私は母性がないの?女性は気質と環境によって母性は変化する

私は母性がないの?女性は気質と環境によって母性は変化する

「私には、母性本能がないのでしょうか……」
「母性が少ない自分は、母親として失格でしょうか。」
そんな質問が、ネット上のフォームに寄せられています。

世の中では、母親は子供を産んだその日から、溢れんばかりの母性本能が出るという勘違いが存在しています。母性本能により、つらい育児や家事でもこなせるようなエネルギーが出るものだとされているように感じませんか?しかし、その母性本能というもを誤解している人が大半です。

ここでは「母性がないかもしれない」と、母親としての在り方が分からなくなっている人に向けてお話をしていきます。

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母性本能の本当の意味を知っていますか?

母性本能という言葉は、生物学用語でも医学用語でもありません。ただの通説です。言ってみれば「イメージ」です。

・母性にあふれる
・母の愛
・母性本能をくすぐられる

このような言葉はよく聞かれますが、どれもただのイメージに過ぎないのです。確かに、女性は出産すると、脳内に母乳分泌を促すホルモンが生産されるようになり、これに連動して母親として育児行動ができるようになります。

・どんなに眠くても子供の声を聞くと目が覚める
・子供の泣き声がするだけで乳房が張る

このように、ホルモンの影響によって、子供を育てるのにスムーズな仕組みができあがることは事実です。しかし、母性本能と「愛情」というのは別問題と考えてください。なんとか子供の世話はしているけれど、心から子供を愛せない、子育てが楽しいと思えない……
このような状況にある人が「母性のないダメな母親」だということは絶対にありません。

以前、母乳神話という言葉が流行したのを覚えているでしょうか。

・母乳で育てた方が愛情は伝わる
・母乳で育てた方が健康になる

確かに母乳育児にはメリットがありますが、母乳育児と愛情の関係は別問題であるということが、大きく叫ばれるようになりましたよね。これと同じことで、母性本能が強い・弱いというのも、神話的な幻想なのかもしれないということにまず、気づきましょう。

「母性がない」のは、環境要因によるものが大きい!

母性がないかもしれないと感じている人は、まず母性本能の定義というものはなく、とても曖昧なものであることを理解しましょう。そして、あなたが抱える不安は「母性不足」によるものではなく、環境の要因が関係している可能性があります。

1.子供を育てるのに適切な環境にいない

あなたには、子供をストレスなく、健康に育てるのに適した環境が備わっていますか?

・育児を一緒に協力的に行ってくれる人がいる
・困ったときに預けられる人がいる
・安定的な生活を保障するお金がある
・快適な住居がある
・雑談したり、相談したりできる相手がいる

このように、子育てを抜きにしても「快適で安心な暮らし」ができていることが基本です。また、いくらお金や住環境、物に囲まれていても、子育ての相談ができる人、自分の困りごとを話せる人がいない環境では、子育ても困難になりやすいです。ワンオペ育児や、仕事や社会復帰への心配など、さまざまな要因があなたの育児を不安でいっぱいにさせているのかもしれません。

2.自分自身が「無条件の愛情」によって育てられていない

いわゆる「溢れるような母性」は、それを実際に目にしたり、接したりしたから出てくるものだといえます。
あなたの母親(他の養育者)が、あなたに溢れ出るような愛情を注ぎ、いつも無条件の愛で満たしてくれたのであれば、あなたはその与え方を実際に肌で感じて見てきたことになります。反対の場合はどうでしょうか。

・否定されがち
・厳しい体罰や罵倒を受けた
・いつもさみしい思いをして育った
・褒められなかった

このような育ち方をした場合、その溢れるような愛情も、母性本能といわれるものにも触れた経験が少ないために、やり方がわからないのかもしれないのです。自分が幼少期に親からしっかり愛された自身のある人は、おそらく何の不安もなく子供を欲しいと望み、楽しい育児ができます。しかし、自分自身が満たされないまま大人になった人は、常に不安がつきまとい、何事にも悲観的になりやすいのです。

3.一時的な不安や自信喪失によるもの

初めての育児、泣き止まない子供、散らかった部屋……このような状況によって、一時的に気分が落ち込んだり、不安を抱えやすくなったりすることもあります。
このように自信がなくなると、子供を可愛いと思える余裕がなくなったり、子育てをやめたいと感じたりすることさえでてきます。
この状況では、当然「自分には母性がある!」とは思えないですよね。母性というはっきりとした定義のないものは、その時々の状況や心の状態によって変わります。「母性がない人」という人間がいるのではなく「母性が湧かない状態」になる場合もあることを知っておきましょう。

母性がない・少ない自分をもっと肯定してみよう!

母性がない、母性が少ない自分は「ダメな人間」「ダメな母親」そのような考えは今すぐ手放してください。そもそも母性本能という医学用語がないことからして「聖母」「母性の愛」はあくまでも世間のイメージです。
母性があまり感じられない自分を肯定して、そんな自分でもなんとかやっていける方法を探す方が先決です。

当たり前の固定観念を捨てる

母性本能が通説だということのように、これまで当たり前だと思ってきた固定観念を取り去ってみましょう。

・母は常に子供優先でなければいけない
・母は明るい太陽のような存在でなければいけない
・自分の欲より家族のことを優先すべき
・家事も育児も完ぺきな妻・母でありたい

このような固定観念は、誰が作ったものだかわかりません。誰が作ったかもわからない理想に囚われ、苦しんでしまうなんて、とてももったいないことです。
子供にとって大事なのは、おなかいっぱい食べて眠ること。話を聞いてあげること。抱きしめてあげることくらいです。しつけはプラスアルファで、余裕があれば教えるというくらいのスタンスでもいいのです。

自分の生活にとって負担になることを排除する

子育ての面だけを改善しようと頑張っても、生活に関わるストレス要因を排除しない限り、子供へ向ける愛情は増えません。仕事でのストレスや夫婦関係、嫁姑問題、ママ友関係など、不要なストレス要因を排除することで、心の余裕が生まれます。心に余裕ができると、自然と子供を心から可愛いと思う時間ができ、母性と呼ばれるものも目立ってくるようになるでしょう。

・嫁姑問題
・不要な人間関係
・不要な出費
・仕事

あなたの暮らしの中には、無駄なものはありませんか?その無駄なもののために、時間やお金、心を消費していないでしょうか。もっと自然に楽しく子育てがしたいと感じたときは、暮らしに関するたくさんのことをもう一度見つめ直し、考えてみることが必要です。

夫婦・家族で話し合う

子育ては、母親が一人きりでこなすものではありません。あなたが子供に対して母性を感じられない状況にあることを、夫婦や家族で共有し、話す機会が必要です。

母親が子供を愛せない状態や、子供に対して攻撃的になる背景には「貧困」や「一人きりの育児」があることがわかっています。生物学的な研究分野でもいわれていることであり、とても重要なこと。けっして放置していいことでも、あなたひとりだけで考えるべき問題でもなく、家族全体で考えていくべきことなのです。

また前項目でお話した「自分の生活にとって負担になることを排除する」を実践するためにも、夫婦や家族での話し合いは避けて通れないものだといえます。

子供と離れて、自分を大事にする時間を持つ

子育てに自信がなくなったとき、子育てがつらくなったとき、必ず「自分の時間を持ってみて!」というアドバイスを聞くと思います。

なぜ母親が子供と離れる時間を必要とするのか?それは「自分の人生をコントロールしている実感」をもつ必要があるためです。24時間子供につきっきりの育児では、何もかもが子供優先、子供の都合で物事を決めなければなりませんよね。

・子供が泣いたり起きたりした時間に起床
・子供の食べたいものを作って食べる
・子供が泣いたら自分の作業を中断する
・自分ではなく、子供が行きたい場所に行く
・お風呂の時間は子供の機嫌がよいときに
・疲れ切って、子供が寝る時間に一緒に寝てしまう

お母さんの日常は、全て子供のことを基準に決められているのです。トイレに行くことも、ままならない時期だってあります。何もかも自分で決めることができない、自分の意思を後回しにする生活では「自分の人生をコントロールしている実感」がどんどんなくなっていきます。この実感は、パーソナル心理学の分野で「心身の健康に繋がる重要な感覚」だといわれているのです。

子供を優先するのは、子育てをするうえで避けて通れないこと。でも、だからこそ時々は子供と離れて、自分で決めたことを自分が好きなようにやる時間を持つことが必要なのです。

当たり前の母性本能神話に、苦しめられていませんか?

自分には母性がないと不安になっている方は、母性本能なんていうものは、専門的な用語でもなんでもない、タダのイメージであることを何度も自分の心に言い聞かせてあげましょう。
そして、自分はなぜ母性を感じられないような状態になってしまっているのか、原因を探ってみましょう。もしかしたら「理想の母親像」に苦しんでいるだけかもしれないし「無条件の愛」を知らないだけかもしれません。あるいは、生活環境や育児の環境がよくないからかもしれません。
母性たっぷりの母親なんていません。愛情たっぷりの上手な育児ができる人は、適した環境に恵まれているというだけ。あなたがダメな母親なんていうことは、絶対にありません。子供を愛したい気持ちがあるのなら、自分の心や自分の環境をもう一度深く見つめなおし、一から改革するつもりで向き合ってみてください。