イライラが子どもに与える影響と、感情をぶつけないための対処法5つ

イライラが子どもに与える影響と、感情をぶつけないための対処法5つ

子育て中に必ず訪れる、子どもへのイライラ。「いつも笑顔で優しい、穏やかなママでいたい」そう思ってはいても、つい大きな声で怒鳴ったり、物に当たったり、時には子どもに手を上げてしまったり…。自分自身の一瞬の行動を制御できず、後から激しく後悔するママも少なくないでしょう。
今回は、子どもにイライラしてしまう理由や子どもに与える影響、イライラへの対処法を紹介します。

どうして子どもにイライラしてしまうの?

まず、ママはどんなときに子どもにイライラしてしまうのでしょうか。「ご飯を食べない」「片付けをしない」「宿題をしない」「お風呂に入らない」「兄弟ケンカをする」などなど…イライラの理由は数えきれないほどあると感じるかもしれません。
ところが、これら数多くの理由は、「子どもが思い通りに動いてくれない」という一言で表現できます。オムツを替えるのも出かけるのも、全てママの思い通りにできた、赤ちゃん時代の感覚から抜け出せていないのかもしれません。「家を出る時間が迫っているから早くご飯を食べてほしい」「宿題を忘れて行ったらダメな母親だと思われそう」「早くお風呂に入って寝てほしい」そういったママの気持ち通りに子どもが動かないから、イライラしてしまうのです。このときは、「ママと子どもは別の人間であること」「子どもは自分自身の考えで行動を決めていること」を、改めて認める必要があります。
また、子どもとは関係のないところに、本当の理由が隠れていることもあります。「パパが育児に協力してくれない」「仕事がうまくいっていない」「ママ友トラブルに悩まされている」など、ママ自身がストレスを抱えている場合です。このとき、ママのストレスのはけ口が、自分より弱い立場の人…つまり子どもへと向いてしまうことがあるのです。自分の心の状態が不安定になっていないか、冷静に考えてみましょう。

イライラをぶつけられた子どもは、どうなるの?

ママにイライラをぶつけられた子どもはどう感じるでしょうか。「怖い」「痛い」といったネガティブな感情が強く、叱られた理由までは考えられない子どもがほとんどです。なぜイライラされたのかが分からないため、同じことを繰り返したり、ただ泣いて終わってしまったりします。そしてこれを繰り返すと、子どもはママの顔色をうかがうようになるでしょう。「自分のやりたいことよりも、ママに叱られないことの方が大事」「じっとしていれば叱られないから、なにもしない」と考え始めます。そうすると、ママだけでなく先生や友だちの顔色もうかがうようになってしまい、最終的には「人間関係を築くのが苦手」「人と関わることが苦痛」といったコミュニケーション障がいへとつながります。
そしてもうひとつ、子どもに与える影響として気にしなければならないのが「自尊感情」や「自己肯定感」と呼ばれる、「自分自身を大切にする気持ち」です。身近な人に傷つけられ続けることによって、子どもは「自分はダメな人間だ」「自分の行動にはなにも価値がない」と感じるようになってしまいます。そうすると自分自身を大切にできなくなり、「どうせ自分なんか」とネガティブな感情を抱くでしょう。自尊感情や自己肯定感が低い子どもは自分に自信がなく、何に対しても積極的に行動できません。そうならないようにするためにも、感情的なイライラをぶつけることは避けたいものです。
次項からは、具体的な対処法をご紹介します。

まずはゆっくり10数えよう

アンガ-マネジメントの考え方では、怒りのピークは6秒だと言われています。怒りによってアドレナリンが多く放出されるのは6秒間で、そのピークさえやりすごせば自然と冷静さを取り戻せるのです。確かに、子どもにイライラしてつい声を荒げてしまったときも、少し時間が経てば「あんなに怒鳴る必要はなかったな」「どうしてイライラしてしまったんだろう」と後悔することが多いはずです。必要以上に子どもを傷付けないためには、怒りがピークに達する6秒間をやりすごすことが大切です。
そこでおすすめなのが、「まずはゆっくり10数える」方法です。イライラしてつい怒鳴ったり手を上げそうになったりしたときには、心の中でゆっくり10数えましょう。もちろん、その間に怒りが完全に収まることはありません。イライラした気持ちは残っていますが、少なくとも「今すぐ怒鳴ったり手を上げたりしたい」という感情の高まりは落ち着いているはずです。
わたしには現在5歳と3歳の子どもがいますが、このふたりはしょっちゅうおもちゃを散らかします。ただ遊んで散らかってしまう分には問題ないのですが、遊びもしないおもちゃをただ出し、片付けずにまた次のおもちゃを引っ張り出す…といった具合で、ついイライラしてしまうことが多いのです。おもちゃ箱をひっくり返した瞬間に「コラ!!!」と言いたくなるのですが、おもちゃ箱はもうひっくり返った後ですから、怒鳴っても怒鳴らなくても結果は変わりません。そこでわたしは「10数える」を実行します。すると、「あとできちんと片づけてね」「そのおもちゃで遊ぼうと思ったの?」といった、怒鳴る以外の声かけをする余裕が出ます。おもちゃで遊びたかった子どもの気持ちを尊重できたような気がしました。

その場から離れて冷静になろう

怒りへの対処として「逃げる」ことは非常に有効です。目の前に子どもがいなければ、怒鳴ることも手を上げることもないからです。頭にカッと血が上るのを感じたら、まずその場から離れましょう。洗面所へ行き、鏡で自分の表情を確認するのもおすすめです。そこで先ほどの「ゆっくり10数える」のほか、「深呼吸を3回する」「肩や首を回す」など、自分で決めた気持ちの切り替え法を行ってください。気持ちが落ち着いてから、子どものところへ戻って、注意をしたり声かけをしたりしましょう。
ここでもわたしの実体験をひとつ紹介します。我が家の子どもたちは食に対する興味が薄いのか、とても少食で、夕飯に1時間かかることもしょっちゅうです。「ちゃんと食べて!」「食べないんだったらもう“ごちそうさま”して!」と言いたくなるのですが、あまりにイライラしたときには一度食卓を離れます。子どもがまだ食事を続けているのにその場を離れるなんて…という思いもありますが、ずっと小言を言われながら暗い雰囲気の中で食事をする方が、子どもにとって良くないのではないかと思います。一度その場を離れて深呼吸することによって、「よし、もう少しだから頑張って食べよう!」とポジティブな声かけができるようになります。

「きっと理由があるはず」と考えてみよう

イライラは感情の高まりです。そのため、理由を考えることで思考優位にもっていくと、自然とイライラの感情は落ち着くでしょう。「子どもがママの思う通りの行動をしてくれない」「言うことを聞いてくれない」と感じるときには、「きっと理由があるはず」と考えてみてください。「もっと遊びたいのかな」「疲れてしんどいのかな」「もしかして体調が悪い?」と思い当たる理由があれば、子どもに対して怒鳴ったり手を上げたりする以外の対応を取ることができます。
冷静な思考が難しい場合は、子どもに直接「なにか理由があるの?」と聞いてみてもいいでしょう。ママが納得できるほどの理由が返ってくることは少ないかもしれませんが、「もうちょっと遊びたくて」「疲れているから後でしてもいい?」「少し頭が痛いんだ」と、子どもなりの理由を知る機会になります。怒りで子どもをコントロールするのではなく、子どもと一緒になって対処法を考えることができればベストです。

自分が子どもの立場だったら、どんな声かけが嬉しい?

例えばパパに、「今日はお掃除よろしくね」「夕飯きちんと作ってね」と言われたらどうでしょう。素直に「分かった、がんばるね!」と思えるでしょうか。おそらく、多くのママは反発を覚えるはずです。
ところが、子どもに対しては同じような言い方をしてしまうことがあります。「今日は早く宿題を終わらせてね」「きちんと片付けなさい」「遊んでばかりだとテストの点数が悪くなるよ」などなど…このような声かけでは子どももやる気を起こしにくく、さらにママのイライラを募らせる悪循環に陥ってしまいます。
イライラしてしまったときこそ、「子どもの立場に立って考える」ことを大切にしてください。どんな声かけだったらやる気が出る?同じ注意を繰り返さないためにはどうすればいい?と考えることで、冷静さも取り戻せるでしょう。

一日の終わりや休日には、自分にごほうびを

これまで紹介したのは、イライラしてしまったときの一時的な対処法です。ママにとって一番理想なのは、そもそも「イライラしないこと」。そしてイライラしないためには、ママ自身の心のゆとりがポイントです。家事育児や仕事に追われ続ける毎日では、少しずつ心のゆとりが失われてしまいます。その積み重ねによって、本当は叱らなくてもいいようなことで叱ってしまったり、必要以上の大声を出してしまったりするでしょう。
そこで、ママも「自分へのごほうび」を用意してください。「一日の終わりにアロマでリラックス」「一週間の終わりにはおいしいアイス」「月一度はマッサージに通う」など、達成可能なものでかまいません。パパや他の家族にも協力してもらいながら、リフレッシュタイムを用意するようにしましょう。

イライラをぶつけてしまったら、コミュニケーションを大切に

気を付けていても、感情の高ぶりに負けてイライラをぶつけてしまうことがあるかもしれません。もちろん、命の危険や怪我の可能性があるような緊急事態においては、素早く感情的に叱ることも必要です。また、子どもが悪いことをしたり約束を守らなかったりしたときには、冷静に叱ることが大事です。
そうではなく、一時的なイライラで怒鳴ってしまった、手を上げてしまったというときには、子どもときちんと向き合い、お互いの気持ちを伝えるようにしましょう。「さっきは急に怒鳴ってごめんね」と謝ることも大切です。できれば、膝の上に座らせたりぎゅっと抱きしめたりするスキンシップも取りたいです。子どもが自分自身を責めたり嫌いになったりしないように、親子のコミュニケーションを大切にしてください。そうした穏やかな時間をもつ中で、ママ自身も悲観的になったり落ち込みすぎたりせず、前向きに次の対処法を考えましょう。

イライラしたくてしているわけじゃない。でも感情は、自分自身のもの。

一日の始まりに、「今日も子どもを怒鳴ろう!」と考えるママはいません。「今日は優しいママでいよう」「絶対に手を上げないようにしよう」と決意しているはずです。ところが、その決意を超えるイライラが訪れます。
ママはイライラしたくてイライラしているわけではありません。でも、イライラしてしまっているのは他ならぬママ自身なのです。イライラの原因は何なのか、自分の心の状態がどうなっているのかを落ち着いて分析しましょう。そして、自分に合った「イライラ解消法」を見つけることが大切です。周りの協力を得ながら、ママもリフレッシュの時間をもつようにしてください。
それでも、どうしても子どもを怒鳴ってしまう、子どもに手を上げてしまうと悩む場合は、市の子育てセンターや保健センターなどで相談に乗ってもらいましょう。