子どもの健康・発達

毎日思い通りにならないと泣く4歳…苦しい体験で見つけた解決策は?

子どもの健康・発達
この記事を書いた人
いしみほ さん【育児コラムライター】

社会福祉学を専攻し、保育士・幼稚園教諭の資格を持つ育児コラムライター。社会福祉学部では「家庭環境ごとの子どもへの支援の必要性」や「北欧各国の福祉と教育」を学んだ知見を活かしコラムを執筆。2人のお子さんを育てながら、執筆の他にハンドメイド作家(タティングレース、イヤリングなど)としても活動中。

「幼稚園から帰ってくるといつもグズグズと泣く」
「スーパーで自分が好きなお菓子を買わないと泣き喚く」
「スマホの動画を止めると癇癪を起こす」

魔の2才児を乗り越えて落ち着いてきたかなと思ったら、4歳頃になって思い通りにならないと怒ったり泣いたりする場面が増えてきた…と思い悩むお母さんは珍しくないものです。

実は保育士資格を持つ私も4歳の娘の「思い通りにならないと泣く」という行動にとても悩まされました。

今回は苦しかった筆者の実体験となんとか見つけた解決策をお話したいと思います。

毎日手がつけられない…保育士も悩んだ泣き喚く日々

筆者がこの行動を実際に経験したのは今から半年前くらいのことです。4歳になった娘は幼稚園生活にも慣れ、友達にも馴染み、毎日楽しそうだったのですがこの頃から気になる点がありました。
それは「自分の思い通りにならないと泣く」という行動です。

挙げだしたらきりがないのですが、例えば、

  • 幼稚園から帰ってくるとグズグズとし、放っておいても話しかけても泣く
  • 「公園に連れてって!」と強く主張し、今は無理だと言うと泣く
  • 「お風呂の時間だよ」と言っても遊びを止めたくないと泣き、仕方ないので「準備してくるね」というと号泣
  • 子どもが想定していたものと出したおやつが違うと泣く
  • 「遊んで遊んで」と強くせがみ、自分がやりたい遊びと違うと「違う!」と怒って泣き喚く

といった行動です。しかも2歳のイヤイヤ期と違い、4歳にもなると手足を動かす力も強く、泣き声も大きく、何十分も泣いていることもざらなので筆者も困り果てて、イライラが止まりませんでした。

特に私よりも主人に対しての主張が強く、休みの日には四六時中泣き喚いているようなこともよくありました。

毎日思い通りにならないと泣くので精神的にキツイ状態に

幼稚園生活も比較的落ち着いてきたなと思ったころにやってきた娘の行動は、下の子のイヤイヤ期とも重なったことで筆者にはかなり辛いものでした。

4歳頃の「思い通りにならないと泣く」という行動は成長の一貫だと分かっていても、実際に体験すると自分の主張を泣き落とそうとするワガママではと感じることばかりでした。

特に下の子と違って4歳になって言葉の理解も進んでいるのに、何度説明しても泣き喚くことを止めてくれない娘の姿に私はどんどん疲れていきました。

時には娘を見るのも嫌になるほどイライラし、遊びの相手をするのも億劫で、近寄ってきても「乗らないで」「あっち行って」と離れたり、甘えてきても全く可愛いとは思えませでした。

とはいえ、主人は毎日仕事で忙しく、親族も遠方で頼れず、誰に預けることもできず精神的に辛い状態が続きました。

幼稚園でも大変なことが起きていた

それでもなんとかしんどさを騙しながら毎日を過ごしていた時、ある日ちょっとした用事で幼稚園に電話をする機会がありました。 すると担任の先生から深刻なトーンでこう切り出されました。

「Aちゃん(娘)が最近、お友達と上手く遊べないんです。」

聞けば娘はここ1ヶ月、友達が遊ぼうと言ってくれても応じず、誰かが近づいてくると「あっちいって」と冷たく突き放し、自分より弱い子に対して強く出るというような問題行動が非常に目立つということでした。

子育てを始めて一番大きな苦しさ

一学期も二学期も友達と楽しく遊べ、誰とでも仲良くできていると聞いていた娘がそういった状態になっていると聞き、私は追い込まれてしまいました。

“私のせいでAちゃんがおかしくなってしまったのかな…母親失格だ”
“でも自分の時間を削って毎日過ごしているのに、ずっと泣き喚かれて一体これ以上どうすればいいんだろう” という感情が頭の中をグルグル回っていました。

気付くと私は二人の子ども達を抱えたままソファーでボロボロ泣いていました。子ども達は心配して、何時間も遊ぼうともせず、私を気遣って頭をなでたり、ぎゅっと抱きついたりしていました。
泣き続けた結果、もう自分だけではどうしようもないと悟り、仕事中の主人に「助けてほしい」と連絡しました。

夫婦で振り返った育児の「負のサイクル」

先生と電話をした夜、私は主人と最近の娘の育児を振り返りました。

私は娘が可愛いと思えないほど追い込まれ、自分の時間がない上に、下の子の育児で夜に眠れなくてストレスが溜まっていたことを話しました。

主人も最近は娘が非常にワガママに思え、休みの日に遊ぶことが億劫で、遊ぶ時やお風呂の時に声を荒げることも多かったと話してくれました。

二人で話し合った結果、娘は家での私たちの対応で幼稚園でも問題行動が多くなり、友達とも上手く遊べず、家でも幼稚園でもずっと𠮟られている状況だと気付きました。

そして、二人でできるだけ娘が毎日を楽しく過ごせるように対策を考えることになりました。

「思い通りにならないと泣く」4歳の娘に私たち夫婦が実践した解決5つ

主人と話し合い、「娘はどうして思い通りにならないと泣くのだろう」と二人で考えました。

そして4歳になって自分でできることは増えてきて言葉もしっかりしているけれど、「私のことを見て欲しい」という感情が一番大きいだろうという推察に至りました。

そこで、以下のような方法を試すことにしました。

(1)話すときは娘の話のカウンセラーになる

今まで私は娘と話すことがあっても、結論を聞き「じゃあ、こうしたら?」という提案をするようなことが多くありました。
ですが、それでは「娘が自分の気持ちを表現できない」ということで話の聞き方を根本的に変えました。

<以前まで>

娘:「今日、Yちゃんと遊んで楽しかったの」
母:「そっか良かったね」「明日も幼稚園楽しみだね」

<カウンセラーの聞き方に変更>

娘:「今日Yちゃんと遊んで楽しかったの」
母:「へぇー、Kちゃんと遊んですごく楽しかったんだね」
娘:「そうなの、お人形とおままごとしんたんだよ」
母:「おままごとって楽しいよね」
娘:「うん、そうなの。幼稚園には○○があってね…」

簡単に言うと、しっかり聞くということなのですが、私はとにかく「自分の言葉を慎むという」感覚で取り組みました。

時には友達を傷つけたり、傷つけられたり、親として一言言いたくなるような場面もありましたが、とにかくグッと堪えて娘の言葉に耳を傾けるようにしました。

(2)子どもを撫でながら「お母さんは~なの」と主語を意識して話す

以前の私はお恥ずかしいながら、何度も何度も同じことを説明すると声を荒げてしまうようなことが多くありました。特に子どもがグズグズ泣くようなことがあると非常にイライラが募ってしまう人間でした。

そこで、娘がグズグズと言い出したら娘の頭や背中を撫でて話すようにしました。出来る限り柔らかく、落ち着いてとにかく声を荒げないように気をつけました。

子どもの要求を全て呑むことはできないので「お母さんは今とても疲れているから一人にしてね」というように娘の行動を怒るのではなく、“私はこう思っている”という気持ちを表現するようにしました。

(3)どちらかがヒートアップしている時はすぐに離れる

それでも娘が泣き喚いてしまう時や、私のイライラが爆発しそうな時は「一時休戦」として距離を取りました。

基本的には私が娘のいる部屋を離れましたが、私が料理をしていてその場を動けないなど、どうしようもない時は娘を隣の部屋に移動させて、泣くのが落ち着くまで何もしないようにしました。

娘は泣き喚いてそのまま寝てしまうこともありましたが、眠い途中で無理矢理話しても上手くいかないのでそのまましばらく寝かせました。

起きてきたら意外とすっきりしていて「さっきは怒ってごめんね」と声をかければ「いいよ」とあっさり仲直りできることもありました。

(4)先生に今の子育ての状況を正直に話す

家庭の良くない状況を話すというのは私にとってはかなりハードルの高いことでした。幼稚園で起こったことを含めて、親がなんとかしなければと思っていたからです。

ですが、「ただ友達を困らせる子ども」という状況よりも「今理由があって友達に優しく出来ない子ども」である方が先生から理解を得られると思い、思い切って今の状況を手紙にして渡しました。

後日、先生から電話があり「お手紙ありがとうございました。ご家庭の状況が分かり、私たちもAちゃんの気持ちを少しでも受け止めていきたいと思います。」と家庭の状況に理解を示して下さいました。

(5)母と娘、父と娘など二人きりの時間を作る

思えば下の子が生まれてから、我が家では上の子と二人きりという時間はほとんどない状態でした。

娘が熱を出した時も、歩けない下の子を抱っこしながら病院に行き、しんどくても抱っこがしてあげられなかったこともありました。主人が休みの日も子ども達を二人とも連れ出すというのが日課でした。

娘はまだまだ甘えたかったであろう2歳半の頃から、二年近くいつも下の子がいる状況で過ごさなくてはいけなかったのだなと改めて思いました。

そこで、主人がいる日は意識して娘と二人になる時間を過ごすようにしました。

二人で過ごすようになってから、娘も一対一なら思う存分甘えることができとても幸せそうな顔をするようになりました。

行動して二ヶ月経った今の状況は…

上記のような行動を起こし、現在約二ヶ月が経ちました。娘は以前よりずっと笑顔が増え、弟にも優しくなり、グズグズや癇癪がかなり減りました。

もちろん大泣きしたり、癇癪を起こしたりすることが完全になくなったわけではありません。でも、感情が落ち着いてくると「~で悲しかったの」「~で寂しかったの」と言葉で説明できることも増えてきました。

幼稚園での状況も心配でしたが、先日になって担任の先生から「あれからずいぶん変わって、お友達と楽しく遊べるようになりました」と電話をもらい、涙が出るほどほっとしました。

私の方は相変わらず毎日が大変ですが、怒る回数を極端に減らしてみて“4歳でもちゃんと分かってるんだな”と気付きました。

「お片づけしなさい」と言わなくても気付いたら片付いていたり、「テレビを消しなさい」と言わなくても時間になればスッと消したり…もっと子どもを信頼しても大丈夫だと率直にそう思いました。

問題が起こったから親子で成長できた

今同じような状況で悩んでいるお母さんはとても辛いと思います。私も実際とても辛かったですし、精神科に通うべきか真剣に悩むほど苦しんでいました。

ですが、今回の状況を乗り越えて私は「問題が起こったから親も子どもも成長できた」のだと思えました。

友達に冷たい態度を取っていた娘は苦しかったと思いますが、気持ちの伝え方がとても上達しました。

不思議なことに幼稚園で友達と上手く関われない1ヶ月で娘は驚くほど絵が上手になりました。内向的になったことが全て悪かったわけではありませんでした。

私も子どもや周りの人の力を信頼し、協力して努力すれば辛い状況は変えられるのだと経験できました。

子どもに何か問題が起こるとお母さんは自分を責めてしまいがちになります。
ですが、問題を乗り越えた後は必ず親も子どもも成長できます。どうか気負いすぎず、子どもの力を信じて乗り越えていって下さい。

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