「お友だちをたたいてしまった」
「道路へ飛び出そうとした」
「家具に落書きをした」など、
子どもを叱らなければならない場面は意外と多いもの。
時には、「厳しく言いすぎてしまった」「今日は叱らないようにしようと思っていたのに」などと、自己嫌悪に陥ってしまうママもいるかもしれません。
でも、正しい方法で子どもを叱るのはとても大切なこと。きちんと善悪の判断ができる子どもへ育てる一歩となります。
今回は、子どもの叱り方がわからないママへ、大切にしたい5つのポイントを紹介します。
子どもを叱る時は「感情的に怒らず、冷静に」
「“怒る”と“叱る”は違う」という話を聞いたことはあるでしょうか?“怒る”は単に「高ぶった自分自身の感情を爆発させること」に対し、“叱る”は「相手によりよい方法を教示すること」です。
子どもに対して「腹が立ったから大きな声を出した」というのであれば、これは“怒った”ということ、「その言い方は良くないよ」とアドバイスをしたならば、それは“叱った”ということになります。
子どもを叱る上で大切なのは、感情的に怒らないこと。
ただ大声で感情をぶつけるだけでは、子どもがどうして怒られているのかが分からないだけでなく、「気に入らないことがあれば大声を出せばいいんだ」という誤学習にもつながってしまいます。
あくまで冷静に、「ここが良くないね」「こうすればもっといいね」と改善策を伝えるようにしましょう。
【しかり方1】子どもを叱る前に共感ポイントを作る
突拍子もないように感じる子どもの言動も、ひとつひとつ理由があります。
- お友だちをたたいた→おもちゃを取られそうになった。
- 道路へ飛び出そうとした→興味を惹かれるものがあった。
- 家具に落書きをした→絵をみんなに見てもらいたかった。
表面的な言動の裏に隠れた、子どもの気持ちを考えましょう。
そこで「このおもちゃで遊びたかったのかな」「お花を見に行こうとしたの?」「本当にお絵かきが好きなんだね」と共感ポイントを作ると、子どもも「自分の気持ちを分かってもらえた!」と安心します。
共感ポイントを作ったうえで、「でもたたいたら痛いね」「道へ飛び出したら危ないよ」「お絵かきは画用紙にできる?」とアドバイスするようにしてください。
【しかり方2】叱るときはその場で、短く叱る
子どもは記憶力がまだ発達していません。「今は出先だから帰ってから叱ろう」「急いでいるから落ち着いてから注意しよう」と、叱ることを後回しにすると、子どもは忘れてしまっているでしょう。
なぜ叱られているのかが分からなければ、叱る意味が一切なくなってしまいます。
また、同じことで長々と叱ったり、「この前も…」と以前の話を持ち出したりすることもおすすめできません。「その場で、短く」叱るのがポイントです。
【しかり方3】叱り方に一貫性をもたせる
同じことをしても叱るときと叱らないときがあったり、泣いたときに「もういいよ」と許してしまったり、ママの叱り方に一貫性がないのは危険です。
落とし穴になりやすいのが、ママの心身に不調があったときの対応。
「虫の居所が悪くて、いつもより強く叱ってしまった」「体調が悪くてイライラしてしまった」ということが度々あると、子どもも「どうして叱られたんだろう」と不安に感じてしまうので、なるべく避けましょう。
同じように、夫婦間や祖父母間での対応差を小さくすることも大切です。「お友だちを傷つける行為は特に厳しく叱る」「失敗は責めない」など、ある程度の基準を設けておくことをおすすめします。
【しかり方4】緊急事態なら大声で叱ることも必要
いつも冷静に諭すことができるのが理想だと感じているかもしれませんが、「子ども自身やお友だちがケガをしそう」というような緊急事態には、大声を出したり、ときには手を上げたりすることも必要です。
極端に「叱る」ことを恐れたり、罪悪感を抱いたりする必要はありません。
それでも叱ることに抵抗がある場合は、叱る瞬間だけに注目するのではなく、一日をトータルしたバランスに目を向けましょう。
「一日中怒鳴り続けた」というのであれば、叱る効果も薄れますし、子どもの心も心配になります。
でも「楽しく遊ぶ時間もあった」「ハグでスキンシップを取れた」「一緒にご飯を食べている時間は笑顔だった」など、プラス面も総合して考えると、生活全体のバランスが取りやすくなるでしょう。
【しかり方5】愛情をもって叱ること
以上、子どもを叱るときに大切にしたいポイントを5つ紹介しました。叱り方に不安があるママはぜひ参考にしてください。
「いくら叱っても聞いていない感じがする」「少しの静止では効果がない」「コミュニケーションを取ること自体が難しい」などの困り感が強い場合は、市の保健士さんや保育所・幼稚園の先生に相談してみましょう。一人で抱え込まず、周りと協力することも大切です。
正しいタイミングで正しく叱ることは、愛情表現のひとつ。子どもの健やかな成長のため、間違っていることはきちんと伝えるようにしてください。
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