子どもの健康・発達

子供の自己肯定感を高める「褒め方」と「自己選択」

子どもの健康・発達
この記事を書いた人
鈴木 邦明さん【帝京平成大学 講師】

教育学を専門とする大学講師。22年間小学校の教員のご経験を活かし「小学校入学時に子どもが感じる不安と小一プロブレムの関連、小学校の学級経営のあり方」等の研究をされています。また自身での書籍出版や、All Aboutの「子育て・教育ガイド」、日経DUAL、リセマム 、ベネッセたまひよ、学研ママノートなど、執筆や取材協力など多岐にわたり、教育にまつわる情報を発信しています。

子どもの自己肯定感を高めることに関し悩みを持っている親も多いと思います。今回、子どもの自己肯定感を高める具体的な方法についてまとめました。

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子どもは褒めることで自己肯定感が高まる

子どもが自己肯定感を高めることを含め、様々な能力を伸ばす際、大きく2つのやり方があります。

1つは、叱咤激励をされながら成長していくというものです。「悔しさをバネに成長する」といった考え方です。もう1つが「褒めて伸ばす」という考え方です。

どちらのやり方もある部分では正しいということができます。ある子どもにとっては「叱咤激励」されるやり方が適しているかもしれませんし、ある子どもにとっては「褒める」やり方が適しているかもしれません。

ただ多くの子どもにとっては「褒めて伸ばす」というやり方の方が適しているのだと思います。

特にあまり自分に自信がないような子どもの「自己肯定感」を高めようとする場合には尚更です。

褒める部分を見つけることは少し難しい

「褒めること」が子どもを伸ばす(自己肯定感を高める)ことにつながるということは多くの人が知っていることだと思います。

けれどもなかなかそれを実行に移すことができないことには理由があります。とても単純なことで「褒める部分を見つけるよりも叱る部分を見つける方が簡単」だからです。

学校(教師)であれ、家庭(親)であれ、大人が子どもを見る場合、特に意識をしなくとも、子どもの問題点に気づくことができます。

例えば、家庭であれば「朝起きない」「朝の挨拶ができない」「食事を食べるのが遅い」「野菜を食べない」「学校に行く準備ができていない」などです。

意識しなければ、親は矢継ぎ早にこういったことを注意してしまいます。

子どもを褒めようとすると意識して子どもの様子を見ていかないとなかなか見つけることができません。子どもの良い方向への小さな変化に気づく必要があります。

先ほどの朝の家庭の例では「前日よりも数分早く起きることができた」「親に声を掛けられる回数が前の日よりも少なくなった」などです。

そういった良い方向への小さな変化に親が気づき、反応したということは、子どもは嬉しいと感じるはずです。次からもしっかりとやっていこうという気持ちになることが多いでしょう。

褒めることができる状況をあえて作る

私が小学校の教員時代よくやっていたことが「子どもを褒めることができるような状況を作る」ということです。

先ほども書いたように「褒める」ことは少し難しいという面があります。それなので、こちら(大人)が、子どもを褒めることができるような状況を作り、子どもを褒めるというものです。

これは親が家庭でもすることができるものです。多くの親が「叱る」ことよりも「褒める」ことの方が子どもにとって良いことでありそうだということは分かっています。

けれども、日々の生活の中では、子どもの目に付いてしまうような叱るべきことに目が行き、つい叱ってしまいます。そういった状況にある親こそ「あえて褒めることのできるような状況と作る」ということを勧めたいです。

そうやって子どもを褒めることを続けていくと、親も褒めることに慣れてきます。以前よりも子どもの良い部分に目が向くようになっていくことが多いです。

子どもは褒められることで情緒が安定します。自己肯定感も高まっていきます。

さらに自己肯定感を高めるためには「自己選択」をさせていく

さらに自己肯定感を高めていくには「自己選択させること」が良いです。自己選択させるものについては、その子どもの人生を左右するような大きな選択(進学先など)である必要はないと私は思っています。日々の生活の中にある小さな決断で良いのだと思います。

ただ、選択の結果によってはうまくいかないような場合があるものの場合は、自己肯定感が高まっている人にオススメです。

あまり自己肯定感が高まっていない状況では、自分で選択したものがうまくいかなかった際、それによって自己肯定感が下がってしまう場合があります。

ある程度、自分に自信がある(自己肯定感が高まっている)から上手くいかなかった場合も受け入れることができるようになります。

自己選択させた時には、自分で選択したことを褒めることがまず大事になります。そして、「失敗からも成功からも学びがある」ということを伝えておくと良いです。

本当は、失敗から学ぶことの方が多いのだと思います。うまくいったことも、うまくいかなかったこともきちんと評価し、褒めてあげることで、それが次につながっていきます。

親の意識が大事

これまで書いてきたように、自己肯定感を高めるためには、まず「褒めること」が大事でしょう。特にあまり自己肯定感の高くない子どもには尚更です。次のステップとしては「自己選択をさせること」でしょう。

「褒めること」も「自己選択させること」もどちらも親がそれらを意識してやっていくことが大事になります。そういった日々の積み重ねが子どもの自己肯定感を高めること、そしてより良い育ちへとつながっていくのだと思います。

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