親がどの様に子どもに接するのかということはその子どもの育ちに大きな影響を与えるとされています。
たくさん褒められて育った子どもは自己肯定感が高くなり、叱られてばかりの子どもは自信がない人に育つとされています。
褒めることの大切さを表しているものです。今回、子どもを褒める時の基本をまとめました。
タイミング良く褒める
子どもを褒める際、最も大事なことは「タイミング良く褒める」ことです。子どものことを褒めたとしても、子どもが「何のことで褒められているのだ?」と少し考えてしまうようでは褒めた効果が半減してしまいます。
子どもが何か褒められるようなことをした際には、タイミングを外さず、即座に褒めることが大切です。
子どもが褒められるような行為をした際、すぐに褒められると、その行為がプラスの方向で強化されるとされています。次にも同じような行動をしようという意識づけとなります。
私の経験では、あとでタイミングを見計らってから褒めようとした場合、どうしても褒めることを忘れてしまったり、タイミングを逸してしまったりということになりやすいです。
ただ「すぐ褒める」というものは、子どもの年齢によっても対応が少し違ってきます。年齢が小さければ小さいほど、すぐに褒める事が大切になります。
年齢が上がるに従って、即座に褒めることだけでなく、少し間をあけてから褒めることも子どもがきちんと理解できるようになります。
自分の姿をある程度客観的に見る事ができるようになることで、以前の自分の姿に関する褒め言葉がきちんと理解ができるようになっていきます。
褒める時には皆の前で、叱る時には個別で
褒める際には人の前で行うと良いですが、叱る際は個別(他の人から見えない所で行う)で行った方が良いです。
他の人の前で褒めることで、良い行動を多くの他の人に伝える事ができますし、その子どもの立場を良いものにすることにもなります。
人前で叱ってしまうとある部分で「恥をかかす」ような感じになってしまいます。
言われている事が妥当であっても、人前で言われることによって、素直に受け入れる事ができないという心理状態になってしまう事があります。
褒めることができる状況を作る
私は小学校の教員をしている時、様々な課題を抱えた子どもを担任することが何度もありました。
経験年数の少ない若い教員と一緒の学年を組むことも多く、関わりの難しい子どもを私が担任することになることが多かったからです。
私はそういった子ども達と関わる際、初対面の時に良好な関係を築くことができるよう心掛けていました。ある課題のある男の子は力持ちだという情報を事前に得ていたので、初対面の時にその子どもが活躍できるような場を設定しました。
初めての関わりの時に「褒め」、「感謝を伝える」ことで、出会いは良好なものとなることが多いです。
課題の多い子ども程、日々の生活の中で叱られる機会も多いので、褒められると特に嬉しく感じるようです。
このように「褒めることができるもの」を意図的に設定し、そして褒めていくことで、人間関係が良好になっていきます。また、褒められることで、多くの子どもは情緒が安定していきます。
家庭でも意図的に子どもを褒めていきたい
「褒めることができるもの」を意図的に設定していくことは学校以外の家庭などでも同様なのだと思います。
大人の立場からは、子どもの問題点(叱る部分)は、あまり意識しなくともすぐに見えてきます。あまり意識しないと、叱ってばかりということになってしまいます。
そういった状況では、親もストレスが溜まりますし、子どももちろんストレスが溜まります。
親がいつもカリカリしているそういった状況を打破するためには「無理やりにでも褒めること」も良い方法なのだと思います。
私が教員の頃、初対面の子どもの力持ちの面を褒めたように、褒めることができるような状況を親が作り出し、そして褒めるようにします。
そうやって褒めることがきっかけとなり、難しい状況に変化が生じてくるかもしれません。
褒める癖をつける
あまり褒めることに慣れていない親は、子どもを褒めようとしてもなかなか上手に褒めることができないことが多いです。
先にも書いたように敢えて褒めることができるような状況を作ったり、子どもを褒めることができるよう良い部分を探ったりしていると徐々に子どもを褒めることに慣れてきます。
「褒める」ということは、「子どもの良い部分を意識して見ていく」ということになります。「良い部分を探していく」と言い換えることもできます。
子どもの見方をこのように変えていくことで、親も子どもも良い精神状態を保つことにもつながります。
今回、子どもを伸ばす褒め方の基本についてまとめました。子どもを褒める際は大人が少しの配慮をする事で、子どもの伸びが随分と違ってきます。
「褒める」ということは「子どもを肯定的に見る」ということなのだと思います。子どもを否定的に見て、叱る所を探すのではなく、良い所を探すように心掛けていくことが大切でしょう。そういった事が子どもの育ちをより良いものとしていくことにつながっていくでしょう。
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