注目が高まり続ける早期教育。実際に取り組むママも多くなり、「なにもしていない我が家は大丈夫…?」と心配になることもあるでしょう。
小学校教員だったのわたしは、児童が早期教育を受けたかどうかなんて分かりませんでしたし、気にしたこともありません。
ところが幼児期に勉強を始めることにより、学力以外の面でメリットがあるという話も聞かれたことがあるのではないでしょうか?
- 早期教育をいつから始めればいいのか?
- 早期教育の効果や弊害はあるのか?
- 子どもにとってのメリットデメリットは?
- 3歳までに始めないと英語しゃべれないの?
今回はこういった疑問をお持ちの方に向けて紹介していきます。
脳の発達に合わせた早期教育
早期教育は、一般的に幼児期に取り組む教育のことを指しますが、場合によっては胎児期~乳児期からスタートすることもあります。幼児期に勉強をスタートさせることにはどんな効果があるのでしょうか?
想像力や直観力、感性などを司る右脳は、早期教育によって伸びを見せます。
特に、言語能力が身につく3歳までの子どもは、右脳を中心に物事を判断しています。この時期に集中的に右脳の発達を促すことで、芸術分野への才能、集中力や記憶力などを伸ばすことができるとされています。
右脳の発達に関連して、英語の発音や絶対音感などは3~5歳で基礎を身につけることが重要です。
英語などの語学に関しても「3歳までに始めたほうがいい」というのはこういった理由があります。発音やリスニングを幼いころに始めたほうが、よりネイティブの感覚に近くなるといったものです。
ですが実際のところ英語でのコミュニケーションでは「ネイティブのように会話できる必要がない」というのは親として考えておくべきことになります。
ビジネスで成功しているような人が、全員きれいな発音ができるわけではありません。英語が出来なくても成功している人はたくさんいらっしゃいます。
今後AIによる翻訳機もどんどん性能が上がります。きれいな発音、正確なリスニングは学習の優先度からはどんどん下がっていくことになります。
早期教育は学力向上への影響は薄い
一方で、例えば「早期教育を行えば大学受験がうまくいくか」と言われると、それは違います。
3歳で文字の読み書きができても、その先の勉強につまずかない保証はありません。
今の日本のシステムでは飛び級制度もなく、いくら幼児期に早期教育を行っても、小学校1年生からは横並びの勉強となります。
「学校で1年生の内容を学びながら、家では2年生の内容を教える」
「小学校高学年からは塾で中学校の内容を学ぶ」
など、継続的かつ熱心に取り組む意思があれば早期教育にも価値が出ますが、そうでない場合は特に気にしなくて問題ないと考えましょう。
また早期教育で詰め込んだ学術的な勉強は、10歳過ぎには大半を忘れてしまうとされています。
そのため早期教育では「テストの点数を目的にした勉強」はほとんど意味がありません。
では早期教育には一体どんなメリットがあるのでしょうか?
早期教育のメリットは「習慣化」
学力への直接的な影響は薄いですが、勉強に対する姿勢を身につけるという点で、早期教育には大きな効果があります。
言葉や数字が分かり始めた幼児期にとって、勉強は遊びの一種。「お姉さん・お兄さんのように勉強したい!」「えんぴつを持って字を書いてみたい!」という憧れは、勉強へのモチベーションに直結しています。
勉強に対して抵抗感を抱く前に、楽しんで勉強に取り組む姿勢を身につけることができるでしょう。
家庭学習の習慣が身につく
同じように、勉強に楽しく取り組める時期に家庭学習の習慣を身につけることができるのも大きなメリットです。
「おやつを食べたら机に向かう」
「幼稚園から帰ってきたらまず勉強をする」
というように、生活リズムと結び付けた習慣付けができることが理想です。
勉強や宿題に対して「やるかやらないか」の選択肢を持たず、「やるもの」としてとらえることができれば、子どももストレスなく学力を身につけることができるのです。
幼児学習教室に通う
早期教育の代表といえば、やはり幼児向けの学習教室でしょう。0歳代からスタートできる教室も多く、「どの曜日も満員で受講できない」ということもあるようです。
また、幼稚園受験や小学校受験を検討している場合は、受験に特化した教室に通う必要があります。
フラッシュカードや英会話、リトミック、読み聞かせなど、教室によって強みが異なります。
親同伴、母子分離など、教室の雰囲気やシステムも違いますので、まずは資料請求や体験教室の受講をおすすめします。
ママが教室を信頼できるかどうかはもちろんですが、子ども自身が楽しく教室に通えそうかどうかも判断基準にしてください。
家庭で幼児ドリルや通信教材に取り組む
「早期教育に興味はあるけれど、幼児教室に通わせるまでは…」と思っているママもいることでしょう。そんなときは、幼児ドリルや通信教材に取り組んでみるのはいかがでしょうか。
通信教材であれば、胎児期から継続的に受講できるコースも用意されています。子どもの発達段階に合わせた内容で、無理なく勉強をスタートできる点が魅力です。
また、書店へ行けば「2歳からできるはさみ遊び」「3歳からのひらがな」など、大手幼児教室が出版しているドリルがそろっています。表記されている年齢にとらわれず、取り組めそうなものからチャレンジしてください。
知育玩具で楽しく幼児教育
「子どもに勉強を教える自信がない」「すぐに飽きてしまいそう」と心配なママは、知育玩具で楽しく幼児教育をスタートしてみませんか?
遊びであれば気負わず、優しい雰囲気で取り組めます。「ひもとおし」「ブロック」「つみき」「ねんど」など、指先を使うおもちゃが特におすすめ。
ひもとおしや布絵本であれば、ママの手作りを用意することも可能です。あたたかい親子のコミュニケーションとして、無理なく幼児教育に挑戦してください。
まずは楽しく取り組める環境づくりを
以上、早期教育の効果についてと、幼児期の勉強スタート法について紹介しました。
幼児期から勉強に取り組むことにはメリットもありますが、勉強ばかりでは子どもの心身の発達にかえって悪影響となることもあります。
テレビやスマホ、ゲームの普及により子どもの体力低下が問題視されている今、運動や遊びも積極的に行いましょう。
また、無理に勉強を強要することは避けてください。幼児期に大切なのは、楽しく勉強に取り組める環境づくりです。少しでも子どもが笑顔で過ごす時間が長くなるよう、バランスを大切にしたいですね。