子どもがある程度親の言うことを理解できるようになったら「しつけ」の方法や考え方の壁にぶつかりますよね。
初めての子育てでは、しつけに関する疑問や悩みは尽きないものです。この記事では「しつけはこうするべき!」という指南ではなく、しつけについて家族みんなで考えるきっかけになるよう、お話をしていきます。
子どものしつけの定義、難しいですよね?
しつけの定義はとても難しいものです。家庭それぞれで大切にしたいこと、これだけは守ってほしいことは異なります。夫婦間でも、考え方の違いに直面することが多いのではないでしょうか。
しつけ、という言葉にはこのような意味があります。
・作法や礼儀を教えること
・裁縫で縫い目が狂わないように、ざっと仮縫いをしておくこと
こんな風に解説されています。
子どもに最低限の礼儀作法、マナーを教えること。
そして、子どもが迷うことがないように、方向を示してやること。
これが、本来のしつけの定義です。
現代は心の時代といわれています。世間でいわれるしつけの方向性は様々で、親御さん自身が迷ってしまうことも少なくありませんね。
しつけの方法や言葉の選び方も、親世代の私たちがされてきたものは、現代の子育てにはそぐわないと感じている方も多いのではないでしょうか。
子どものしつけが難しいと思ったら、この3つを考えよう
しつけ、という言葉は少し威圧的な印象を感じてしまいます。あまり堅苦しく考えず、最低限の「見守り」や「導き」という考え方をおすすめします。
ここでは、しつけが難しいと感じる方に知っていただきたいポイントを3つ紹介します。
子どものしつけはいつからするの?
礼儀作法やマナー指導は、言葉が分かるようになったらすぐにでも始めてください。
例えば…
・あいさつをする
・座って食事をする
・規則正しい生活をさせる
これは、立派なしつけです。
生後半年くらいから、教え始めることができます。教えるというよりも、生活の中で自然にやっていくものだと考えることもできますね。
私たちが、普段当たり前のようにやっている習慣や、大切にしている習慣などは、早くから一緒にやっていけばよいのです。
「1歳になったからしつけるぞ!」と意気込む人はいないはず。一緒に暮らし、一緒に毎日を楽しめるように、というスタンスでよいのです。
子どもの「しつけ」と「押さえつけ」を間違えていませんか?
あなたが思う、しつけとはどんなことですか?
いちばんやってはいけないこと、それは「しつけ」と「押さえつけ」を間違えることです。
親がやらせたいことをさせることと、子どもにしつけをすることは別物です。
また、叩くしつけも、押さえつけに繋がってしまうため、よい効果はありません。
あなたが「こうすべき!」と思うことが、必ずしも必要なしつけとは限らないのです。
例1:おもちゃの取り合いでのシーン
よく、公園や支援センターなどで目にする光景を例にとってみますね。
子どもが、お友達とおもちゃの取り合いをしたとき。
「〇〇ちゃん!貸してあげなさい!どうぞしなさい!」と、必死になってしまうお母さん。
みんなで仲良く、ルールを守って遊ばせるべきだという思いから発せられる言葉ですが、これはルールや平和に捕らわれて、子どもの心を無視したしつけになっている可能性があります。
例2:お着替えや歯磨きなど身の回りのこと
着替えや歯磨きなど、徹底して自分でできるようにさせたい!
そんな思いから「自分でやりなさい!」「自分でできないと、カッコ悪いよ?」
こんな風に、何でも自分でやることにこだわってしつけをしてしまうことも、多い例です。
お着替えや歯磨きなど、小さいうちから自分でさせるように習慣づけたいと思う親御さんは多いですよね。幼児教育の教材でも「自分でできたね!」というテーマは、2~3歳で登場します。
でも、この時期はまだまだ親に甘えたくて仕方がない時期。一切何もできないというのは困りますが、子どもの様子を見ながら臨機応変に対応しても全然かまわないのです。
それを「一貫したしつけをしなければ!」という思いから、子どもの甘えたい要求を見逃してしまうこともあります。
子どものしつけが難しいとき「家訓」を3つ決める!
最近の家庭では「家訓」なんていうものを作り、掲げている家庭はとても少なくなりました。しかし、子どものしつけや教育に迷わないためにも、この家訓を作ることをおすすめします。
例えば……
・危険なことをしない
・人を傷つける言葉を使わない
・食事のマナーは守る
この程度の、最低限での決まりでよいです。特に幼児期は、ガミガミと色々なことを教えても、できることはほんの少しだけ。子供の命や安全を守ること、コミュニケーションでやってはいけないことなどは、毅然とした態度で教えていきたいものですね。
また、食事のマナーは大切です。食事というのは、命をいただき、自分の命を作っていく大切なものです。感謝を込めて、行儀よく食べることを教えていくことは必要。
幼稚園や保育園などでも指導してくれることもありますし、幼児期はなかなか理想的な作法で食べることはできません。それでも、親が子どもの様子に注目して、声をかけるのは、家族の温かい食事風景には欠かせないものといえるのではないでしょうか。
内容はご家庭によりアレンジし、入れ替えてもよいですね。
大切なのは、あれこれ教え込むのではなく、これだけは大事だなと思うポイントを常に頭に入れておくということです。
子どものしつけは、大雑把でいい!
子どものしつけは、本当に難しいです。最低限でいいと分かっていても、思い通りにいかなかったり、主張が激しかったりすると、親も判断が鈍ってしまうものです。
子どもの怒り方に迷ったとき、しつけって難しいと悩んだときは、あきらめることも必要です。子どもは親から教わったことだけを材料にして成長するのではありません。自分で学んだり、感じたりしながら、色々なことを身に付けていきます。
しつけのために、家庭内の雰囲気が悪くなってしまわないように、意識してみてくださいね。
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