「もう帰ろう…」は厳禁!教育先進国の積極的な子どもの育て方

「もう帰ろう…」は厳禁!教育先進国の積極的な子どもの育て方

「公園に行っても遊ばない」「他の子を見ているだけで何もしない」「滑り台を他の子に譲ってばかり」「ブランコに乗るのを怖がる」せっかく家のことを必死に済ませて朝から公園に連れてきたのに、こんな状況に疲れたお母さんは「もう帰ろう…」と声を掛けがちです。でも本当はその経験の全てが積極的に遊ぶようになるために必要な過程というのをご存知ですか?「どうしてうちの子はこんなに消極的なんだろう?」「こんなに積極性がなくて大丈夫?」と焦っているのは実は日本の考えであって、教育先進国ではもっと違う見方をしています。
では、どうすれば子どもの積極性を引き出すことができるのでしょうか?今回は子どもの積極性を引き出すために大切なことを教育先進国での考え方を交えてお伝えしていきます。

「何もしないでボーっとしている」のはなぜ?

せっかく連れてきた公園でお母さんのそばを特に離れることなく、ただボーっとしている子どもを見ると「もう!せっかく連れてきたのに!」と言いたくなる気持ちは二児の母である私も痛いほどよく分かります。ですが、逆に子どもがどうして「ボーっとしている」のか考えたことはありますか?
私も子どもが1歳くらいの頃にただボーっと公園にいるもので、何度も「帰ろう」と声をかけてしまっていました。でも、いざ連れて帰ろうとすると大泣きされてしまうので「ボーっとしてるのにどうして帰ろうとするとどうして泣くんだろう」と不思議に思って色々と本を読んで調べてみました。すると実は子どもが遊びに積極的になるにはいくつか段階を踏んでいるということが分かったのです。その段階は大きく分けると下記のようになります。

子どもの遊びの発達段階

  1. 一人遊びの段階
  2. 他の子の遊びを見ている段階
  3. 他の子の遊びを真似する段階
  4. 他の子と一緒に遊ぶ段階

「一人遊びの段階」とは他の子が遊んでいるものには興味を示さず、自分の興味のあるもので遊ぶ段階です。他の子どもに近寄っていくことや話しかけるようなことはしません。そして次が「他の子の遊びを見ている段階」これがいわゆる公園に行ってもボーっとしている状態です。大人から見ると遊びに積極性がなく、一人で立っている後ろ姿が何だか寂しそうに感じがちですが、実は子どもは他の子を見ることで遊び方を学んでいる段階です。子どもは見ている時は何も話しませんが“滑り台はあそこから手を使って登って高いところからスーッと滑ってくる…”というのをじっくり考えているところなのです。

他の子を見ているのは積極的になるための準備

カナダの心理学者バンデューラは「学習は自分が体験しなくても他者の行動を観察することによっても成り立つ」と実証しています。つまり、子どもが積極的に遊ぼうとせず、ただ呆然と見ているのは決して消極的であるというわけではないのです。むしろ、その遊びについて子どもの中で大きくイメージを膨らませて自分ができるようにデモンストレーションを頭の中で行っています。
ですが、こういったことを知らない私のような多くのお母さんは「同じくらいの年齢の子があんなに遊んでいるのにうちの子は…」と心配しその状況に居たたまれなくなって「もう帰ろう」と声を掛けてしまうのです。
「他の子の遊びを見る段階」をしっかりと踏んだ子どもが「他の子の遊びを真似する段階」に進み、大人がみても遊びに対して積極性を感じるようになります。そして「他の子と一緒に遊ぶ段階」へと進んで、ルールのあるおにごっこなどの集団遊びに発展していくのです。ですから、子どもが見ているだけだからと言って「もう帰ろう」と声をかけてしまうのは絶対にしてはいけないのです。

教育先進国の保育士さんは積極性をこう引き出す

今から約20年前に先生という立場を「教える」ではなく「子どもたちが自分で考えることを助ける」という考え方にシフトしたまさに積極性を引き出すことに特化した教育先進国がデンマークです。そんなデンマークの保育士さんは子どもがただ遊びを見ている時や「やりたくない」と言った時どう関わると思いますか?答えは「他の子が楽しそうにしていたらそのうちやりたくなるから大丈夫」と考え見守るそうです。一応「他にやりたいことがあるのかな?」と原因を考えることはするそうですが気長に待つというのが基本です。
このことからもいかに大人が帰ろうと見る行為を中断することや無理矢理遊びに誘うことが子どもの積極性をつぶしてしまうことになるか分かると思います。子どもの積極性を引き出すのに大切なのは他でもない「待つ」という姿勢なのです。

他の子とは比べない。その子の時間軸で考える

公園や児童館に連れて行くと多かれ少なかれ自分の子どもと同じ年齢の子どもに出会います。そんな時、真面目で心配性なお母さんほど“あの子は同じ年齢であんなことがもうできている…”と思ってしまいがちです。人と比べてはいけないと分かっていてもついつい比べてしまうのが人間の心理ですが、そんな時は思い出して欲しい言葉があります。「他の子ではなくその子の時間軸で考える」という言葉です。
赤ちゃんの時はただ上を見てゆっくりと動いているだけだったのが、寝返りができるようになって、ハイハイするようになって、タッチするようになって、ヨチヨチと歩けるようになって…と子どもは日々成長しています。1年前の姿をちょっと思い出してみるだけでも今とは全く違いますよね。ですから、もし他の子と比べそうになってしまったら“でも1年前は歩いてもいなかったよね”とその子の時間軸で考えるようにして下さい。何もしていないように見えても子どもは少しずつお母さんに支えられて成長しています。積極的に見えなくても、何も話してくれなくても自分の頭で一生懸命考えて行動する時を伺っているのです。

見ているだけで成長中の子どもの背中を見守って

いかがでしたか?子どもに積極性がなく、遊びをただ見ているだけだと「見てないで遊んでおいでよ!」と言いたくなってしまいますが、見ているだけでももの凄い成長をしているということがお分かり頂けたと思います。子どもが公園でボーっとして何もしていない姿を目にしたら “いや、うちの子今凄い成長中だわ!”と心の中でガッツポーズしてしまいましょう。その見ているだけの状態が積極性を引き出す前段階だと分かっていればイライラすることや、心配することも減りますのでぜひ「待つ」「見守る」という姿勢を大切にして下さいね。