親はどうしても子どもの問題点(悪い所、叱る必要がある所)に注目しがちです。叱る部分は簡単に見つけることができるのですが、褒める部分は意識して見ようとしないと見えてこないことが多いです。
子どものより良い育ちのためには、意識して子どもの良い部分を見つけること、そしてそれをきちんと伝えていくことが大事になります。
子どもは褒められて伸びる
子どもの成長には様々な形があります。「失敗」だと思われるような出来事から大きな成長を得ることができることもあります。
逆に「成功」だと思われるような出来事が結果的には成長につながらず、その子どもをダメにしてしまうこともあります。
どういった経験が子どもの成長につながるのかということは、個人差などもあるのですが、一般的には「褒められて伸びる」ことが多いです。
褒められるとそのことに自信を持つことができるようになります。これは子どもはもちろんですが、大人でも同様です。そして、自己肯定感も高まります。自己肯定感の高い子どもは様々なことにチャレンジしようとします。
チャレンジの結果、うまくいったことからも学びがあり、うまくいかなかったことからも学びを得ます。
逆に自己肯定感の低い子どもは失敗を恐れ、行動が抑制的になってしまうことがあります。このように褒められて育った子どもは、日々を生き生きと過ごすことができる可能性が高くなります。
「褒めること」と「叱ること」のバランスが大事
「褒めること」で子どもは伸びるのですが、場合によっては「叱ること」が必要なことも事実です。そのバランスが大事になります。
どの程度で子どもを褒め、どの程度で子どもを叱れば良いのかということは決まっているものではありません。それぞれの子どもの状況によって違ってくるからです。
基本的には褒めることで子どもは力を伸ばしていきます。ただ褒められることで有頂天になり、却って成長が止まってしまうようなケースもあります。
叱咤激励によって大きく成長することもあります。その子どもに関わる大人がその子どもをしっかりと観察し、その子どもに合った方法はどういったものであるのかを見極める必要があります。
「良い所」は将来の仕事につながる可能性もある
その子どもの良い所は、将来の仕事につながる可能性があります。「サッカー好きな子ども」が「プロサッカー選手」というようなものだけでなく、「年下の子どもの世話が上手な子ども」が「幼稚園の先生」に、「非常に几帳面な子ども」が「銀行員」に、「虫好きな子ども」が「研究者」に、「ゲーム好きな子ども」が「プログラマー」になどです。
それぞれの人の良さが生きるような職業に就くことは、本人にとっても周りの人にとっても幸せなことです。
例えば、上でも例にあげた銀行に勤めた非常に几帳面な人は、1円までもしっかりと管理します。そのことによって周りは助かります。仕事での評価は高くなりますし、本人も気持ちが良く仕事に取り組むことができます。
逆に少し大雑把な性格の人はそういった部分でキチッとすることができません。銀行においてお金の額が違ってしまっては仕事になりません。本人も大変ですし、周りも大変です。
こういったその子どもの良い所と将来の仕事をつなげることは、親が大事な役割を果たします。学校の教員は、子どもとの関わりが1年間などの短期間になることが多いです。その点、親は長い視点で子ども良さを見つめ、それを職業選択へとつなげることができます。
これは子どもが発達障害であったり、色々な部分でクセの強い子どもであったりする場合は尚更です。苦手な部分がある分、他の人よりも得意な面があることが多いです。その子どもの良い部分が将来の職業にまでうまくつなげることができるかは短いスパンで担当が替わる教員よりも親の果たす役割が大きくなります。
親の思いの「押し付け」には気をつけたい
職業選択のタイミングにおいて、その人の良さ、特徴、特質などが前面に出るような選択ができることが望ましいです。ただそういった際に親として気をつけたいものが「親の思いの押し付け」です。「親が子どもの良い所を決めつける」ことで子どもの選択肢を狭めてしまう可能性があります。
極端な例では自分ができなかったことを子どもに託すようなものです。自分がなれなかった職業(医者、弁護士など)や入れなかった大学へ子どもを誘導するような感じのものです。
親として子どもに期待する気持ちは通常のものなのですが、それが却って子どもを苦しめる場合もあります。親は自分の子どもと関わる際、ある部分では「熱く」、ある部分では「冷静に」関わることが望ましいでしょう。
今回、子どもの成長において褒めることが大事であるということを書いてきました。基本的にはそうなのですが、その子どもの状況によっても違う面があることや親の価値観の押し付けは子どもの成長を阻害するということは忘れないようにしたいです。
▼関連記事