育児と向き合う

「子供と離れたい」一人時間が欲しい時は躊躇せずに対策

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この記事を書いた人
夏野 新さん【心理カウンセラー】

虐待防止や家庭環境についての専門家。心理カウンセラーの資格を活かしながら「妊娠、出産、育児」といった女性向けのサポートをするための情報を発信しています。2児の子どもを育てながら、2019年には自身の書籍「世界が変わる! アダルトチルドレンの自己観測」を出版し、悩みを抱えるご家庭への問題解決に尽力しています。

「子供と離れたい」「子供と一緒にいる時間を楽しめない」そんな悩みを抱えていませんか。

子育て中に一人の時間が欲しくなるのは、だれにでもある事です。

自分本来の理想の母親像は「子供がいちばんの幸せ」と感じる人。それなのに、現実はいかに子供を早く寝かせて自分の時間を確保するかや、子供を預けることばかり考えてしまう。

そのことに対して「冷たい母親だ」「子供が愛情不足になるのではないか」と更なる不安を抱えてしまう人もいます。 この記事は「子供と離れたい」と思ってしまう方に向けたメッセージです。

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【子供と離れたくなる理由1】どんな状況でも心から休めない

小さな子供を抱えながら、自分の時間をもつというのは非常に難しいです。私自身「自分の時間をもちましょう」「しんどいと感じたら、子供を預けて休みましょう」と正論を言ってしまいます。

しかし、なかなかそれができないもの事実ではないでしょうか。

朝早く起きて、ひとりでゆっくりコーヒーでも……と思えば、ベッドから抜け出た母親を求めて子供も一緒に起きてしまう。日中は家事や仕事に追われて、自分の好きなことを楽しむ時間もそんなにたくさん持てません。

さらに、夜は疲れ切って子供と一緒に寝落ちしてしまうこともしばしばですね。

そんな「母親と子供がべったり」という生活を長年続けていると、いざ子供を誰かに預けて自分の時間をもとうとしても、子供のことが心配で気になって、結局休んだ気がしない……なんてこともよくあります。

【子供と離れたくなる理由2】 子供と会話に疲れてしまう

子供と話したくない、離れたいと思うのは、脳が疲れているからかもしれません。子供と一緒にいるとき、私たち母親の頭の中はどうなっているのでしょうか。

大人同士の会話と子供との会話を、キャッチボールに例えてみましょう。大人同士の会話は、キャッチボールが自然に何度も続きます。

しかし、子供との会話は、ボールを投げるたびに落としてしまったり、落としたボールを拾いに走ったりしなければなりません。

軽々と続けられるキャッチボールと、なかなか続かないキャッチボールでは、後者の方がストレスを感じますし、楽しさも減ります。

子供の質問の意味がわからないこともあるし、説明するためにたくさんの言葉を選びながら話していますよね。

子供がわかるように上手くつなげて、なんとか投げかけるというイメージ。常に子供に合わせてキャッチボールをしているので、疲れてしまうのはしかたがないことなのです。

【子供と離れたくなる理由3】 母親という役割に追い詰められてる

子供と一緒にいると「親として、子供にどう接するべきか」を常に考えてしまう節はないでしょうか。

自分の一挙一動を「これでいいのかな」「本当はこういう対応はよくないんだろうな」そんな風に、常に「親」であることが、自分を苦しめている部分はないでしょうか。

親が子供に対してどう接するか、というのは確かに考えながら子育てしていく必要があるのですが、それがときに親子関係を難しくしてしまうこともあります。

子供と離れたいと感じる時に考える大事なこと

子供と一緒にいたくない、離れたいと思うときは、あなたが疲れている証拠です。しかし、その「疲れ」に加えて、親だから我慢して子供に付き合わなくてはいけないという二重のストレスがかかってしまうことも多いです。

子供と離れることに罪悪感をもたない

子供と離れること、自分を休めることに罪悪感をもたないでください。

例えば、子供にテレビや動画を見せて、その間に自分が眠ること。離れたくないと泣く子供を実家に預けて、ひとりの時間を確保すること。こうしたことに、後ろめたさを感じないでください。

「子供をほったらかしにして、楽しんだり、休んだりしてはいけない」と思っている母親はとても多いですし、私自身もそう感じてしまうことがあります。

しかし、そんな罪悪感のために自分を追い詰めて、二重のストレスがどんどん積み重なっていくことの方が問題です。

「子供」として見ず、適切な人間関係を築く

子供は確かに幼く、親がいないと泣いたり、不安がるそぶりをみせたりします。だから、少しでも離れることができないわけですよね。

しかし、子供はあなたの子供である前に「ひとりの人間」であり、家族です。もっと大胆な言い方をすれば、同居人です。

同じ屋根の下に住む人間が、疲れていたら「ちょっと、お母さんは疲れているから、そっとしておいてくれる?」と話すのはすごく大事なことです。

小さなころから「お母さんはときどき休んだり、離れたりすることがある」と覚えさせることも必要ではないでしょうか。

家族に対して、いつもいつも働きどうしでも平気な人だと思わせないことも、ひとつのやりくりの方法です。

もちろん、子供だけでなく夫に対しても同様です。相手が子供であっても、まだ小さくても、親と子は「人」対「人」の人間関係であると教えていくことが自分を楽にするコツなのです。

「子供と離れたい」を解決する具体的方法

「子供と離れる時間がないと自分がどうにかなりそう」

そう思ったら勇気を出して、誰かに助けを求めたり、気持ちや現状を話したり必要があります。

本当に子育てを楽しむには、一時的に休んだり気分転換をしたりすることだけではなく、自分の考え方を根本から変えていくことも必要です。

人によって解決したい部分は違うかもしれません。ですが次の三つの事を中心に考えると、解決の糸口を見つけることが出来ます。

家事や育児に対しての「譲れないもの」を捨てる

知らずに自分自身にプレッシャーをかけてしまう事があります。家事や育児の中で大事にしていること一度見直してみましょう。

・部屋をキレイに保つこと
・身なりやファッションなどを美しく保つこと
・毎日栄養バランスの良い食事を手作りすること
・子供へのしつけ
・夫の前でもよい妻でいること
・毎日決まったリズムで規則正しく生活すること

こういった内容は、やらなくても生活に支障はないし、命の危険もありません。家庭の中の「こうありたい」「こうすべき」という固定観念や理想が強ければ強いほど、育児は苦しくなります。

少しづつ考えるものを減らしていきましょう。

家族・他人に助けを求める

人に頼ることが苦手な人は、育児ノイローゼになりやすいといえます。

家族や他人に手を貸してほしいと言えない人や、悩みや愚痴を話すことを躊躇してしまう人は、責任感が強く、人に弱みを見せるのが苦手です。

「他の人は一人でしっかり育児してるのだから自分もできるはず」と考え助けを求められない人もいます。ですが子育ての環境は家庭ごとに違いますし、母親の性格も違います。

辛いと思ったときは躊躇せずに助けを求めましょう。

また、育児疲れやワンオペ育児で心を壊してしまう母親の多くに「夫への協力を頼めない」「夫に正直な気持ちを話せない」といった場合もあります。

夫が自分勝手でパワハラのような発言をする場合や、妻が「夫に迷惑をかけてはいけない」と弱みを隠してしまうパターンも少なくありません。

周りの人たちと意思疎通ができていれば、一緒に対処法を考えることができます。

ショートステイやシッターサービスの活用

保育園のショートステイや、シッターサービスを利用したことはありますか?

最近では「育児に疲れたらこのような行政や民間サービスを積極的に利用しましょう」という声掛けもされるようになりました。

実際に、ショートステイの利用条件には、しっかりと「育児疲れ」「育児不安」「心身の状態により養育が困難な場合」と定められています。

母親が休むために子供を預けるのはおかしい事ではありません。

子供にさみしい思いをさせると罪悪感があるかもしれませんが、子どもは適応能力がとても高いです。

一時的に母親と離れたとしても、とても楽しんで帰ってくるケースの方が多いです。安心してください。

結果的にこのようなサービスを利用しないまま、状態が悪化することも往々にしてあります。

実家や夫に、何の躊躇もなく甘えられる人ばかりではありません。人に頼ることが苦手な人、気軽に頼れる人がいない人のためにこそ、このような制度が設けられています。自分を休ませるための方法を考えてみてほしいです。

母親が子供と離れることに罪悪感をもたないで

どんな職場でも、必ず「休憩時間」が設けられていて、就業時間とプライベートが分けられています。しかし、母親にだけそれが許されていないのは、とても不自然なことですよね。

子供と離れたい、子供と話したくないと思うことは、あなたに休憩時間が足りていないと知らせるサインです。そのサインを罪悪感で潰してしまわないように、気をつけてみてください。

知育玩具幼児向けの教材で時間を稼いでもいいと思います。子供との距離感や接し方の方法を見直しておくことが、これから先の子育てでもきっと活きてくるはずです。

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