子供の喧嘩やお友達関係の悩みは、親としての対応が難しい問題ですよね。どこまで親が介入すべきか、またどうやって子供を守ってあげたらよいのか悩むところではないでしょうか。しかし、例え小さな子供であっても、人との関わり合いの中で生じる問題には複雑なものがあります。親が衝動的に行動を起こしてしまうことで、問題をさらに悪化させてしまうこともあり、対応には注意が必要です。
この記事では、自分の子供が人間関係で悩んでいる親御さんのために、傾聴と観察という視点を持ってお話させていただきます。
子供の人間関係は、意外にも複雑です!
子供の人間関係は、親が想像しているよりも複雑なものがあります。例えば、意地悪な子度をしてくる子供、友達を仲間外れにしてしまう子供など、問題を起こす子供にも、その原因というものがあります。
ただ、他人の子供が関わることですから、背景を知るのには限界がありますよね。しかし、衝動的に先生や相手の親にクレームを入れるまえに、もういちど自分の子供の話やその出来事をよく聞き、観察することが大事です。
子供の喧嘩!先生や相手の親にクレームを入れる前に!
子供の喧嘩や子供同士のトラブルが起こったとき、頭に血が上って先生や相手の親にクレームを入れたくなることがありますよね。しかし、その前に今一度冷静になってできごとの流れや原因を考える時間はとても大事です。決して「黙って見過ごす」ということではなく、物事を表面化する前に、冷静に考える必要があるということです。
もちろん、こちら側が何も悪くないのに一方的にいじめられているなど、よほどの状況であれば別です。ただ、ささいな喧嘩や微妙な人間関係の問題に、親同士が直接対決するというのはあまり好ましくありません。昔は、子供の喧嘩に親が怒鳴り込んでくる……という例もありましたが、これは「感情のぶつけ合い」になるケースが多く、問題が深刻化したり、関係が悪化したりすることもあるのです。
子供の喧嘩の理由を聞く
自分の子供の話は、真剣にじっくり聞いてください。子供は大人のように上手で分かりやすい説明ができないので、少々事実が違っていたり、感情が表に出過ぎたりすることがあります。しかし、冷静に子供の言葉を待つように聞くという姿勢がとても大切です。
このとき、矢次早にあれこれ聞くことや、「~だったんじゃないの?」「~なの?」という誘導するような質問をしないように注意しましょう。
これは、人の話を聞くプロであるカウンセラーも使っている「傾聴」という姿勢です。
子供同士のことはしっかり観察する
子供の話をしっかり聞くことや、子供の言い分を信じることは大切です。しかし、子供の話がものごとのすべてではない、ということも頭に入れておきましょう。
このとき大事なのは、子供の様子を観察することです。
・「こんなことがあって嫌だった」と話を聞いて欲しかっただけなのか
・いつもは仲良しだけど、気持ちの行き違いなどで時々けんかしてしまうだけなのか
・本当に悩んでいて、日々困っているのか
このように、子供の喧嘩や人間関係の問題が、どのくらい深刻かどうか判断するには、普段から子供を観察することや、子供と会話することがとても大事です。いつも仲よく遊んでいる子や好きな友達と喧嘩しただけなのか、それともいつも自分の子がターゲットにされて何度も嫌な目に合っているのか。
これは、普段から子供を観察し、会話をしていないとわからないものです。
その中で、本当に喧嘩の相手が危険な行動をとる場合や、子供が日常で不安がるようなことがあれば担任の先生に相談するという形で協力を仰ぎましょう。
決して感情的になるのではなく、事実を伝え、見守ってほしいという旨を話せるとよいです。
子供同士の喧嘩は、子供にアドバイスをする!
子供の喧嘩に親が入るのは、転ばぬ先の杖になりかねません。子供からの相談に対し、親は「子供にアドバイスをする」ということが先決。親が解決をするというのは、少々短絡的ともいえます。
1. 子供の話をじゅうぶんに聞く
2. 子供の気持ちをしっかり受け止めて共感する
3. 相手はなぜ、今回のような行動に出たか一緒に考える
4. 今度同じようなことがあったらどうしたらよいか、一緒に話し合う
このように、起こった問題に対して親子で一緒に考えて、アドバイスや解決策を促すというのがもっとも自然ではないでしょうか。子供同士のトラブルを、毎回親が出ていくことで解決していては、子供の問題解決能力やコミュニケーション力が育ちません。子供の可愛さ故に親が前に出てしまうこともあるのですが、本当に子供の為を思うなら、子供に考えさせたり、ヒントを与えたりするような指導ができると理想的です。
子供の人間関係は、傾聴と観察がとても大事です!
子供同士の人間関係は、親がすべて把握しきれない事情がたくさんあります。そのため、全面的に親が理解したと思っても、実は裏側に様々な事情があるものです。
さらに、子供はこれからもずっと「人間関係」の荒波を泳いで生きていかなければなりません。親が子供の代わりに問題解決をするのかクセになってしまうのは、とても怖いこと。些細な喧嘩のうちに、解決方法やかわすスキルを身につけさせてあげることも、大切なことではないでしょうか。