育児と向き合う

子どもに振り回されないためのお母さんの過ごし方

育児と向き合う
この記事を書いた人
夏野 新さん【心理カウンセラー】

虐待防止や家庭環境についての専門家。心理カウンセラーの資格を活かしながら「妊娠、出産、育児」といった女性向けのサポートをするための情報を発信しています。2児の子どもを育てながら、2019年には自身の書籍「世界が変わる! アダルトチルドレンの自己観測」を出版し、悩みを抱えるご家庭への問題解決に尽力しています。

子育ては、子ども中心・子ども優先で当たり前。
そんな風に考えていませんか?
「なんだか子供に振り回されてる?」「自分を見失っている?」そんな風に思ってしまうこと、ありますよね。

この記事では、子どもとお母さんが、それぞれの欲求を満たし合えるような生活の仕方や考え方をお話します。

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子どもに振り回される生活とは?

お母さんと子ども、それぞれが心穏やかに暮らすには、幼児期の子育てで最も大切な2つのことに気付く必要があります。

「べき思考」になっていませんか?

子育てには「べき思考」がつきまといやすいです。
例えば

・好き嫌いせずなんでも食べさせるべき
・外遊びを中心に、子供の発育に良い遊びをさせるべき
・同年代のお友達と関わって、コミュニケーション力を付けるべき

誰しも理想の子育てがあり、それを達成するにはどうしても「べき思考」が強くなりがちです。野菜嫌いを克服する調理法を模索すべき、毎日〇時間以上の外遊び時間を設けるべき…
この「べき思考」はお母さんたちの頭を悩ませ、固くしてしまいます。すると、お母さんは毎日の大量の「やるべきこと」に追われ続けることになり、子育てに対しても「子どもに振り回されている」という感覚が強くなります。

子供の“主張”と“わがまま”が混同して、振り回されてませんか?

子どもの要求には、主張とわがままの2つがあります。

・自分でやりたい
・自分で決めたい、選びたい
・好きなことや嫌いなこと

上記は、主張です。

一方、わがままというのはこんなことです

・約束したことを守れない
・悪い言葉や傷つける発言
・自分でできることをやらない

このあたりは、時としてわがままと捉えて良いです。
「おやつはこれでおしまいね」「テレビはあと10分で切るよ」
こんな約束をしても、そのあとごねたり怒ったりするのはわがままです。
親に対して、バカ・死ね・嫌いなどの言葉を使うのも、わがまま。自分でできることをしないで、親に命令するような態度をとるのもわがままと考えてよいでしょう。

子どもに振り回されないためには、この主張とわがままを分けて考える力というのも非常に大切です。

子供に振り回されないための改善策

子どもに寄り添うことと、子供に振り回されない軸を持った子育てというのは似ているようで違います。

1.わがままにも毅然と対応する

子どもがわがままを言うことは決して悪いことではありません。ごねたりぐずったりするのは当然のこと。しかし、それに親が負けてばかりいると、子供はどんどん親の言うことを聞かなくなります。

「これで最後ね」と言ったはずのおやつをまたあげてしまう、「あと10分でテレビを消そうね」と言ったのにダラダラ見続けてしまう。それを許してしまうのは、甘やかしです。
甘やかすという行為は、その場はとても楽です。しかし「言いつけを守らなくてもなんとななる」ということを学習させているため、後々親が子どもに振り回されて、大変な思いをします。

2.他人の意見や情報に惑わされ過ぎない

他のお子さんとの違い、ネットやテレビの情報、育児書に書いてあることなど、世の中にはたくさんの育児情報で溢れています。もちろん、この記事も同じです。
このような情報を丸ごと鵜呑みにして、自分の家庭や子どもに当てはめようとすると苦しくなります。

子どもはそれぞれに個性や気質が違います。家庭環境や生活スタイルも全て違うので、情報をまるっきり信じるのではなく、取捨選択していくことも大切。
そのためには、お子さんの様子や性格をしっかり観察して、それぞれに合ったやり方を自分で考えていく他ありません。これは「べき思考」をやめて、柔軟なものの見方をすることにも繋がります。

3.たまには息抜き、手抜きをする

完璧にこなせるのが素晴らしい母だと、ついつい思ってしまいませんか?
いつも笑顔で、お部屋がキレイで、ご飯も手作りで…そんなお母さんでいられたらと思ってしまいますよね。
でも、子供が求めているものは、完璧なお母さんではなく、リラックスしているお母さんです。

ご自身の子供時代を思い返してみてください。お母さんが、心から笑って、リラックスしているとき、嬉しくありませんでしたか?もしくは、お母さんにもっと笑ったり、ゆっくり過ごしたりてほしい。そんな風に思ったことはありませんか?
手抜きや息抜きをすることは、悪いことではなく、むしろ子どもを温かさで包むことにもなる。これを、頭の隅にいつも置いておきましょう。

子どもに振り回された生活に、疲れたときの考え方

子ども中心の生活に苦しくなってしまう人は「子供のために私が我慢する」という考えが強くなっています。しかし、子供のために我慢することが、本当に子供にとって嬉しいことでしょうか?

我慢すること、動き続けることに嫌気がさしたら「疲れた!」「もう動けない!」と横になってください。決して感情を露わにしてキレるのではなく、自分の気持ちとして、家族に話しましょう。

そして、全て自分でやろうとせず、家族に分担させることも大切です。
決して「私ばっかり!」「少しは手伝ってよ!」ときつく当たるのではなく、対等に、穏やかに話し合うことが必要です。
やらなければならないことが山のようにあるのがお母さん業。
でも「子どもや家の用事に振り回されるのがお母さんの仕事ではない」と、頭のどこかに置いておくだけでも違うのではないでしょうか。

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