育児と向き合う

家族はシステムです!夫婦関係や子育て状況の仕組みを見える化してみよう

育児と向き合う
この記事を書いた人
夏野 新さん【心理カウンセラー】

虐待防止や家庭環境についての専門家。心理カウンセラーの資格を活かしながら「妊娠、出産、育児」といった女性向けのサポートをするための情報を発信しています。2児の子どもを育てながら、2019年には自身の書籍「世界が変わる! アダルトチルドレンの自己観測」を出版し、悩みを抱えるご家庭への問題解決に尽力しています。

家族というものに、あなたはどんなイメージをもつでしょうか。きっと「家族ってこういうもの」「家族だから言わなくてもわかり合えている」という、漠然とした捉え方をしている方も少なくないと思います。

恋愛をし、紆余曲折を経て結婚し、子どもが産まれ「なんとなく、家族という形になった」という感覚の人も、いるかもしれません。

しかし、家族関係や子育てをよりよくしていきたい、自分自身がよりよく生きたいと考えるのであれば「なんとなく」でも「家族ってこういうもの」という漠然とした理想像だけではうまく実現できません。

この記事では、家族に関する漠然としたイメージを取り払い、子どもを健全に育てられる家族システムとして関係構築をしていく考え方についてお話します。

家族を「システム」「組織」だと考えると楽になる!?

あなたは家族というものを、機能をもったひとつの「システム」であると考えたことがありますか?

人の性格や育った環境、価値観といったものは目に見えません。目に見えないものをたくさん抱えている人間同士が集まって、家族というコミュニティを作っていますよね。

目に見えない部分が多いからこそ、わからないことが多い。漠然と、時間に追われながら日々を過ごしてしまう……ということも往々にしてあります。

日々の生活の中では「忙しい夫には頼ることができない」「祖父母との関係が悪いので助けてもらえない」など、家族機能の詰まりが生じていることも少なくありません。

母親自身が頑張りすぎてパンクするような状況、夫婦の仲が悪くケンカが絶えないような状況は、家族のシステムが機能していない状態といえるでしょう。

機能不全家族という言葉

機能不全家族(機能不全家庭)という言葉を聞いたことがある方は多いでしょう。

しかし、この言葉を知っていても、それを自分自身の家庭にしっかりと当てはめて考え、夫婦生活や子育てをしているか?と問われると、疑問が残るかもしれません。

私自身「家族が適切に機能している」という実感をもつまでに、だいぶ時間がかかったように思います。

子どもを健やかに育てるためには、夫婦や祖父母など周囲の関係性がしっかりと循環していて、詰まりのない状態を作る必要があります。

子育てや夫婦関係で悩んでいる人は、一度頭に思い描いている家族のイメージを捨てて「システム」や「組織」というものに変換して考えてみてください。

機械のどこかに不具合があるとわかったとき、あなたはどうしますか?当然、修理するか新しいものに買い替えるなどの措置をとると思います。

しかし、これが家族というものになるととたんに「しかたない」と目をつぶってしまったり、我慢したりと現状をそのままにしてしまうことがあります。

企業でも同じようなことが起こりますが、会社という組織の場合は改善提案を繰り返し、社内の生産性が上がるように施策を考えますよね。

このように、家族というものを漠然としたイメージではなく「システム」として捉えることで、結果的にそこにいるみんながストレスなく、快適に過ごせるようになっていきます。

家庭をシステムとして捉えることによって、言いにくい提案や指摘、助けを求めることなどもしやすくなる側面があると感じています。

家族をシステムと捉えると、各々の意識が変わる

家族をシステムと捉えると、お互いにべったり依存してしまったり、逆に離れすぎてしまったりすることも減ります。

機械の部品を想像してみてください。どこかひとつの調子が悪いと全体の「動き」「機能」には影響を与えるかもしれませんが、他の部品そのものは独立していて無関係です。

これは家族にも同じことがいえます。子どもが言うことを聞かないことで家族の生活は停滞したり、ストップしたりするかもしれませんが、各々に直接影響を与えるわけではありません。

妻や夫がイライラしていると、確かに一時的に家庭の雰囲気は悪くなるかもしれません。しかし、それぞれは別の人間です。引っ張られ、一緒に引きずられる必要はありません。

システムの一員としてできることがあればする。自分にできないことは、周囲の人やサービスに頼る、相談する。

こんな風にさまざまな方法を考えたり、新しい発想が生まれやすくなったりするのです。それぞれがシステムの中の一員であり、各々に協力し合うというイメージも湧きやすいのではないでしょうか。

夫婦はチームのリーダー

夫婦は、家族システムの中では「リーダー」です。家族のリーダーは夫婦ふたりであり、どちらが上でも下でもありません。

また、祖父母はチーム外の人ですので、助言やサポートをすることはあっても「権限」はありません。

子どもも、チームの一員です。リーダーはお父さんと母さんなので、子どもの要望やわがままをすべて聞き入れる必要はないという線引きもしやすくなります。

また、リーダーはあくまでも家族という組織をまとめるための人材です。子どもである下の人間の意見に耳を貸さず、一方的に支配するようなことがないように気をつける意識も働きます。

家庭の事情は年齢や必要性に応じてしっかりと説明し、納得してもらうという大切なコミュニケーションもとりやすくなるでしょう。

また、リーダー同士は会議をすることも必要です。報連相を行い、意思の疎通が図れていることや、チームの方向性を相談して意見一致しておくことも必要だとわかるのではないでしょうか。

家族システムは「構築」するもの

家族とは、決して「なんとなく」でうまく回るものではありません。機械システムや企業経営と同じように、きちんと仕組みを作ることが必要なのです。

対人間であると思うとなかなかできないこと、言えないことも、こうして一つのシステムであることを理解すれば、伝えやすくなったり、伝え方を工夫したりできることもあります。

また、家族というシステムを構築するためには、それぞれの人を観察、分析し、共有することも必要です。

すぐに結果が出るものではなく、正解も不正解もないプロジェクト。しかし、自分の人生や子育てを納得できるものにしていくためには、人間関係や家族関係を「見える化」しながら考えていくことも重要なのではないでしょうか。

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