子どもの学び・教育

【脳科学で解説】幼児期の習い事が必ず良いわけではない。「好奇心」が子供を大きく成長させる。

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chi93さん【育児コラムライター】

教育大卒で小学校・中学校・高校の教員免許を持っている、元小学校教員。現在は5歳の娘と3歳の息子をもつママさんライター。子供の教育・成長・発達といった情報を発信しています。「初等教育(小学校教育)」と「音楽」を専門分野としており、子育ての悩みを抱えるお母さん達へ、実践的な育児・教育方法をご紹介しています。

習い事の低年齢化と多様化が進み、幼児期から習い事を始めることが普通になってきています。幼稚園に通うと周りには習い事をしている子どもばかりで、焦ってしまうこともあるでしょう。

「せっかく習うなら早く始めた方がいいの?」

「幼児期から習い事を始めるデメリットもあるのでは?」

と疑問に思う保護者も多いと思います。そこで今回は、実際に習い事をしている幼児の割合と、幼児期から習い事を始めるメリットとデメリットを紹介します。

習い事をしている幼児の割合

幼児の習い事について、幼児学習に力を入れていることで有名な学研が行った調査結果があります。

3~5歳の幼児期に習い事をしている子どもの割合は、3歳で23.2%、4歳で39.5%、5歳では51.0%となっています。小学校入学直前である5歳児は、約半数が何らかの習い事をしていることになります。

昔から人気の習い事であるスイミングはもちろん、近年注目されている英語教育、通信教材や学習教室などいわゆる「お勉強」系の習い事も高い人気を誇っていることが分かります。

プログラミングやフィギュアスケートなど、最近登場した習い事もあり、子どもが興味をもって挑戦できるような体制作りが進んでいます。

次項からは幼児期から習い事を始めるメリットとデメリットを紹介します。

(※出典「学研教育研究所 幼児の日常生活・学習関する調査 2017年8月」)

では子供の発達・発育を考えた場合習い事はさせたほうが良いのでしょうか?

結論「子どもの好奇心に沿った習い事なら良い影響がある」というものです。詳しくお話していきます。

脳の発達と幼児期の習い事の関係

脳は大きく分けて3つに分かれており、それぞれが年齢に合わせて少しずつ発達していきます。

【脳幹・小脳】
└呼吸・食欲・睡眠など生命維持にかかわる部位。

【頭頂葉・側頭葉・後頭葉】
└言語、記憶、指先の動き、視覚、運動にかかわる部位

【前頭葉】
└ 思考、判断、運動の指令などにかかわる部位

生後間もない赤ちゃんは食事も睡眠もコントロールできません。それが4か月ぐらいになると徐々に睡眠時間が長くなり、夜ミルクを飲まなくなります。これは脳幹・小脳などが発達してくるためです。

首が座る、寝返り、お座りなど順を追って運動能力を獲得します。時間をかけて脳が発達をしていくのです。

また1歳で言葉に興味を持ち、2歳で二語文を話すようになり、3歳では会話ができるようになってきます。

このように脳には発達の順番があり、それに合わせて子供に適した環境を作ってあげることが最大の学びとなります。

それぞれの脳が未発達な状態で学習をしても、子どもは情報や運動能力を学ぶことが出来ません。子どもにとって負担になるだけで、大きく成長を促すことはできません。

脳が育つ習い事の鉄則

脳が育つには周りの環境からの刺激が大切になります。この刺激とは「五感」です。

日中の明かりや夜の暗さ、人とのふれあい、様々な音、これらが五感を通じて赤ちゃんの脳を成長させます。そうして体の発達が進むのです。

では幼児教育はどのように考えればいいのでしょうか?

ここでポイントになるのは前頭葉です。考える力や体に運動指示を出すのは前頭葉になります。つまりこの前頭葉の成長を促すことが出来ればいいのです。

この刺激が「規則的な生活」と「ポジティブな感情」なのです。規則的な生活は早寝・早起き・適切な栄養・適度な運動です。よほど生活リズムがくるっていなければ大丈夫です。

ポジティブな感情は、楽しい、うれしい、面白いといった感情が良い刺激となるのです。

ですので幼児期の習い事の鉄則は子供が興味を持って楽しめることになります。

幼児期の習い事は「習得が早い」

幼児期から習い事を始めるメリットは、なんと言っても習得スピードが上がることでしょう。小さい頃は新しい環境に慣れるのも早く、教えてもらうことに抵抗感なく挑戦することができます。

水に対する恐怖心が芽生える前にスイミングを始めたり、勉強に苦手意識をもつ前に学習系の習い事を始めたりすることで、自然と泳いだり勉強したりする習慣を身に付けることが可能です。

また、運動神経を発達させたり絶対音感を身に付けたりできる時期には限界があります。

運動神経を司る神経系の発達は、6歳時点で大人の80%に到達するため、幼児期にたくさん運動した方が運動神経の良い子どもになると言われています。

また、絶対音感を身に付けるには5~7歳までにトレーニングを受けた方が良いとされています。このように、身に付けたい力がある場合は、発達の臨界期を迎える前に習い事を始める必要があります。

幼児期の習い事は「子どもが取り組む環境を整えやすい 」

「幼児期の習い事なんて遊びのようなものだから、親が付き添って教えてあげればいい」と感じることはありませんか?

確かに幼児期の習い事は児童期に向けての準備であったり、楽しむことが第一の目標であったりすることが多いです。

ところが、幼児に習い事を教えるには特別なノウハウが必要です。親子で運動をしようとしたり、勉強をしようとしたりしてもうまくいかないことが多いでしょう。

上手にできなくて子どもが泣いてしまうことや、そんな子どもの姿を見て親はついキツイ言い方をしてしまうのはよくあることです。

親子関係だと、お互いに甘えが出たり厳しくなりすぎたりしますが、習い事へ行けばそのような心配がなくなります。先生と一定の距離感と緊張感を保ち、甘えることなく取り組めるような環境作りが可能です。

幼児期の習い事で「遊ぶ時間が減る」

あまり多くの習い事をすると、ゆとりをもって遊ぶ時間が減ってしまいます。

幼児期に習い事をすることにメリットがあることも確かですが、小さい間は特に目的もなく自由に遊ぶ時間も必要です。

幼稚園が終わった後に、公園で砂場遊びや鬼ごっこなど体を動かす遊びをする時間も大切にしましょう。

少ない遊び道具の中で工夫して楽しい遊びを考えることは創造力を育てますし、親子の触れ合いの時間にもなります。

遊びの中で親や兄弟、友達などとやり取りすることで、コミュニケーション能力を育てることもできます。

また、宿題が出る習い事を始めると、毎日宿題に追われてしまうこともあります。遊びと習い事のバランスを考え、子どもの負担が大きくなりすぎないように気を付けましょう。

幼児期の習い事は「保護者の負担が大きい」

幼児期の習い事は送迎や付き添いなど、保護者の負担が大きくなりがちです。

まだ一人で移動できませんから、習い事が行われる場所までの送迎は必須です。

また、習い事の種類によっては、同じ部屋でレッスンを見学しておく必要があったり、子どもの隣に座ってレッスン中のサポートを行わなければならなかったりすることもあります。

費用面の負担は当然ですが、サポート面での負担があることも念頭に置いて、習い事選びをしてください。

幼児期の習い事は「子供が無理のない範囲」で考える

以上、幼児期に習い事を始めるメリットとデメリットを紹介しました。

幼児期に習い事を始めると、習得が早かったり子どもに最適な環境を用意できるメリットがある一方、自由に遊ぶ時間が減ったり保護者の負担が大きくなったりするデメリットがあります。

あまりに小さい頃から毎日のスケジュールをいっぱいにしてしまうと、ふと暇な時間ができたときに何をすればいいのか分からない、やりたい遊びがなにか分からない、といった自主性の乏しい子どもになってしまう危険があります。

最近では家庭のスケジュールに合わせやすい通信教材も充実しています。「習い事には興味あるけど子供が楽しむかわからない」という場合には一度大手の通信教材を試すのをおすすめします。

お子さんと親が無理なく、余裕のあるスケジュールで学べるよう挑戦していきましょう。

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