようなオーバーな表現や、身振り手振りはやめましょう。

ママ自身が絵本を楽しむ

絵本の読み聞かせにおいて、一番大切なのは「ママ自身が絵本を楽しむ」こと。ママが「面倒だな」「つまらないな」と思いながら読むと、それが子どもに伝わってしまいます。絵本の読み聞かせは、5分~長くても15分もあれば終わります。やらなければならない家事や、面倒だなと思う気持ちは少し忘れて、子どもと一緒に絵本の世界に浸りましょう。絵本を選ぶときに、ママ自身が「読んでみたい」と思うものにするのもおすすめです。

読み聞かせはいつすればいい?

絵本の読み聞かせは、寝る前にしているママが多いのではないでしょうか。後の予定もなくゆったりとした気持ちで過ごすことができる就寝前は、確かに読み聞かせに最適であると言えます。
また日中でも、絵本を読み聞かせるタイミングはあります。「お風呂前」「出かける前」など、行動の切り替えに絵本を読み聞かせるのもおすすめ。時間の計画に少し注意が必要ですが、「これを読んだらお風呂に入ろうね」「お片付けをしたら絵本を読もうね」と、次の行動のきっかけになります。
他にも、「子どもを叱った後」や「子どもがイヤイヤをした後」に、気持ちの切り替えとして絵本を読み聞かせることもできます。絵本の読み聞かせは、親子の触れ合いの時間としての役割も大きいもの。親子で絵本を楽しめば、ママにとっても子どもにとっても気持ちを切り替えるタイミングになります。読み終わる頃には笑顔になっているような絵本を選びたいですね。

子どもが絵本に興味をもたないときはどうする?

「せっかく読み聞かせをしようとしても、全然聞いてくれない」という悩みをもつママが多いようです。子どもが絵本に興味をもたないときの対応も紹介します。

0~1歳の子どもは、落ち着きがなくても気にしない

特に0歳~1歳頃の子どもは集中力がなく、歩き回ってしまうでしょう。そんなときは、絵本の読み聞かせでよくある「対面式」ではなく、子どもを膝の上に座らせて読む「ひざ読」を試してみてください。ママの膝に座り体に両腕を回されることで、動きが制限されて落ち着くことがあります。さらに、親子のスキンシップにもなるというメリットもあります。
ただ、動き回るからといってその姿勢のまま無理やり動きを封じてしまうと、子どもが不快に感じてさらに暴れてしまうのでやめてください。絵本の読み聞かせそのものを嫌ったり、絵本がつらい記憶と結びついてしまったりする可能性があります。多少歩き回っても、他のおもちゃで遊んでいてもかまいません。ママは落ち着いた声でしっかりと絵本を読み続けましょう。ふとしたきっかけで、子どもが絵本に興味をもつ日がやってきます。

2~3歳頃からは、子どもに寄り添った絵本選びを

2~3歳頃になると、落ち着いて物語を楽しめる子どもも増えてきます。この頃になっても絵本に興味をもたない場合は、まず、絵本の内容が子どもに合っているかどうかを確認しましょう。内容が難しすぎたり、簡単すぎたり、興味のない分野だったりすると、こどもは興味をもちません。最近は「えがないえほん」や「ぜったいに おしちゃダメ?」など、一風変わった絵本が数多く出版されています。読み聞かせの入門として選ぶのも良いでしょう。
また、「乗り物図鑑」や「生き物図鑑」などの図鑑を好む子どもも多いと言われています。読み聞かせる側としては楽しくありませんし、そもそも「読み聞かせ」として成立しているのかと不安になるママも多いでしょう。でも、読書のスタートはまず「本を開く」ことから。本から新しい知識を習得する楽しさを知ることも、読書習慣へ結びつきますから、安心してください。

子どもが興味をもったタイミングを見逃さない

普段は絵本に興味を示さない子どもも、ふとした瞬間に興味をもつことがあります。現在3歳の息子も、普段はわたしから声をかけない限り絵本を読みませんが、ときどき自分で絵本を選んで「これ読んで」と持ってくることがあります。大切なのは、こういったタイミングを逃さないこと。家事をしていたり仕事をしていたりするときもありますが、可能な限りはその場ですぐに読み聞かせるようにしています。もちろん、どうしても手が離せない場合は待ってもらっても大丈夫。ただそのときには「5分待ってね」「この洗い物が終わったらね」と、きちんと区切りを示すことが大切です。
自分で「読んで」と言わないまでも、本棚の前でじっと絵本を眺めているときには声をかけてみましょう。少しでも関心をもっているときに読み聞かせを行うことで、絵本に対して楽しいイメージをもつようになるはずです。

「一人読み」はいつからできる?

幼稚園の年中~年長頃から少しずつ文字を読めるようになります。そうすると気になるのが「絵本の一人読み」。自分で読めるようになればママの負担も減りますし、読書への移行につながります。ところが、まだ文字を読むことに不慣れな子どもにとって、絵本を読むのは大変なこと。一文字ずつは読めても、それを「単語」「文章」と意味のあるまとまりとして捉えることは難しいものです。
4~5歳で文字が読めるようになったら、0~1歳児向けのごく簡単な絵本の一人読みから挑戦しましょう。下の兄弟がいるなら、実際に読み聞かせをしてもらうのもおすすめです。
「おはよう」「りんご」「楽しい」などの単語がスムーズに読めるようになった5~6歳頃、ストーリーのある絵本に進みます。まずは、普段読み慣れていて、内容も理解できている絵本から。「せりふは子ども、ナレーションはママ」というように役割分担をして、無理なく読みましょう。
小学校へ入学する6~7歳になると、一人読みをする機会がぐんと増えます。初めて読む本でも一人読みができるようになってきます。また、この頃には「絵本」から「児童書」へ移行します。一緒に書店や図書館へ行き、子どもの読書意欲を引き出す本選びを行いましょう。家庭オリジナルの「読書カード」を作り、読書記録を「見える化」するのもおすすめです。

親子で読書を楽しもう

子どもに読書の素晴らしさを伝えるには、ママ自身が読書を楽しむ姿を見せるのが一番です。事実、読書習慣がある親をもつ子どもは、自然と本を手に取る機会が増え、子ども自身にも読書習慣が身につくと言われています。子どもがしっかりと一人読みができるようになったら、1日10分でも良いので「読書タイム」を設け、親子で読書を楽しみませんか?互いに読んだ本の感想を伝え合ったり、子どもが読んだ本を貸してもらったりすれば、読み聞かせとはまた違った親子のコミュニケーションが生まれるでしょう。
さらに、リビングなどの目立つ場所に本棚を置き、子どもが自由に本に触れることができるような環境作りもおすすめです。子どもの中には、絵本から児童書を介さず、いきなり文庫本を読み始める子どももいます。また、図鑑や辞書、百科事典など、読み物には適していないように感じる本に興味をもつことがあります。子どものうちは、興味をもった本をすぐ手に取り、開ける環境が大切。ママが読んでほしい本を押し付けるのではなく、子ども自身が自主的に本選びを行えるようにしましょう。

人生を豊かにしてくれる読書を楽しもう

以上、読書が子どもに与える影響と、読書好きに育てるためのポイントを紹介しました。
子どもが絵本に興味をもつような読み聞かせのコツ、読み聞かせのタイミングや、一人読みへの移行など、さまざまなポイントをお伝えしました。
読書習慣が身についている子どもは、集中力があり、学力も高いという調査結果があります。さらに、本を通して知識を増やし、さまざまな世界観に触れることができるメリットもあります。そしてなにより、生涯を通して楽しめる素晴らしい趣味として、子どもにはぜひ読書好きになってほしいものです。