シンプルな子育てから見えてくる『本当の温かさ』

シンプルな子育てから見えてくる『本当の温かさ』

シンプルライフや持たない暮らしといった「物を減らして、心の余裕を保つ」という考え方が広まっています。

「シンプルに暮らす」というワードが注目される中「なかなかできることじゃない」「私には無理」としり込みしてしまう方も多いでしょう。でも、シンプルな暮らしや考え方は、やればやるだけ心が温かく、豊かになります。そして、それは子育てにも素晴らしい影響をもたらしてくれます。

この記事では、子育てに「シンプルな暮らし」がどのように作用するかをお話していきます。

物が増えていませんか?浪費は不安やストレスの現れ

やたらに物が増えるのは、不安やストレスが溜まっていることの現れといわれることがあります。余計なお金を使ったり、物を買い込み過ぎたりするのは、一種の「癖」だと考えられています。

癖は無意識のものですが、そこには不安やストレスを、物の購入や浪費で埋めようとする心理が隠されていることもあるのです。

ストレスからくるお金の使い方や物の買い方には、このような傾向があります。

  • 食材を買い込んで腐らせてしまう
  • 洋服を次から次へと買いたくなる
  • 既に持っている物の存在を忘れて、新たに購入してしまう
  • お金があったら、あっただけ使ってしまう

習慣になってしまうと、なかなか抜け出せないもの。さらに、自覚がないままこうした生活スタイルとなっているのも見逃せません。

必ずしもすべてを否定することはできませんが、物の多さやお金の使い方と「心」は直結している場合があるのです。そして、親のこうした生活の癖は、子育てにもダイレクトな影響を与えていきます。

子育てや暮らしの中に「うまくいかないこと」があるときは、シンプルな暮らしの考え方を学んでみるのも、ひとつの解決策となるでしょう。

シンプルな暮らしと、子育ての関係

シンプルな暮らしを目指すことで、どのようなよい影響がもたらされるのでしょうか。物、お金、時間、心、子育ての連動をご説明します。

ものが減ると出費が減る

物を減らすと、出費が減ります。例えば、家に物があふれていると「既に持っている物をまた買ってしまう」ということがよく起こります。買い物に行った先でも「これ、持っていたような気がするけど、とりあえず買っておこう」なんて思ってしまうことはないでしょうか。日用品や食料品は「なかったら困る」という焦りや不安から、必要以上に買い込みすぎることがあります。

また、女性の場合ファッションや子供服の購入時にも、同じ現象が起こりがちです。流行の服や、同じようなデザイン、柄の洋服をいくつも買ってしまう人は少なくありません。セールで安くなっていると「今買わないと損だ」という感覚に襲われしまうことも。結果、持っている洋服をすべて把握できない状態になり、買ったことすら忘れてしまう場合も。

家にある物を把握して、必要のない物は捨てる。ベースラインをシンプルにすることで、買うべきものと買わなくていい物がはっきりとわかるようになります。すると、必然的に無駄な出費が減っていくのです。

物が減るとムダな時間も減る

家の中にあるものが少なくなると、無駄な時間も減ります。人は、1年間で150時間を「探しもの」についやしている……という話を耳にしたことがありませんか?

自分の1日を振り返ってみても「あれはどこにやったっけ」「あれ、前に買っておいたはずなんだけど……」と探すシーンを思い出します。物が多ければ多いほど、探しものに費やす時は増えます。

子育て中の家庭では「お母さん、〇〇どこにある?」「〇〇のおもちゃがない!」などと、探しものをするシーンはもっと増えるわけです。それに対して「きちんと片付けしてよ!」「また失くしたの?」とイライラするというパターンも、ありがちです。

子供のおもちゃや洋服、学用品なども与えすぎると生活が複雑になります。シンプルな暮らしは、時間のロスからくる『親子の衝突』を減らすことにも繋がるのです。

シンプルな『もたない暮らし』で心に余裕がうまれる

物の多い時代だからこそ、子供にも「物を手に入れることだけが幸せではない」と教えていくことが必要です。

新作のゲーム、話題のおもちゃ、流行のキャラクターなど、そういったものを「欲しい」と思う気持ちは当然です。しかし、与えてあげることが親の愛情ではないということをしっかり伝えたいですよね。そのことをしっかり伝えるためには、やはり『親自身の信念』や『大事にしたいこと』をより明確にしておく必要があります。

おもちゃや物は少なくても、親子で話をしたり、笑ったりする時間にも大きな「価値」があるのです。ただ、このような『親子の時間』を意識的に作るためには、親自身に時間や心の余裕がなければなりません。物質的、金銭的なシンプルさだけでなく、親自身がシンプルで自然な考え方を身につけていくことも重要ではないでしょうか。

シンプルな考えからできる『親子関係』の提案

『シンプルな子育て』に関して、私が常に実践していることや、心に置いていることが3つあります。『物』に執着しないことで、親子の関係はより温かく豊かになるのです。

1.子供の物でいちばん増えやすい「おもちゃ」との付き合い方

『子供の遊び』や『親から子への遊びの提案』を振り返ることが重要だと考えています。子供は本来、おもちゃがなくても遊べます。

現代は、おもちゃの種類や価格も変化し、ムダなおもちゃで溢れかえっています。ファーストフードを頼めば、おもちゃが付いてくる。お子様ランチにもおもちゃ。行く先々で目に留まる「ガチャガチャ」。おもちゃのショップでは、ワゴンセールで投げ売られているおもちゃもあります。

誕生日やクリスマスには「そこまで欲しくないけど、イベントだからおもちゃを買う」というケースも少なくありません。既に物質的に満ち足りているのに、形式的におもちゃを選ばせている家庭は少なくないはずです。

これでは、買ってもすぐに飽きてしまったり、大事にしなくなったりするのは当然。しかし、そんな様子を見て親たちは「せっかく買ったのに」「物への感謝がない」と憤りを感じることもあるでしょう。しかし、これだけ安価で多様なおもちゃが買える時代ですから、それはもう当然のことなのです。

常に親が「こんな遊びはどうだろう?」という提案をしていくと、子供は喜んで熱中します。一方で「忙しいから、勝手に遊んでいてよ。」というスタンスだと、子供は物やゲーム、テレビなどに頼るようになるのです。

トランプひとつあれば、親子で1~2時間くらい遊べます。要らない牛乳パックや新聞紙で工作を始めると、時間はいくらあっても足りません。多くの方がそれをわかっているはずですが、心の余裕や時間的余裕のなさから「わかっているけど、実際なかなかできない」のが現状ではないでしょうか。

2.日常の中に『引き算の遊び』を

特別に『親子の遊び時間』を設けずとも、日常の中に親子の時間は散らばっています。例えば、お風呂の湯船の中、食事中、ちょっとした会話のやりとり。この中に、引き算の遊びをプラスしていくと、子供はすごく喜びます。

例えば、我が家では『最初にしゃべった人が負けゲーム』や『英語しかしゃべっちゃダメゲーム』を突然始めます。お風呂に入りながらでも、自分が家事をしながらでもできる、物を何も使わない遊びです。

10歳の上の子も大喜びで参加してくれ、お腹を抱えて笑うこともあります。遊びとは『何かを使って、何かをするもの』という感覚を捨てることも重要です。それぞれの、頭と心だけを使った『引き算の遊び』です。

また、食事のときに部屋の電気を消して、非常用ランタンだけで過ごす『キャンプごっこ』も子供たちに好評です。普段の食事を、ただ暗い中でするというシンプルなもの。子供たちはいつもと違った雰囲気にワクワクするようで、大騒ぎして喜んでくれます。食事だけでなく、布団の中にもぐり、LEDランタンを点けて絵本を読むことも。

子供は本来、すごくシンプルなことで喜んでくれるものなのですが、大人自身がそれを忘れがちだというのも強く感じることです。大人の「こうあるべき」「こうしなきゃ」という思い込みを一度取り払うと、子育てを楽しむ方法は無限に見つかると考えています。

3.子供服は、その家の価値やランクを示すものではない

子供服は「その家庭の価値やセンス、またはランク」を示す物であるかのように錯覚しやすい物だと感じます。

大人顔負けのファッション、人気子供服ブランド、親子や兄妹のお揃いコーディネート……。もちろん、そういったおしゃれが自分たちの生活を充実させてくれる要素になることも。

しかし、動きやすくて汚れてもいい服、汚れが落ちなければすぐに処分してもよい服。そんな基準で子供服を選ぶことも、子供におしゃれをさせるのと同じくらい『素敵な親心』です。

子供服は、正直上下3セット程度あれば普段の暮らしには困りません。おしゃれなデザインの服を用意しても、子供自身が「着心地がよくない」と言ってほとんど着てくれないこともあります。子供自身が自分でおしゃれに目覚めるまでは、お下がりの服でもプチプラの地味な洋服でもいいのです。子供におしゃれをさせることと「子供を大切にしていること」はイコールではありません。

シンプルを突き詰めていくと、家庭の温かさが残る

シンプルな暮らし方や考え方を突き詰めていくと『温かさ』が残ります。

子育てでいちばん大切なのは、物や家、車などの『外から見えるもの』を増やすことよりも、親子の心がどれだけ通じ合ったかだと考えています。しかし、そうした心のつながりは誰にも見えません。つまり、他所の家庭や先生からは評価されないこともあるのです。

それでも、自分自身が「私は子育てを真剣にやっている。」と思えていればいいのです。これを突き通すには、他人の目や評価を気にしない強い心が必要なこともあります。

シンプルな暮らしは、一見軽やかでさわやかな雰囲気に思えるかもしれません。しかし、本当は『芯の強さ』が必要なのかもしれません。ただ、それと同時に本当の温かさを実感したり、気づいたりすることができる。これからの時代に必要な『子育ての基盤』となるのではないでしょうか。是非とも、多くの方に自分なりのシンプル育児を探してみてほしいです。