共働き家庭の増加や核家族化に伴い、家事や育児にかけられる時間はどんどん少なくなっています。子どもへ手作り品を用意したいと思っても、なかなかそうはいかないこともあるでしょう。
「手作り品=愛情」というイメージを捨てようという考えもあり、それも間違いではありません。
ですが、ほんの少しでも時間が取れるなら、子どものために手作り品を用意してみませんか?今回は、手作り品のあたたかみで伝えたい、子どもへの愛情についてのお話です。
幼少期のあたたかい経験として
どんなものでも簡単に既製品が手に入る現在、手作り品はどんどん少なくなっています。
裁縫が苦手だったり、裁縫をする時間がなかったりする人も多いので、当然の流れと言えるでしょう。保育園や幼稚園で細かなサイズが指定された手提げ鞄を用意しなければならないと言われれば、批判が集まることさえあります。
ところが、自分の幼少期を振り返ったとき、そこに母の手作り品があったという人も多いはずです。忙しい家事の合間に作ってもらった手提げ鞄、少しいびつなマスコットやティッシュケース、ビーズの小物や刺繍など、人によって思い出の品も様々なのではないでしょうか。
大人になったとき、幼少期の手作り品を思い出せば、同時にお母さんの笑顔や楽しい思い出も一緒によみがえってくるような気がします。
子どもにとっての手作り品も、それと同じあたたかみを伝えることができます。お母さんが作ってくれた手提げ鞄を持っての登園・登校、仕立ててもらった服を着てのお出かけなど、子どもの思い出の片隅に手作り品があれば、思い出がより色鮮やかになるでしょう。
物を大切にする気持ちを育む
手作り品は、作る過程や完成までにかかった時間を目の前に感じることができます。
苦労して作られた手作り品を身に付けることで、物を大切にする気持ちを身に付けることができます。
ママ自身も「大切に使ってほしい」という思いがありますから、乱暴に扱わないように目をかけたり、注意したりするようになるでしょう。
また、手作り品であれば、壊れたからといって簡単に買い替えるのではなく、修理して使い続けることができます。小さくなった服を仕立て直したり、リメイクしたりしてさらに長く使うこともあります。
このように、ひとつの手作り品を長く使い続けることで、物を大切にし、愛着をもって物を扱う気持ちを育むことができるでしょう。
子ども自身がモノづくりを好きになるように
ママがモノづくりをしていると、その姿を見て育つ子どもも自然とモノづくりに興味をもつようになります。
「ママが作ってくれたもので自分が幸せな気持ちになったように、自分もモノづくりを通して誰かを笑顔にしたい」と思ってもらえたらとても嬉しいです。
小学生になったら針と糸を使って簡単ななみ縫いができるようになりますし、高学年になれば学校でもミシンの使い方を習います。
中学生や高校生になると、簡単な鞄や服であれば自分で作ってしまうような子どももいます。自分で作りたいものから作り方をイメージする難しさや、作る手順を調べ、失敗しながら上達する喜びを感じられるでしょう。
手芸や工作などのモノづくりは脳の発達にとても良いと言われています。指先を使うことで運動野が刺激され脳を育てる他、全体の完成をイメージしながらひとつずつの作業を進める「同時処理」の能力、自分の世界観を表現する感性など、モノづくりには様々な恩恵があります。
子どもが自然とモノづくりに興味をもてるような環境を用意できるのも、手作り品の魅力です。
かけた時間やクオリティは問題ではない
そうは言っても、手作り品を用意するだけの時間や知識がなくて不安に思うママも多いでしょう。
確かに、鞄や服を作ろうと思うと、型紙や生地の準備も大変で時間がかかりますし、ある程度の知識や経験がないと完成まで至らないこともあります。
せっかく子どもへの手作り品を用意しようと思っているのに、途中で挫折してしまうことは避けたいものです。
そんなときは、まずは簡単な裁縫からチャレンジしてみましょう。既成品のシャツにワンポイントになるようなワッペンを付けたり、ハンカチに名前を刺繍したりするのはどうでしょうか。
ワッペンを付けるだけなら10分もかかりませんから、「やってみようかな」という気持ちになる人も多いのではないでしょうか。
子どもへの手作り品を用意するのに、かけた時間やクオリティは問題ではありません。「ママが自分のために作ってくれた」それだけで、子どもにとっては素晴らしい経験になるはずです。
忙しい毎日だからこそ、手作り品であたたかみのある生活を
今回は、手作り品の温かみで伝えたい、子どもへの愛情についてのお話でした。
無駄を省き、機械に頼り、なんでも時短で効率化を目指す現代社会。そんな忙しい毎日だからこそ、あえて少しの手作り品で生活にあたたかみとゆとりを作りませんか?
無理のない範囲で、やれそうなことからチャレンジしてみると、また新しい世界が広がるかもしれません。