育児と向き合う

育児中の「夫の自由がない」。お互いストレスなく過ごす方法

育児と向き合う
この記事を書いた人
夏野 新さん【心理カウンセラー】

虐待防止や家庭環境についての専門家。心理カウンセラーの資格を活かしながら「妊娠、出産、育児」といった女性向けのサポートをするための情報を発信しています。2児の子どもを育てながら、2019年には自身の書籍「世界が変わる! アダルトチルドレンの自己観測」を出版し、悩みを抱えるご家庭への問題解決に尽力しています。

育児中のお母さんには自由がないというのは、もはや言うまでもないほどに問題視されていること。
一方で“夫の自由”が減っている家庭も増えているのが現状です。

お母さんの育児負担が増えないよう、夫婦で一緒に育児をすることは大切ですが、その裏で夫であるお父さんの自由が減ってしまうのはフェアとは言えません。
なぜ夫の自由が奪われるのか、そしてそれを改善するためにとても大切なことをお話します。

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育児負担で自由がなくなり、ストレスを抱える夫たち

家事育児へ積極的に参加する男性が増えている一方で、仕事+家事+育児をこなすことを余儀なくされる現状があります。

最近では、母親の孤独な育児環境が原因となって、幼児虐待や産後うつなどの社会問題も大きく取りざたされるようになりましたよね。
そのため、男性が家事や育児に参加することはもはや当たり前。
女性を敬い、率先して家仕事や育児をすべきという考えが浸透しています。

しかし、だからといって仕事に出て家計を支えている男性の仕事時間が自然と減ってくれるわけではありません。男性の育児休暇取得はまだまだ十分とは言えず、仕事と家事、育児の両立でストレスを抱えてしまう方が増えるのは、さらなる問題を増やすことにもなりかねません。

そこで大切なのは…

・夫婦間の十分な意思疎通
・育児スタイルの客観的見直し

どうしても目の前の生活を考えると、夫婦の対話や客観的な視点が失われます。
じっくり話し合う機会や、生活スタイルを見直す時間が持てないと、夫婦間での心のすれ違いが生じ、お互いにストレスを溜め込んでいくという悪循環に繋がってしまうのです。

自由時間な時間が欲しいという思いや、そのストレスを抱えていても時間は有限です。この問題を解決するには、やはり妻側に現状や思いを理解してもらう以外に方法はありません。

夫の育児ストレス解消も大切!夫婦でできる改善策とは

どちらかが一方的に負担を抱え、ストレスを溜め込まないために、まず以下の2つのことを頭に入れて、向き合う時間を設けましょう。

ほかの家庭の育児や夫婦関係を参考にする

家庭の環境や生活のスタイルは多種多様です。
一度、他の家庭の話を聞いたり、友人知人に意見を求めたりしてみることも必要。
他の家庭と比較して一喜一憂することはよくありませんが「そういう家庭もあるのか」
「そんな方法もあるのか」と新しい発見や気づきを得ることはたくさんあります。

人間は、自分の育った家庭環境や固定観念によって「こうするべき!」「こうしたい!」という凝り固まった価値観にとらわれていることがあります。これは、妻側も夫側も同じで、自分の家庭を見ているだけでは分かりにくいものです。

夫婦間で、家事や育児の分担バランスを見返す

夫側が「自分の自由な時間がない」と困っている場合、分担のバランスが偏り過ぎていないか客観視してみる時間が大切です。

・夫が仕事に行っている時間
・家事や育児に充てている時間
・自由を確保できる時間

この3つのタイムテーブルを紙に書き出して、可視化してみましょう。
妻が子供のことで頭がいっぱいになっている場合、こうして紙に書いて提示することで「夫の自由がなくなっている」という事実を分かりやすく訴えることができます。

しっかり話し合いをした上で、ファミリーサポートや家事代行サービスを利用したり、実家の援助を要請したりすることも検討してみましょう。

健やかな育児に欠かせない「夫婦だけの自由な時間」

あなたのご家庭は、夫婦水入らずの対話時間をどのくらい設けているでしょうか。

自由な時間が欲しい、ストレスが溜まるという心理的問題は、夫も妻も両方が抱えているものです。
夫は仕事で疲れて帰ってきて、さらに家事や育児をしなければならない苦悩があります。
妻の場合、ずっと子供と一緒に生活していることで息がつまり、行き場のないつらさを抱えていることも多いです。
こうしたストレスは、それぞれに違った境遇と思いがあるため「どっちがどのくらい大変」と決着をつけられるものではありません。

そこで大切になるのが「夫婦の対話」です。

正直に、素直に自分のストレスや悩みを打ち明けてください。分かっているだろう、普通は分かるだろうと思わずに、素直に話しましょう。
もちろん、お互いに感情がぶつかり合うこともあるかもしれません。しかし、自分の頭の中と相手の頭の中は全く別の世界が広がっています。
なるべく多くの情報を提示しないと、例え夫婦でも家族でも理解は得られないのです。

夫も妻もストレスを溜めない夫婦関係が、子供の自由に繋がる

今のあなたは「自分の自由な時間が欲しい」という悩みを抱えているでしょう。
その悩みは正直に打ち明けて、夫婦間の理解を深めていく必要があります。

夫婦間での不満やストレスは、やがて家庭内の不協和音となり、子供に伝わります。文句の言い合いで生まれる負のエネルギー、言いたいことを我慢している空気は、必ず子供に伝わり、将来精神的な影響が出てくることも否定できません。

あなたのストレスを解放することは、子供の自由な心の成長に繋がると考えてください。
そのためには、あなたの愛する方とじっくり向き合って「対話」をすることは子供への愛情でもあると言えるのです。

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