子どもの学び・教育

臨時休校 より良い子どもの育ち、学びにつなげるために

子どもの学び・教育
この記事を書いた人
鈴木 邦明さん【帝京平成大学 講師】

教育学を専門とする大学講師。22年間小学校の教員のご経験を活かし「小学校入学時に子どもが感じる不安と小一プロブレムの関連、小学校の学級経営のあり方」等の研究をされています。また自身での書籍出版や、All Aboutの「子育て・教育ガイド」、日経DUAL、リセマム 、ベネッセたまひよ、学研ママノートなど、執筆や取材協力など多岐にわたり、教育にまつわる情報を発信しています。

急に始まった一斉休校です。通常の長い休み(夏休みなど)の場合、教員は時間を掛けて準備をしますし、これまでのノウハウもあります。

しかし、今回は十分な準備をする時間もないまま一斉休校が始まってしまいました。そういった状況では、親の役割がいつも以上に増してきます。今回の長い休みを子どものより良い育ち、学びにつなげられるようなヒントをまとめました。

長期臨時休校は学校も準備できていない

今回、非常に唐突に全国の学校で臨時休校が始まりました。調べてみると今回のように全校で一斉にある程度の期間で学校が休校になるのは、太平洋戦争末期の昭和20(1945)年に出された「戦時教育令」の時以来だそうです。

通常の長期休業(夏休みなど)の場合は、学校でそれなりの準備をしてから、休みに入ることになります。宿題などの指示をしたり、休みの過ごし方の指導をしたりなどです。しかし、今回は学校においてそういったことをする時間的ゆとりがないまま長い休みに入ってしまいました。

学校の対応が十分でない分、親への負担が増えることになっています。ある程度はやることなどの指示が出ている場合もありますが、それは約1ヶ月を過ごすには十分なものではないはずです。子どものより良い学び、育ちには、親がしっかりと考え、行動していくのかが大事になります。

臨時休校では家庭の状況に応じた対応が必要

また、今回のケースで難しいのが、それぞれの子どもの置かれた状況が違っているということです。一応、全国一斉に休校にすることになりましたが、自治体によっては休校にせず、通常通り授業をやっている所もあります。また、親がケアのできない低学年の子どもを学校が預かってくれる所もあります。

他にも自宅のそばに祖父母が住んでおり、そこで厄介になっているケース、ずっと一人で自宅の中で過ごしているケースなど、子どもが置かれている状況は様々です。

そういった様々な状況によって望ましい過ごし方は少しずつ違ってきます。そういったそれぞれで違った状況にあることによる対応の違いも難しいところです。

学校の学びの継続と幅広い学びの可能性

子ども学び、育ちにおいて大事なことは「学校の学びの継続」と「幅広い学びに取り組む」ということでしょう。

今回は、3月の時期の学びがすっぽりと無くなってしまいました。教科によっては、教科書の内容が全ては終わっていない場合もあると思います。一応、全て終わっていたとしても、通常3月はまとめの時期で、その学年で習ったことの復習をします。理解が不十分なところがあったら、その部分を再度丁寧に振り返り、きちんと理解ができるようにしていきます。

具体的に親が取り組むこととしては、それぞれの教科で学習内容が最後まで終わっているのかについて子どもに聞くことです。終わっている教科もありますが、そうでない教科もあるはずです。そういった場合、休校が終わったら学校でも対応するという報道がされていますが、できれば家で一度取り組んでおく方が良いです。

臨時休校で取り組む学習


休校が明けた後に取り組む場合、どの時期(3月中旬、4月初旬)に取り組むとしても、どうしても駆け足での取り組みとなるはずです。時間的なゆとりが無い中での学習となるので、取りこぼしをしてしまう可能性もあります。それなので、家庭で親が一緒に取り組んでおいた方が良いでしょう。

取り組み方法としては、取り組めていない部分について教科書で確認した後、ドリルなどに取り組みます。学習していない部分に関しては、学校で取り組んでいないドリルやテストなどがあるはずです。そういったものをやることで理解を深めることができます。

さらに取り組むには、市販のドリルを購入したり、ネットから問題を入手したりするなどの方法があります。ネットの教材は質の高いものが増えていますし、この時期には本来は有料のものが無料で取り組めるようになっているものもあります。そういったことを上手に利用すると良いでしょう。

休校期間は「学び」と「遊び」が必要

また、今回の休校は期間が長いです。子どもが自習のような形で一日中勉強に取り組むのは非常に大変なことだと思います。学校であれば、皆が一緒に勉強をしていますし、すぐそばにゲーム機などは置いてありません。家の中でずっと勉強などをし続けるのは本当に難しいことです。

それなので、適度に「息抜き」を挟むと良いと思います。「息抜き」は、テレビを見ることやゲームをすること、体を動かすことなどでも良いのですが、もっとオススメなものはその子どもの好きなことに取り組むということです。例えば、昆虫好きな子どもはじっくりと昆虫の図鑑を見る時間を取るなどのことです。

通常の学校のある期間は、やはり忙しい日々です。朝起きると、着替えて、食べてすぐに登校です。学校から帰ってきても、宿題をやったり、習い事に行ったりとやはりバタバタとしてしまいます。休校の時期はそういった日々とは正反対の時間が流れています。普段やりにくいことにじっくりと時間をかけて取り組む良いチャンスかもしれません。

もしかしたら、そういったことがきっかけとなり、それが将来の職業選択に影響を与えるようなことにつながる可能性もあります。今回の突然の休校によってできた時間を有意義に使うことで「学び多い1ヶ月」になるかもしれません。

健康面への配慮を忘れない

今回のケースは、健康面において通常の長期休業と少し違っている部分があります。それは新型コロナウイルスへの感染の可能性が子どもも含めて誰にでもあるということです。状況は日々刻々と変わっていっています。

そういったことから子どもが昼間をどのような形で過ごすにしても、子どもの体の状態のチェックは通常の時よりも頻繁に、そして、丁寧に行いたいです。

年齢にもよりますが子どもの場合、感染率は低く、また重症化する可能性も低いとされています。しかし、全くゼロな訳ではありません。今回は相手が未知のウイルスだということなので慎重になる必要があるでしょう。

休校期間も生活リズムは崩さない

また、健康面に関しては、長期間学校へ行かないことによる生活リズムの崩れによる影響も心配です。学校がある時は朝の決まった時間に起きます。学校では時間割が決まっており、規則正しい生活を送ることができます。

しかし、休校の期間はそういったものが崩れやすくなります。インフルエンザなどの学級閉鎖の場合は、その期間が数日であることがほとんどです。今回の新型コロナウイルスによる一斉休校は地域にもよりますが多くの学校では約1ヶ月になります。十分なケアが大切です。

今回、新型コロナウイルスによる一斉休校における問題についてまとめました。未知のことでもあり、対応が難しい面もあります。そういった中で、子どものより良い学び、育ちのために親がどういったことをしていったら良いのかということをその都度考え、実行していくことが大切でしょう。

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