シンプルな暮らしを目指していくと、どうしても『洋服』にまつわる悩みが増えます。
女性にとって、ファッションは心の栄養であることも多く、関心の深い部分。しかしその一方で、洋服をたくさん持ちすぎてしまう人が多いのも事実です。費やすお金も選ぶ時間も多くとられがちになります。
そこで、私が提案したいのは『素敵なママっぽい服装』よりも『自分らしい服装』を見つけていくことです。
流行のママファッション、あなたは本当に好きですか?
私は母親になって10年が経ち、最近ようやく『自分らしい服装』がどんな服装なのか
わかるようになりました。それと同時にファッションにかけるお金や、朝洋服を選ぶための時間も格段に減りました。
なぜ今まで、あんなにも洋服を欲しいと思っていたのか……。それを改めて考えてみると『素敵なママっぽく見える服装』を追い求めていたからでした。
近年のママファッションには、流行があります。ひとつひとつのアイテムは低価格なものでも、それを上手に着こなしているママを見かけると「すごいなぁ」「素敵だな」と思っていたのです。イメージでいうと、子育てしながらも自分に手間やお金をかけて、輝いているような印象。こなれた今どきのママファッションをしているだけで『完璧』に見えてしまうような感覚すらあるのです。
しかし、そんな『素敵なママっぽいファッション』を目指していると、私のクローゼットにある洋服はどれもイマイチで、足りないアイテムばかり。毎シーズン洋服を買っているのに、季節が変わるたびに、着たいと思う洋服がない……。
つまり、私はずっと『流行のママファッション』だけを見ていて『自分が好きな服装』について考えて選んでいなかったのです。
『自分の好きな服装』を求めてみたら、全てがシンプルになった
素敵なママっぽく見える服装よりも、自分がしたい服装をしよう。そう思ったころから、私の暮らしは変化し、その変化は子育てにもメリットを与えました。
好きなブランドをもったら、ファッションへの執着がなくなった
好きなブランドをもつと、ファッションへの『こだわり』だけを維持し『執着』を手放すことができます。なぜなら、流行サイクルの早いファストファッションに興味がなくなるためです。
ファストファッションは、流行の形のアイテムが、季節や年ごとに入れ替わります。安く手に入れられますが、その分買う数も増えます。しかし、今購入したものは翌年にはもう着たいと思わないものが大半です。
一方、特定のお気に入りブランドの洋服は、翌年の衣替えのときに「これが着られる!」「あのコート、早く着たいな」と、実にワクワクするのです。この違いに気づき、私はファストファッションのお店に行くことを一切やめて、特定のお店以外で洋服を買わなくなりました。
『好きなブランド』をもつと、洋服選びが早くなる
特定のブランドのものしか買わなくなったら、毎日の洋服選びにかける時間がものすごく減りました。同一ブランドのものはコンセプトが決まっており、形、色合い、雰囲気がすべて揃っています。そのため、どれとどれを組み合わせても、だいたいカッコよく決まるのです。
ファストファッションに比べて多少高価なので、大量に買い込むこともありません。すると、所持しているアイテムがだいたい自分の頭の中に入っています。家事や子供の世話をしながら「今日は、あのシャツにあのパンツ、少し肌寒いからあのベストを着ればOKだな。」と、イメージできます。あとは、着替えるだけですから時間は3分もあればじゅうぶんです。
『自分の好きなファッション』は、母親のアイデンティティでもある
子育てとファッションは、一見無関係なようで実は深い関係があると考えています。
ファッションは、人の『アイデンティティ』が表れます。自分の中の『好き』を大事にすると、おのずとファッションに自分らしさが表れてくるものです。
ファッションに自分らしさを出していくと、今度は私生活の中で『母親』としての自分だけでなく『ひとりの人間』としての自分をも大事にできるようになっていきます。
もちろん、流行のママファッションを否定するわけではないのですが、子育てもファッションも『周囲に合わせる』ことで難しくなるという点が共通しているのです。
流行を追うのが好きなら、それでもいいのです。ただ『素敵な母親とは、こういうファッションである』という固定的なイメージに縛られないということが、実はすごく重要なのではないかと考えています。
『長く大切に使うことの大切さ』を子供に教える効果もある
『自分がいいと思えるもの』を選び、それを大事に長く使っていく姿を子供は見ています。子供に言葉で言って聞かせなくても、親が自分の『好き』を大事にし、楽しんでいるのを子供は自然に感じとるものです。
「物は大事に使いなさい」「無駄遣いはやめなさい」そう言葉で教えることも、時には必要です。しかし、一番効果的なのは親自身が物や洋服に愛着をもって、長く大切に、愛着をもって使うことなのではないでしょうか。